宅地建物取引業法改正に伴う不動産取引の電子契約化について


目次[非表示]

  1. 1.改正内容のポイントについて
  2. 2.電子契約化のメリット
    1. 2.1.高額の収入印紙購入費の削減
    2. 2.2.契約手続きの業務効率化・非対面化
  3. 3.業務フローについて
  4. 4.WAN-Signによる「遵守すべき事項」の実現方法
    1. 4.1.電磁的方法による提供に係る承諾の取得
    2. 4.2.重要事項説明書等の電磁的方法による提供の要件等
    3. 4.3.電子書面が改変されていないかどうかの確認方法の説明
    4. 4.4.電子書面が閲覧できないトラブル等が解消しない場合の電磁的方法による提供の中止
  5. 5.電子署名法の適法性を確認したWAN-Signの電子署名
  6. 6.まとめ



「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(デジタル社会形成整備法)による宅地建物取引業法施行令など関連法令等が令和4年(2022年)5月18日に改正され、押印や書面交付の電磁的方法が可能となりました。また、国土交通省から「重要事項説明書等の電磁的方法による提供およびITを活用した重要事項説明実施マニュアル」(以下、国交省実施マニュアル)が公表されました。

今回は、不動産取引の電子契約化を検討される事業者様向けに改正内容のポイントや電子契約化におけるメリットや注意点、そして弊社電子契約サービス「WAN-Sign」による実現方法について整理していきます。


>>電子契約における契約書の文言とは?変更箇所や注意点を紹介


改正内容のポイントについて

これまで「紙」による交付を義務付けていた以下①から④の書面について、相手方からの承諾と国交省令で定める方法であることを条件に「電磁的方法」による提供が認められました。


  1. 媒介契約締結時書面(34条の2第1項)
  2. 指定流通機構(レインズ)への登録書面(34条の2第6項)
  3. 重要事項説明書(いわゆる35条書面)
  4. 契約締結時交付書面(いわゆる37条書面)


また、①書面の宅建業者の押印、③・④書面の宅建士の押印義務も廃止されました。(ただし①について、紙による手続きの場合は、なお宅建業者の押印が必要となります)


>>電子契約における電子署名とは?電子サインとの違いを紹介


電子契約化のメリット


高額の収入印紙購入費の削減

不動産取引にかかる契約を紙・書面で締結する場合、その取引金額に応じて印紙税を納付する義務がありますが、電子契約の場合は印紙税納付義務がないため、高額の収入印紙購入費を削減することができます。


契約手続きの業務効率化・非対面化

電子契約の場合、すべてクラウド上による管理とメールによる電子署名依頼などで業務が完結するため、郵送や人手による書類送付や引取、キャビネットや倉庫など契約書類の保管場所などが必要なくなります。また、ステータス管理で相手方の進捗状況が確認できたり、管理台帳データを登録することより、相手方の検索や契約更新のリマインドなど多くの業務効率化を図ることが可能です。

また、遠方にある不動産などが対象物件の場合や、昨今の新型コロナウィルス感染症への対策として、対面せずにオンラインで重要事項説明を行い、契約締結ができることは大きなメリットとなります。


>>電子契約を相手方に求められた場合の対処法と導入を求める際の説明事項を紹介



業務フローについて

具体的な業務フローは、国土交通省の「重要事項説明書等の電磁的方法による提供 及びITを活用した重要事項説明 実施マニュアル」に記載されています。

本マニュアルには、必ず対応しなければならない「遵守すべき事項」と、相手方とのトラブル防止等の観点から可能な限り対応する「留意すべき事項」に整理がされているので、必ず確認することが重要となります。


