自治体で電子契約を導入する5つのメリット!サービス選定ポイントも徹底解説
(更新日:2024年3月7日)
目次[非表示]
- 1.自治体で電子契約の導入が進んでいる理由
- 2.自治体の電子契約導入に伴う5つのメリット
- 2.1.①紙の契約よりも業務が効率的になる
- 2.2.②重要書類の紛失リスクが低減される
- 2.3.③契約フローを可視化できる
- 2.4.④押印廃止を推進できる
- 2.5.⑤立会人型署名が利用できる
- 3.自治体で電子契約を導入する注意点
- 4.自治体向け電子契約サービスの選定ポイント
- 4.1.①セキュリティ関連の国家資格を取得している
- 4.2.②国・地方公共団体で有効な電子署名に対応している
- 4.3.③総合行政ネットワークLGWAN内で利用できる
- 4.4.④地方自治体での導入実績
- 4.5.⑤導入・運用サポート体制の充実度
- 5.自治体で電子契約を導入する流れ
- 6.官公庁・自治体向けの電子契約導入ならWAN-Sign
- 7.まとめ
従来の紙の書類よりも、効率的かつコストを抑えながら契約締結を実現する電子契約は、企業のみならず、自治体や官公庁でも導入が進んでいます。
電子契約の導入は職員の契約業務を効率化するだけではなく、重要書類の紛失リスクを低減させる、地域企業のDX推進に貢献するなどのメリットもあります。
この記事では、自治体の電子契約導入に伴う5つのメリットやサービスの選定ポイントを詳しく解説します。
自治体で電子契約の導入が進んでいる理由
電子契約はさまざまなビジネスにおいて普及が進んでいますが、自治体においても『令和3年2月8日 総行行第33号「地方自治法施行規則の一部を改正する省令等の公布及び施行に伴う電子契約 における電子署名及び電子証明書等に関する留意事項について(通知)』により、電子署名を用いる際の規制が大きく緩和され、クラウド型の電子署名による契約締結が認められるようになりました。
従来の契約締結には、記名押印のある契約書が用いられていました。現在は、各都道府県及び市区町村の自治体において、クラウド上で行うデジタル形式での契約締結が広がってきています。
紙の契約書で必要だった捺印や郵送などの手間が省けるようになったため、契約業務の効率化やコスト削減などを目的として、自治体での導入が進んでいます。
出典①:総行行第33号
出典②:総行行第33号(別添1)
出典③:総行行第33号(別添2)
出典④:総行行第33号(別添3)
自治体の電子契約導入に伴う5つのメリット
ここからは、自治体や官公庁で電子契約を導入するさまざまなメリットを紹介します。
①紙の契約よりも業務が効率的になる
電子契約の場合、オンライン上で契約締結から書類の保管まで完了するため、契約業務が効率的になります。
従来の紙媒体での契約締結の場合、契約合意後に契約書を印刷した後、製本・捺印・封入郵送・返送などが発生していました。
電子契約の場合、契約合意後にPDFファイルをシステム上にアップロードします。その後、メール通知と先方の合意締結を経て、電子文書の自動保管が完了する流れになるため、作業工数を大幅に削減することが可能です。
②重要書類の紛失リスクが低減される
電子契約を締結した契約書は、オンライン上に電子データとして保管されます。そのため、従来の紙の契約書であった紛失のリスクが低減されるメリットがあります。
契約書を紛失してしまうタイミングは、施設での保管中や郵送中などさまざまです。電子契約の場合は、セキュリティ対策を行なったうえで安全に保管できます。
③契約フローを可視化できる
電子契約サービスでは、紙の契約書ではできなかった契約フローの可視化が実現します。
例えば、契約業務の進捗状況や、契約先による契約内容の確認、契約書の返送状況などをオンラインで知ることができます。
契約フローを随時確認できるため、契約を行う双方で円滑にコミュニケーションをとれるようになり、契約締結までにかかる時間の短縮につながります。
>電子契約システムのワークフロー機能とは?利用するメリットやワークフローシステムとの違いを紹介
