雇用契約書とは?労働条件通知書との異なる点や電子化する方法


目次[非表示]

  1. 1.雇用契約書とは
  2. 2.雇用契約書と労働条件通知書の違い
    1. 2.1.署名または記名押印の必要性
    2. 2.2.作成における法的な義務
    3. 2.3.記載すべき事項
  3. 3.労働条件通知書兼雇用契約書に記載する項目
    1. 3.1.①絶対的明示事項
    2. 3.2.②相対的明示事項
    3. 3.3.③その他の重要事項
  4. 4.雇用契約書の作成における重要ポイント
    1. 4.1.①雇用契約書法的効力を理解する
    2. 4.2.②採用する労働時間制の明確化
    3. 4.3.③転勤や人事異動に関する情報の明示
    4. 4.4.④試用期間の設定と明示
  5. 5.雇用契約書の作成でトラブルを避けるポイント
    1. 5.1.①正社員に対して作成する場合
    2. 5.2.②契約社員に対して作成する場合
    3. 5.3.③パート・アルバイトに対して作成する場合
  6. 6.雇用契約書を電子化する3つの方法
    1. 6.1.①労働条件通知書のみの電子化
    2. 6.2.②雇用契約書と労働条件通知書の電子化
    3. 6.3.③雇用契約書と労働条件通知書を兼用した書類の電子化
  7. 7.雇用契約書の電子化で役立つ電子契約サービスとは
  8. 8.まとめ


雇用契約書とは?労働条件通知書との異なる点や電子化する方法


会社で正社員やアルバイトを雇用する際、雇用契約書や労働条件通知書の作成が必須です。
雇用契約書には署名や記名押印が必要ですが、従来の紙媒体から電子データでの作成および管理に移行することで、さまざまなメリットを得られます。
この記事では、雇用契約書の作成における重要ポイントや労働条件通知書との違い、電子化する方法まで徹底解説します。


雇用契約書とは

雇用契約書は、使用者(会社側)が労働者に対して労働条件や契約内容を明らかにし、合意のうえで契約を交わすための書類です。

具体的には、勤務場所・就業時間・業務内容・給与・昇給・退職などの重要事項を明示し、書面または電子文書で作成します。

雇用契約書の最終ページには、署名と記名押印の欄を設けますが、押印に関しては直接の法的な定めはありません。

そのため、電子契約システムで雇用契約書を電子化し、電子署名を付与することで契約を交わすことも可能です。


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雇用契約書と労働条件通知書の違い

会社で労働者を雇う際、雇用契約書と併せて労働条件通知書の作成も行います。

労働条件通知書とは、会社側の意向が反映された書類であり、契約期間や就業時間、給与やボーナス制度、有給休暇の取得、安全・衛生面を保つためのルールなどを明記します。

雇用契約書と労働条件通知書の明確な違いについて、詳しく紹介します。

署名または記名押印の必要性

雇用契約書は、企業側と労働者側の当事者双方が署名または記名押印をして締結します。

紙媒体での雇用契約書では、本人直筆の署名または記名押印が求められます。雇用契約書を電子データで作成した場合、電子署名を付与することで物理的な署名・押印を省略可能です。

労働条件通知書は、労働契約の内容や労働条件について従業員に通知する文書であるため、一般的に労働条件通知書に署名・押印をする義務は明確に定められていません。

ただし、会社の方針で社内ルールを取り決める際に、従業員がその内容に了解したことを確認する手段として署名および押印を求めることもあります。


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作成における法的な義務

雇用契約書は、『民法第623条』に遵守して会社と個人間で交わす契約書です。

会社側と労働者が合意したうえで契約が結ばれますが、雇用契約書を取り交わさなくても法律違反にはならないため、口頭でも雇用契約が成立します。

会社側の意向が反映された書類である労働条件通知書は、『労働基準法』『短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律』『労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律』という3つの法律が適用されます。