>>電子署名とは?導入のメリット・デメリットと必ず知るべき注意点


WAN-Signによる「遵守すべき事項」の実現方法

「国交省実施マニュアル」の業務フローや「遵守すべき事項」は、すべてWAN-Signおよび基本無償の弊社サポート体制で実現が可能です。以下に整理して説明します。


電磁的方法による提供に係る承諾の取得

  • 宅建業者が利用予定のソフトウェア等に、説明の相手方等が対応可能であるかの確認
  • 説明の相手方等への電磁的方法による提供に係る承諾のための意向の確認の際の説明事項
  • 説明の相手方等からの承諾する旨の取得方法
  • 電磁的方法による提供を承諾した説明の相手方等からの拒否する旨の取得方法


⇒ 事業者専任の営業担当から、相手方の事前承諾書取り付け方法の説明などの人的サポートを提供します。

⇒ 署名方法などについても、相手方向けのマニュアルや説明動画などを用意しています。


重要事項説明書等の電磁的方法による提供の要件等

  • 重要事項説明書等の電磁的方法による提供の要件
  • 重要事項説明書等の電磁的方法による提供に係る宅建士の明示
  • 電子書面の作成方法
  • 重要事項説明書等の電磁的方法による提供の方法


⇒ 現在、国交省が認めている改変防止措置である「電子署名法」に定める電子署名と「認定タイムスタンプ」による電子契約締結が可能です。

⇒ テキストボックスやチェックボックスを配置することにより、現場での書面作成を柔軟に対応することが可能です。

◇注意点①:35条書面については、重要事項説明前に改変防止措置などすべての要件を満たす電子書面を提供することが必要となります。その他の書面についても改変防止措置を施した電子書面の提供タイミングはそれぞれ異なりますので注意してください。

◇注意点②:重要事項説明書等の電子書面は「紙に印刷可能なファイル形式」である必要があります。例えばマイページなどによる閲覧方式は不可となります。

WAN-Signであれば、署名完了メールから締結済みのPDFをダウンロードできますので、問題なく紙に印刷可能となります。


電子書面が改変されていないかどうかの確認方法の説明

  • 電子書面が改変されていないかどうかの確認方法の説明


⇒ 電磁的方法により交付・締結された電子文書は、Adobe Acrobat Readerの署名パネルから改変されていないかどうかを確認できます。

⇒ 相手方に対する、PDF内に打ち込まれている電子証明書やタイムスタンプの確認方法の説明資料を用意しています。



電子書面が閲覧できないトラブル等が解消しない場合の電磁的方法による提供の中止

  • 電磁的方法による提供の中止


⇒ 書面による交付・締結された契約書類と、電磁的方法により交付・締結された電子文書を別々に管理しなければならない状態は非常に煩雑となります。

⇒ WAN-Signであれば、書面契約書と電子契約書の一元管理が標準機能で利用可能です。


>>電子契約と印紙の関係


電子署名法の適法性を確認したWAN-Signの電子署名

上述したとおり、国土交通省が現在認めている改変防止措置は、「電子署名法」に定める電子署名と「認定タイムスタンプ」となります。

WAN-Signの電子署名は、経済産業省のグレーゾーン解消制度を活用して電子署名法における要件の該当性を確認していますので、安心して利用できます。WAN-Signの該当性はデジタル庁の「グレーゾーン解消制度に基づく回答」に掲載されています。

引用:デジタル庁(https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/123754d1-4537-42cd-8dc4-2c283f034f12/20220314_policies_digitalsign_grayzone2_responses_02.pdf


>>電子契約で紙はなくなる?書面契約との上手な管理


まとめ

弊社の電子契約サービス「WAN-Sign」は、法人に特化したサービスとして2019年4月リリース以降1,700社を超えるお客様から利用を頂いています。

特に銀行など金融機関や医療製薬、官公庁などセキュリティや内部統制に厳しいお客様に多く採用を頂いています。

また、弊社は単なる電子契約ベンダーではなく、50年以上前から「データ・ソリューション事業」を手掛ける企業のため、事務センター業務の受託から紙原本の保管や搬送、PDF化やAI-OCRなど、企業のDX推進にかかるソリューションご提案が可能です。

この度の不動産取引における電子契約化につきましても、ぜひ弊社ソリューションをご検討ください。お気軽にお問い合わせください。


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