④押印廃止を推進できる
電子契約を導入することで、自治体が主体となって地域企業や事業者に対し、押印廃止を推進できます。
押印廃止は、地域の事業者のDX化を推進しつつ、印紙税のコスト削減にも寄与することです。
政府が掲げる自治体DX推進計画を進めるうえでも、ペーパーレス化を実現する電子契約の導入が重要な施策となります。
⑤立会人型署名が利用できる
自治体での従来の電子契約は、これまで契約をしようとする本人(当事者)が電子署名を付与する当事者型署名のみ対応していました。
地方自治法施行規則の改訂により、当事者ではない第三者が、当事者の指示に沿って電子署名を付与する立会人型署名(事業者型署名)にも対応可能となりました。
立会人型署名は、メールアドレスで本人確認を行います。相手先が同様の電子契約サービスを導入していなくとも電子契約が可能であるため、導入のハードルが低いことがメリットです。
>電子契約における立会人型と当事者型とは?それぞれのメリットとデメリットを紹介
自治体で電子契約を導入する注意点
自治体や官公庁で電子契約を導入する際は、以下の注意点をあらかじめ把握しておきましょう。
- 既存の契約プロセスの変更が必要
- 取引先への通知および合意が必要
- 一部の書類は電子契約に対応できない
- 電子契約に関する問い合せ窓口の開設が必要
- 地域企業や事業主へ説明する必要がある
- 高度なセキュリティを有する電子契約サービスが必要
電子契約の導入に伴い、契約を締結する企業に対し、事前にマニュアルを作成して配布するなどの準備が必要です。
また、機密情報や個人情報を取り扱う場合には、高度なセキュリティ対策ができる電子契約サービスを選ぶことが大事です。
自治体向け電子契約サービスの選定ポイント
ここからは、自治体で電子契約を導入する際におさえておきたい選定ポイントを詳しく解説します。
①セキュリティ関連の国家資格を取得している
自治体では多くの機密情報と個人情報を取り扱っているため、強固なセキュリティを搭載した電子契約サービスの導入が必須です。
情報セキュリティ上のリスクを適切に管理している電子契約サービスを選定したい場合、セキュリティ関連の国家資格取得の有無が判断基準となります。
▼電子契約に関するセキュリティ・認証
- ISO9001(品質マネジメントシステム)認証
- ISO27017(クラウドサービスセキュリティ)認証
- ISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメントシステム)認証
- プライバシーマークなど
上記に加えて、電子文書の非改ざん性を証明する認証タイムスタンプ利用登録があれば、信用性の高い電子契約サービスであると判断できます。
>【初心者必見】電子署名とタイムスタンプの特徴や役割を徹底比較!
②国・地方公共団体で有効な電子署名に対応している
2021年、地方自治法施行規則改正によって自治体における電子契約導入の条件が緩和されました。
自治体で電子契約を導入する場合、『電子署名法第2条1項』における本人性の確度と非改ざん性を満たし、さらに『電子署名法第3条』に準拠した電子署名を付与できる電子契約サービスが必要です。
サービスによっては、個別に経済産業省のグレーゾーン解消制度を活用し、主務官庁であるデジタル庁・総務省・法務省・財務省より国・地方公共団体で利用する契約書類への記名押印に代わる有効な電子署名として適法性を有することを確認しているサービスもあるため、選定時に確認をおすすめします。
③総合行政ネットワークLGWAN内で利用できる
総合行政ネットワークLGWANとは、地方自治体の職員が接続環境を気にせず、地方公共団体相互間での情報共有・コミュニケーションを行える行政専用のネットワークです。
電子契約サービスには、LGWAN環境で利用できるサービスもあり、情報セキュリティポリシー環境に配慮した安全な運用が実現します。
LGWAN環境で利用可能な電子契約はコンプライアンスを強化して、職員のテレワーク推進にも寄与します。
