電子契約は、書面契約と同等の法的効力を持ちながら、業務ごとに異なる法令やガイドラインへの対応が求められます。特に建設業の工事請負契約、商業・法人登記のオンライン申請、契約の重要度に応じた署名方式の選定は、担当者が個別に確認すべきポイントが多く、法改正のたびに情報が更新される分野でもあります。
本ガイドでは、電子契約サービス『WAN-Sign(ワンサイン)』の、建設業法における電磁的措置ガイドラインへの適合、経営事項審査での取り扱い、商業・法人登記のオンライン申請への対応、そして電子署名と電子サインの使い分けについて、関連法令やガイドラインの内容とあわせて紹介します。
建設工事の請負契約を電子契約で締結する場合、建設業法施行規則第13条の4第2項が定める「見読性」「原本性」「本人性」の3要件を満たす必要があります。『WAN-Sign』は、この3要件に対応した機能を備えています。
本ガイドラインは令和7年9月30日に施行されました。施行日以後に電子契約サービスの利用契約が締結される契約に適用され、施行日前に締結された契約は従前の例によります。なお、従来の「建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する『技術的基準』に係るガイドライン」(平成13年3月30日付け)は、本ガイドラインの施行にともない廃止されました。
出典:「電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン」(国土交通省)
『WAN-Sign』は、現行の建設業法施行規則第13条の4第2項が定める「見読性」「原本性」「本人性」の3要件をいずれも満たしています。
見読性とは、契約の相手方がファイルへの記録を出力し書面を作成できることです。『WAN-Sign』は契約書をPDF形式でアップロード・保管し、署名完了後に署名済みPDFを指定のメールアドレスへ送信することで、この要件を確保しています。相手方はこのPDFをダウンロード・出力し、書面を印刷できます。
原本性とは、契約事項等について改変が行われていないかを確認できる措置のことです。『WAN-Sign』は実印版・認印版いずれも公開鍵暗号方式による電子署名及びタイムスタンプを付す機能を有しているため、原本性を確保できます。
そして本人性とは、契約の相手方が本人であることを確認できる措置のことです。実印版は電子認証局による本人確認済みの電子証明書を用いて署名するため、本人性を確認できます。認印版はメール認証を基本としつつ、契約内容の重要度に応じて、依頼元企業の設定により「アクセスコード認証」や「本人確認書類添付」を追加で求めることができます。
WAN-Signは、グレーゾーン解消制度に基づく国土交通省の回答(2019年)により、すでに建設業法施行規則第13条の2第2項の技術的基準に適合していることを確認済みです。
詳しくは以下の記事も併せてご参照ください。
関連記事:「電子契約サービス「WAN-Sign」が「グレーゾーン解消制度」を活用し、建設業法における適法性を確認いたしました」
『WAN-Sign』の認印版は、建設業法(昭和24年5月24日法律第100号)第4章の2に定める「建設業者の経営に関する事項の審査等」(経営事項審査)における添付書類として利用できることを、国土交通省関東地方整備局への照会により確認済みです。
経営事項審査に関する書類は、契約者双方の合意が確認できれば、書面締結・電子締結のいずれでも問題ないとされています。『WAN-Sign』は契約者が印鑑の画像を登録できるため、印刷した際にも印影が確認できることから、認印版であっても添付書類として「問題ない」との回答を得ています。
【照会先】
国土交通省 関東地方整備局 建政部 建設産業第一課
〒330-9724 埼玉県さいたま市中央区新都心2-1 さいたま新都心合同庁舎2号館
電話:048(601)3151
経営事項審査担当
取締役会議事録を電磁的記録で作成する場合、会社法369条4項・会社法施行規則第225条により、これまでは電子証明書を用いた電子署名が必須とされていました。しかし2020年6月2日、一般社団法人新経済連盟への回答により、代表取締役以外の役員についてはリモート署名やサービス提供事業者の指示による電子署名が認められました。
ただし、この時点では代表取締役(印鑑提出者)は対象外で、代表取締役については引き続き商業登記電子証明書による電子署名が別途必要とされていました。
その後、2021年2月15日施行の商業登記規則等の一部改正により、書面提出時に署名・認印で足りる文書に限り、代表取締役についても他の役員と同様に、認印版(クラウド型電子署名)での対応が可能になりました。これにより、実印と印鑑証明書が必要な文書を除き、取締役会議事録の全出席者について『WAN-Sign』での対応が可能です。
【出典】「商業登記規則が改正され,オンライン申請がより便利になりました(令和3年2月15日から)」(法務省)
『WAN-Sign』は2020年7月6日より、商業・法人登記のオンライン申請にご利用いただけるようになりました。詳しくはWAN-Signに対する法務省の認定PRをご確認ください。
公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)は、電子証明書を利用した電子署名と、第三者認証までは行わない、導入しやすい電子サインとの使い分けについて掲載しています。
取引に利用される書類の性質 | 取引に利用される書類 | 電子署名 | 電子サイン |
契約当事者双方の意思や合意を確認するもの | 契約書 | ◎ | △ |
同上 | 注文書、注文請書 | 〇 | 〇 |
相手側へ証跡の意味合いで通知するもの | 見積書、請求書、納品書、領収書 | △ | ◎ |
詳しくは以下の掲載ページをご確認ください。
出典:電子契約活用ガイドライン
A. 建設業法施行規則第13条の4第2項により、「見読性」(相手方がファイルへの記録を出力し書面を作成できること)、「原本性」(契約事項等について改変が行われていないかを確認できる措置)、「本人性」(契約の相手方が本人であることを確認できる措置)の3要件を満たす必要があります。この3要件は、令和7年9月30日施行の「電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン」に定められています。
A.はい、ご利用いただけます。『WAN-Sign』は実印版・認印版いずれの契約書にも認定タイムスタンプを付与し、原本性を確保しています。また、認印版はメール認証に加え、契約内容の重要度に応じて「アクセスコード認証」や「本人確認書類添付」を追加できるため、本人性の確認レベルを高めることも可能です。
A.はい、『WAN-Sign』の認印版は経営事項審査における添付書類として利用できることを、国土交通省 関東地方整備局への照会により確認済みです。WAN-Signは契約者が印鑑の画像を登録できるため、印刷した際にも印影が確認できることから、認印版であっても添付書類として問題ないとの回答を得ています。
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