労働条件通知書には、作成義務と労働者に対する書面交付などの義務が生じ、前項の労働条件の重要事項を従業員に通知しなければなりません。

なお、労働条件通知書は労働基準法施行規則の改正により、平成31年4月1日以降は事前承諾があれば電子データ(メール・アプリ・FAXなど)でも交付可能となりました。

記載すべき事項

雇用契約書に記載すべき事項は、法律によって厳密に義務づけられているわけではありません。

一般的には、労働条件や契約内容に関する以下のような重要事項を含めて作成します。


雇用契約書に記載する事項例

雇用条件

給与、勤務時間、休暇など

雇用形態

正社員、契約社員、アルバイトなど

業務内容

職務、業務上の責任など

労働時間

1日あたりの勤務時間、残業に関する取り決めなど

休暇制度

有給休暇や特別休暇などの取得条件

解雇条件

解雇に関する取り決め


他にも、雇用契約書には秘密保持義務や懲戒処分に関する取り決めなど、企業の方針や取り決めによって記載されることがあります。

一方、労働条件通知書は『労働基準法第15条第1項』に基づいて明示する事項が規定されています。

雇用契約書にも労働条件通知書にも同様の項目がありますが、労働条件通知書は労働者の採用時に会社が取り決めた労働条件を明示するために作成します。

また、労働条件通知書兼雇用契約書として、雇用契約書と労働条件通知書の役割を兼ね備えた書類も作成可能です。

労働条件通知書兼雇用契約書に記載する項目

労働条件通知書兼雇用契約書は、必須の記載事項である絶対的明示事項と該当する項目がある場合には必ず記載する相対的明示事項を含めて作成します。

雇用契約と労働条件通知書を合わせて作成した方に向けて、記載する重要事項を紹介します。

①絶対的明示事項

厚生労働省がまとめた労働基準でよくある質問の回答で、労働条件通知書に明示しなければならない絶対的明示事項が紹介されています。

採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。


(1)労働契約の期間に関する事項
(2)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
(4)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

出典:労働基準でよくある質問|厚生労働省


短時間勤務のアルバイトやパート、有期雇用労働者に対しては、昇給・賞与・退職金の有無や、相談窓口の記載なども必要です。

②相対的明示事項

相対的明示事項とは、項目に該当する場合に労働条件通知書に記載が必要な事項のことです。

労働者が以下の項目に該当する場合、必ず明記しなければなりません。

  1. 賞与、各種手当の条件
  2. 退職手当の適用範囲、退職手当の決定事項と計算方法、支払方法、支払日など
  3. 食費や作業用品など、労働者に費用が発生するもの
  4. 職業訓練の有無と詳細
  5. 災害補償および業務外の傷病扶助について
  6. 表彰および制裁について
  7. 休職の条件と適用内容など

労働基準法では、雇用契約書の契約内容が不履行になった場合の違約金や損害賠償額を定めることを禁じています。

そのため、金銭的な賠償に関する記載はしないように注意してください。

③その他の重要事項

雇用契約書として機能を有する場合、労働条件に関する重要事項に加えて、署名および押印欄を用意する必要があります。

一般的には、書類の最終ページ下部に欄を設けて、会社側と労働者双方の署名および記名押印を施します。

労働条件通知書兼雇用契約書に押印義務はありませんが、労働者が労働条件に納得し、合意に至った証として署名および押印欄を設けることが多いです。

雇用契約書の作成における重要ポイント

会社側で雇用契約書を作成する際に、知っておくべき重要ポイントを解説します。

①雇用契約書法的効力を理解する

雇用契約書の作成義務について、直接法的な定めはありません。

ただし、作成した内容が労働基準法に違反する場合、『労働基準法13条』に基づいてその内容が無効になります。

この法律違反の契約
第十三条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。

出典:労働基準法 13条

また、労働条件通知書兼雇用契約書を作成した場合、労働条件通知書兼雇用契約書の労働条件と、実際の労働条件が異なっていた場合、労働者は『労働基準法 15条2項』に基づき、労働契約を即時解除できます。


労働条件の明示
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
②前項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。

出典:労働基準法 第15条2項

雇用契約書を作成する際は、法的効力の範囲を十分に理解しておくことが重要です。

②採用する労働時間制の明確化

従業員のワーク・ライフ・バランスを実現するためには、多様な働き方の採用が求められます。

フレックスタイムや裁量労働制、みなし労働時間制、固定残業制などの変則的な労働時間制を採用する場合は、雇用契約書に労働時間や適用条件を明示します。

ただし、法定労働時間を超えた労働の場合には、労働組合や労使協定との締結および労働基準監督署への提出が必要です。

③転勤や人事異動に関する情報の明示

雇用後に起こる転勤や人事異動などを考慮し、雇用契約書に適用条件を明示する必要があります。

適用条件が明示されていない場合、従業員から転勤や人事異動、職種変更を希望された際に効果が認められない可能性があるため注意してください。

④試用期間の設定と明示

本採用の前に試用期間を設ける場合、明確なルールを作成し、雇用契約書に明記しましょう。

具体的には、就業規則の定める範囲で試用期間を設定し、給与や休日などの条件もまとめます。

就業規則を超過する試用期間の採用については、雇用契約書の規定が無効になるリスクがあるため避けるべきです。

雇用契約書の作成でトラブルを避けるポイント

雇用契約書を作成する際、会社側と労働者の認識のズレからトラブルにつながる可能性があります。

ここでは、雇用形態別に雇用契約書の作成でトラブルを避けるポイントを解説します。

①正社員に対して作成する場合

正社員を雇用する際、転勤や人事異動、業務内容の変更などの可能性、給与や残業の有無などの項目が適切に記載されているか確認しましょう。

代表的なトラブルの原因が、目安として提示した求人票と実際の雇用条件の違いです。雇用した正社員に対して、正確な労働条件は労働条件通知書で明示しますが、雇用契約書にも明記し、双方合意の時点で確認させておくことが重要です。