④地方自治体での導入実績
地方自治体で実際に導入されている電子契約サービスであれば、機能性・セキュリティ・サポート体制における信頼性が高まります。
電子契約サービスの導入実績は、公式サイトに掲載されているケースが多いです。
例えば、電子契約・契約管理サービス『WAN-Sign』の公式サイトでは、北九州市や鳥取県、宮崎市での導入事例を紹介しています。
また、WAN-Signでは、官公庁・自治体向けに実証実験を行なっているため、本格的な運用に向けて問題点を検証・解決できます。
>『WAN-Sign』の地方自治体における導入事例と実証実験のお問い合わせ
⑤導入・運用サポート体制の充実度
電子契約サービスの導入にあたって、各種設定や使い方を理解する必要があり、最低限のITリテラシーが求められます。
導入・運用に関して不安のある自治体では、専門担当者が付き、導入前後のサポートを手厚く行なっているサービスの導入が望ましいです。
着目したいサポート内容は、導入・運用マニュアルの提供、職員に対する説明会、地域事業者へ向けた説明会、問い合わせ窓口の設置の有無などです。
電子契約では、自治体で電子契約を直接導入せず、自治体が認定した電子契約サービスを事業者側が導入して、事業者より電子署名を依頼する利用形態もあります。
このような運用方法を望む場合にも、電子契約推進の相談に対応できるサービス事業者を選定することが大事です。
自治体で電子契約を導入する流れ
電子契約サービス導入の流れは、基本的に以下のようになります。
- 担当部署による情報収集・検討開始
- 実証実験環境による実証開始
- 予算申請
- 議会承認
- 予算審議
- 予算化
- 競争入札手続き(プロポーザル方式が多い)
- 競争入札実施
- 落札業者による導入支援を経て電子契約導入、運用開始
電子契約サービスを本格的に運用するまで、担当部署には少なからず負担がかかります。
職員のコア業務を圧迫させないためにも、電子契約サービス事業者の導入・運用サポートを利用するのが望ましいです。
官公庁・自治体向けの電子契約導入ならWAN-Sign
総合行政ネットワークLGWANに対応している『WAN-Sign』は、官公庁・自治体の利用でも安心できる強固なセキュリティを備えた電子契約・契約管理サービスです。
▼WAN-Signのサービスの特徴
- 当事者型署名と立会人型署名(事業者型署名)の両方に対応
- 国・地方自治体利用の契約書類に有効な電子署名を付与(適法性を確認済)
- 自社所有の国内データセンターにおける厳重な情報管理
WAN-Signは、地方自治体における行政手続きのDX化を支援する充実した機能とセキュリティ、内部統制機能を標準的に提供します。
多彩な機能を備えながらも、優れたコストパフォーマンスで予算をおさえた導入を実現します。
電子契約に精通した専門担当者が、導入前後の利活用を無料でサポートするため、トラブルなくスムーズに電子契約を職員や地域に浸透させられます。
まとめ
この記事では、自治体での電子契約の導入について以下の内容で詳しく解説しました。
- 自治体での電子契約の導入メリット
- 自治体で電子契約を導入する際の注意点
- 自治体向け電子契約サービスの選定ポイント
自治体における電子契約の導入は、業務効率化やコスト削減、契約フローの改善など多岐にわたるメリットがあります。
ただし、自治体で利用できるのは電子署名法に準拠した電子契約サービスであり、総合行政ネットワークLGWANに対応しているかどうかも重要な選定ポイントとなります。
『WAN-Sign』は、自治体や官公庁でも安心して利用できる高度なセキュリティ対策を標準装備した電子契約・契約管理サービスです。
自治体や官公庁で取り扱うさまざまな契約書の電子契約に対応するだけではなく、紙の書類と電子文書を安全に一元管理できる機能も搭載しています。
当事者型と立会人型の両方の署名に対応できる『WAN-Sign』で、電子契約の実証実験を行い、本格的な導入を検討してみてはいかがでしょうか?