電子契約における契約書の文言とは?変更箇所や注意点を紹介
目次[非表示]
- 1.契約書の文言(後文)とは
- 2.電子契約に移行する際に変更が必要な箇所
- 2.1.①本書や書面などの文言
- 2.2.②写しに関する文言
- 2.3.③署名・押印欄
- 3.電子契約に移行する際の注意点
- 3.1.①顧客や取引先から了承を得る
- 3.2.②電子契約に適した社内フローを構築する
- 4.まとめ
オンライン上で締結される電子契約は、ペーパーレス化の促進や業務の効率化に役立ちます。
しかし、電子契約を導入するためには、契約書の内容を見直さなければなりません。適切な文言へ置き換えることで、電子契約を運用できるようになります。
担当者のなかには、「電子契約の導入を検討している」「契約書の文言について知っておきたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、電子契約における契約書の文言について詳しく解説します。
契約書の文言(後文)とは
契約書には、内容以外に前文や後文など、さまざまな文言が記載されます。後文は契約書の最後に位置し、締めくくりとして使われる1〜2行程度の文言です。
法的な定めはありませんが、契約の当事者や契約書の作成枚数、保管方法などの重要な情報が後文の主な内容になります。
後文に記載する内容は一般的に決まっており、契約書の種類に関係なく共通する項目であることが特徴です。
そのため、記載内容を事前に把握しておけば、あらゆる契約書に適切な文言を書けるようになります。
後文に法的な効力はないと判断される場合がありますが、契約内容に関する認識の相違を防止する役割があります。
また、後文があることで確実に合意があったうえで契約が交わされている証明にもなるため、契約書を作成する際は最後に記載することが重要です。
>>電子署名とは?導入のメリット・デメリットと必ず知るべき注意点
電子契約に移行する際に変更が必要な箇所
電子契約は通常の書面による契約とは異なり、紙の契約書を使用しません。
また、電子契約は電子署名や電子印鑑を使用するため、通常の契約とは締結方法が異なります。
従来の契約書をそのまま使用してしまうと、法的な要件を満たせない場合もあるため注意が必要です。
ここでは、電子契約に移行する際に変更が必要な箇所を紹介します。
①本書や書面などの文言
本書や書面は、紙媒体の書類を指す言葉です。そのため、電子的に作成・締結される電子契約で使うのは不適切と判断されます。
電子データで契約書を作成する場合は、電磁的措置や電磁的記録という言葉に置き換えるとよいです。
例えば、契約書で用いられることが多い、「事前の書面による承諾なしに」という文言は、「事前の書面または双方が合意した方法による電磁的記録による承諾なしに」と置き換えると電子契約で使用できます。
この文言を使用することで、電子的にやりとりしたデータでも同意を得ることが可能です。
②写しに関する文言
紙で締結する契約の場合は、関わる人数分の原本を作成することが一般的です。(2社間の契約の場合は、「本書2通を作成し、甲・乙各1通を保有する」といった表現が一般的)
しかし、電子契約はデータを1通と数えることができず、また複製も可能なため、作成枚数に関わる内容は不要となります。
電子データを原本として、印刷したものを写しとして扱うことになるため、その旨をはっきり記載しておくことが大切です。
③署名・押印欄
電子契約の場合は、従来の書面での契約のように直接署名したり押印したりするわけではありません。
従来の署名・押印用のスペースはそのまま流用できますが、「記名」や「押印」などの文言は修正する必要があります。
電子契約の締結時は電子署名を使用するため、その旨を記載しておくとよいです。
一例)記名押印に代えて電子署名を行う当事者は、当該電子署名がなされた本契約の電磁的記録を保有するものとする。 など
電子署名は基本的に暗号化されたデータですが、日本の契約書式に合わせて、何らかの印影画像や手書きサインなどを押印箇所に設定する場合があります。
電子契約に移行する際の注意点
電子契約の導入は、業務の効率化やペーパーレス化など、企業と従業員にとってさまざまなメリットがあります。
しかし、電子契約は顧客や取引先に影響するものであるため、自社のみの判断で移行することはおすすめしません。
電子契約を導入する際は、注意点を踏まえて進めることが大切です。ここでは、電子契約に移行する際の注意点を2つ紹介します。
①顧客や取引先から了承を得る
電子契約は、自社のみで完結するものではありません。契約を交わす顧客や取引先が関わるため、電子契約に移行する際は注意が必要です。
少しずつ普及している電子契約ですが、すべての企業が電子契約や電子署名に対応できるとは限りません。
顧客や取引先とのトラブルを避けるためにも、電子契約を取り入れる際は事前に合意を得ることが大切です。
②電子契約に適した社内フローを構築する
電子契約は従来の書面での契約とは性質が異なるため、適切な管理・業務フローを社内で構築しなければなりません。
電子データは情報の流出や不正アクセスなどのリスクがあるため、パスワードやアクセス権限などのセキュリティ対策が必要です。
また、電子データの取扱いに関するルール策定やマニュアルの整備も電子契約を適切に導入するためには必要になります。
まとめ
この記事では、電子契約における契約書の文言について以下の内容で解説しました。
- 契約書の文言(後文)とは
- 電子契約に移行する際に変更が必要な箇所
- 電子契約に移行する際の注意点
電子契約は従来の書面での契約とは異なる性質を持ちます。
そのため、従来の契約書の内容をそのまま流用しては、適切に電子契約を導入・運用できない可能性があります。
必要に応じて文言を修正し、顧客や取引先との合意形成を行うことで、スムーズに電子契約に移行できるはずです。
『WAN-Sign』は、官公庁や金融機関、医療機関などの厳しいセキュリティ基準での実績を通じて蓄積した文書管理ノウハウを基に、開発された電子契約・契約管理サービスです。
フォルダによる閲覧制限、ワークフロー固定機能、IPアドレス制限など、金融機関や医療機関が求めるセキュリティを備えた内部統制機能を標準搭載しています。
詳しくは、お気軽にお問合せください。