雇用契約書に押印は必要?電子契約サービスで業務効率化を実現させる方法
目次[非表示]
- 1.雇用契約書とは
- 2.書面での雇用契約書の作成方法
- 3.雇用契約書での押印の必要性
- 4.電子契約サービスでの雇用契約書の作成方法
- 5.雇用契約書の押印が不要になる電子契約のメリット
- 5.1.①契約業務を効率化できる
- 5.2.②印刷・郵送コストを削減できる
- 5.3.③雇用契約書を一元管理できる
- 6.まとめ
会社で労働者を雇用する際に必要な雇用契約書では、使用者と労働者が労働条件に合意したうえで署名および記名押印が行われます。
雇用契約書は、従来の紙媒体での形式だけではなく、電子データ形式でも作成可能となっており、その際には押印の代わりに電子署名が用いられます。
この記事では、雇用契約書での押印の必要性や、電子契約サービスで契約業務を効率化する方法などを紹介します。
雇用契約書とは
雇用契約書とは、『民法第623条』に基づいて使用者(会社)と労働者の間で交わされる、労働条件や契約内容を記載した書類のことです。
労働条件を巡るトラブル防止の観点で必要になる契約書ですが、一般的には本人直筆の署名があれば、押印義務は生じません。
従来の紙媒体での雇用契約書では、直筆での署名と記名押印を行うことがありますが、最近では電子文書の雇用契約書を利用している会社もあります。電子文書の雇用契約書の場合、署名・押印の代わりに電子署名を付与して本人性を担保します。
雇用契約書の電子化および電子署名の付与は、電子署名サービスや電子契約システムで行なうことが可能です。
>【初心者必見】電子署名の仕組みとは?重要ポイントと具体的な導入フロー
書面での雇用契約書の作成方法
従来の紙媒体での雇用契約書の作成方法を簡潔にまとめると、以下のようになります。
- 契約書の上部に「雇用契約書」というタイトルを記載する
- 契約日・労働開始日・雇用期間(期間雇用の場合)を明記する
- 労働者と使用者の氏名・住所・連絡先などの基本情報を明記する
- 雇用の職種・役職・職務内容・勤務地・勤務時間・休暇に関する条件などを明記する
- 給与・手当・ボーナス・昇給/昇格の基準・支払い方法・給与日などを明記する
- 労働時間・休憩時間・休日・休暇制度・労働災害/健康保険・退職に関する手続きや通知期間などの事項を明記する
- 試用期間がある場合は、その期間と期間中の条件を明記する
- 契約書の内容を労働者と使用者で確認する方法を明記する
- 両者が納得したうえで、署名および記名押印を行うようにする
- 契約解除に関する条件や通知期間、解雇事由などを明記する
- 書面交付または電子メールなどの契約締結方法と有効期間を指定する
- 労働法令や関連規則に則った表現で、法的な事項を明確にする
- 契約書に労働者と使用者の署名・日付を記入し、両者の合意が確認できるようにする
- 作成した雇用契約書を適切な方法で保管する
- 労働者にも必要な情報を提供する
書面での雇用契約書は、最終ページに使用者と労働者の署名、その横に記名押印を行い、双方が契約書の内容に同意したことを確認します。
また、契約書内の重要な箇所に対しても、双方の合意を示す記名押印を施すこともあります。
雇用契約書での押印の必要性
2020年6月、経済産業省によって『契約における押印の見直し』が公布されました。その中の『押印に関するQ&A』にて、契約書に対する押印義務について言及されています。
Q1.契約書に押印をしなくても、法律違反にならないか
私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない。 特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。出典:押印に関するQ&A
上記のとおり、特段の定めがない場合、契約書への押印義務はないことが強調されています。このようにテレワーク推進・業務効率化の流れがある中、両者の合意を担保する方法として、雇用契約書を電子データで作成し、電子署名にて署名する方法が有効です。
電子契約サービスでの雇用契約書の作成方法
電子契約サービスとは、電子文書や電子契約書の新規作成、既存文書の電子化、電子署名の付与などをサポートしているサービスのことです。
雇用契約書の電子化に対応している電子契約サービスでは、以下のような流れで作成することができます。
- 電子契約サービスにアカウント登録し、ログインする
- 雇用契約書のテンプレートを選択する(必要に応じてテンプレートを編集する)
- 契約日や労働開始日などの基本情報を入力する
- 勤務地や給与などの雇用条件に関する情報を設定する
- 電子署名や承諾欄を設定する
- 作成した雇用契約書の内容を確認し、送信する
- 契約内容を確認したうえで、使用者と労働者にて署名を行い、契約締結を完了させる
- 電子化した雇用契約書をオンラインで保存する
雇用契約書では、押印の代わりに電子署名が身分証明の役割を果たします。電子署名は、電子証明書の発行やタイムスタンプを利用することで、本人性や非改ざん性を担保することも可能です。
>電子契約書のすべて!書面契約との違いから対応可能な書類まで網羅
雇用契約書の押印が不要になる電子契約のメリット
雇用契約書を電子契約に対応させるメリットについて、代表的なものを3つ紹介します。
①契約業務を効率化できる
電子契約サービスを利用して、電子データで雇用契約書を作成した場合、押印をする物理的な作業を省略できます。
オンライン上で付与できる電子署名で代用できるため、使用者と労働者が別々の場所にいても雇用契約書へ署名することが可能です。
また、多くの電子契約サービスに雇用契約書のテンプレートが用意されているため、作成の手間も削減できます。
本人確認書類の返送に関しても、オンライン上で完結できるため、契約業務の効率化を実現します。
②印刷・郵送コストを削減できる
雇用契約書の電子化に伴い、従来の紙媒体での書面は不要になります。
そのため、紙の印刷代や郵送代、書類の管理に使うオフィス用品代などにかかるコストを削減できます。
紙媒体で雇用契約書を管理する必要もなくなるため、省スペース化にも寄与します。
③雇用契約書を一元管理できる
電子契約サービスで作成した電子データの雇用契約書は、データベースに登録されます。
作成済みの雇用契約書を一つのシステムで一元管理できるため、管理工数が削減され、データの検索にかかる手間も少なくなります。
また、電子契約サービスによっては、既存の紙媒体での雇用契約書の電子化および保管にも対応可能です。
雇用契約書は、重要な個人情報が記載されているため、電子契約サービスがどのようなセキュリティ対策を講じているかに注目して選定しましょう。
>【初心者向け】電子契約の導入方法とは?すぐに分かる7つのステップ
まとめ
この記事では、雇用契約書の押印について以下の内容で解説しました。
- 雇用契約書での押印の必要性
- 書面と電子契約サービスでの雇用契約書の作成方法
- 雇用契約書の押印が不要になる電子契約のメリット
雇用契約書は、押印がなくても法的に契約が成立する文書であり、電子契約で対応することもできます。
電子契約なら、押印に代わって電子署名で本人性を担保することができ、物理的な作業を省略して業務効率化を図ることが可能です。
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