また、雇用契約書には試用期間の有無や適用される労働時間制、休日や休暇の設定なども明記しておきましょう。

②契約社員に対して作成する場合

契約社員として雇用する際には、契約期間の満了日や更新の有無、更新判断に関する明確な事項を契約書に詳しく明記することが重要です。

特に有期雇用契約の場合、自動更新とみなされることや、無期雇用契約に転換される可能性に対処する必要があります。

厚生労働省が策定した『無期転換ルール』では、有期労働契約が通算5年を超えると、本人の申し出により無期雇用契約に転換することができます。この場合、使用者としての企業は転換を断ることができません。したがって、契約更新については慎重に対応しましょう。

また、有期労働契約が3回以上更新されるか、1年を超えて継続雇用されている場合、契約更新をしない従業員に対して少なくとも契約満了の30日前までに予告をしなければなりません。ただし、契約更新を行わない旨をあらかじめ明示している場合は不要です。

③パート・アルバイトに対して作成する場合

パートやアルバイトなどに該当する労働者を雇用する場合、労働条件通知書で明示する絶対的明示事項に加えて、相対的明示事項も明確に記載しましょう。

特に重要なのは、契約期間や契約更新の有無・条件の明示です。また、『パートタイム労働法』に基づき、全てのパートタイム労働者に対して、昇給の有無・退職手当の有無・賞与の有無を書面や電子データで明示する必要があります。

明示すべき内容が漏れてしまった場合、法律違反として10万円以下の過料の対象となります。

雇用契約書を電子化する3つの方法

雇用契約書の作成方法は、従来の紙媒体での作成と電子化の2種類に分けられます。

ここでは、雇用契約書を電子化する3つの方法について詳しく解説します。

①労働条件通知書のみの電子化

雇用契約書を紙媒体で作成し、労働条件通知書のみを電子化して労働者に送付することが可能です。

労働基準法施行規則が改正されたことで、現在は労働者からの希望と事前承諾があれば電子データでも労働条件通知書を交付することが認められています。

労働条件通知書を電子化する方法は、メールやアプリのメッセージ機能、SNSのDM、FAXなどが挙げられます。

②雇用契約書と労働条件通知書の電子化

雇用契約書の電子化は、Word・Excel・PDF編集ソフトなどの無料ツールや電子契約サービスで可能となっています。

その中でもおすすめの電子契約サービスは、テンプレートを使って雇用契約書の自動作成から電子署名の付与までサポートしています。

雇用契約書に対して電子署名やタイムスタンプを施した場合、法的な根拠に基づいて署名者の本人性や文書の非改ざん性を担保することができます。

③雇用契約書と労働条件通知書を兼用した書類の電子化

雇用契約書と労働条件通知書の両方の役割を有する労働条件通知書兼雇用契約書も、電子契約システムで電子化することができます。

2つの書類を異なるシステムで管理する必要がなくなるため、管理者の業務効率化やセキュリティリスクの抑制につながります。

雇用契約書の電子化で役立つ電子契約サービスとは

電子契約・契約管理サービスなら、さまざまな電子文書や電子契約書の自動作成から電子署名の付与、文書管理、契約管理まで、あらゆるプロセスを効率化できます。

WAN-Sign』なら、既存の紙媒体の雇用契約書と電子データで作成した雇用契約書を簡単に一元管理することができます。

電子契約サービスを選定する際には、対応可能な契約書の種類や電子文書の自動作成機能、セキュリティの充実度などを複数社で比較しましょう。

雇用契約書には、機密情報や個人情報が含まれるため、高度なセキュリティのもと、紙と電子文書の両方を安全に保管できるサービス事業者がおすすめです。

まとめ

この記事では、雇用契約書について以下の内容で解説しました。

  • 雇用契約書と労働条件通知書の違い
  • 雇用契約書の作成における重要ポイント
  • 雇用契約書を電子化する3つの方法

雇用契約書は、労働条件や契約内容などの重要事項を明記し、会社側と労働者でその内容に合意したことを証明するための書類です。

昨今では、雇用契約書を電子化できる電子契約サービスが普及の段階にあります。電子契約サービスなら、物理的な署名や記名押印を電子署名で代用し、契約業務の効率化を図ることもできます。

雇用契約書の電子化だけではなく、紙と電子文書の一元管理を実現したい企業様には『WAN-Sign』がおすすめです。

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