PDFで使える無料の電子印鑑ソフトとは?利用手順と法的効力、おすすめサービス3選
\失敗しない選び方をサービス比較でわかりやすく解説/
(公開日:2023年6月30日)
目次[非表示]
- 1.PDFで利用できる無料の電子印鑑ソフトとは?
- 2.PDF対応の電子印鑑フリーソフトおすすめ3選
- 2.1.Adobe Acrobat Reader
- 2.2.PDF-XChange
- 2.3.PDF Reader
- 3.無料の電子印鑑をPDFで利用する手順
- 3.1.Adobe Acrobat Readerで電子印鑑を作成・押印する方法
- 3.2.Adobe Acrobat Readerで押印済みの電子印鑑を編集する方法
- 3.3.Excelや無料ツールで作成した電子印鑑をPDFに取り込む方法
- 4.PDFで電子印鑑を利用するメリット
- 4.1.書類の共有が楽になる
- 4.2.書類の保管スペースが必要ない
- 4.3.社内決裁を効率化できる
- 5.電子印鑑の法的効力とは?
- 6.無料の電子印鑑をPDFで利用する際の注意点
- 7.PDFで使う電子印鑑に関するよくある質問
- 7.1.電子印鑑と電子署名は何が違う?
- 7.2.スマートフォンでもPDFに電子印鑑を押すことができる?
- 7.3.電子印鑑を使えば印刷や押印は不要?
- 7.4.電子印鑑を無料で使いたい場合、何を基準に選べばよい?
- 7.5.無料ツールで作った電子印鑑でも業務に使える?
- 8.まとめ

請求書や見積書をPDFで送る際、無料の電子印鑑を業務で使えるのかと迷う方もいるでしょう。契約書に印影を貼り付けた場合、法的効力をどう考えればよいのかも気になるところです。
PDF対応の電子印鑑ツールを使えば、印刷・押印・再スキャンの手間を省き、文書をデータのまま回覧できます。ただし、画像データとして貼り付けた印影はあくまで「見た目上の押印」であり、電子署名とは仕組みや法的な位置づけが異なります。
本記事では、無料の電子印鑑ソフトの特徴や選び方、PDFへの取り込み手順に加え、電子印鑑を活用する際のメリットについて解説します。
PDFで利用できる無料の電子印鑑ソフトとは?
電子印鑑とは、印影を画像データ化し、PDFなどの電子文書へ押印できるようにしたものです。無料の電子印鑑ソフトを使えば、苗字を入れた丸印や認印風の印影に加え、会社名入りの角印・社印、日付を記載した日付印もパソコン上で作成できます。
作成した電子印鑑は、主にPNGやJPEG形式の画像データとして保存されます。背景を透過したPNG形式で保存すると、PDF内の文字や押印欄に重ねて配置でき、文書に合わせて印影の大きさなどを調整できます。
一方、画像データとして作成した電子印鑑と、電子署名・タイムスタンプでは役割が異なります。無料ソフトで作成した電子印鑑はPDF上に印影を表示するためのもので、押印者の本人性や文書の改ざんの有無を検証する機能はありません。
PDFへの押印だけが目的なら、無料の電子印鑑ソフトで事足ります。一方、押印者の本人性や文書の改ざんの有無まで確かめたい場合は、電子署名とタイムスタンプを付与できる電子契約サービスを利用してください。
PDF対応の電子印鑑フリーソフトおすすめ3選
電子印鑑のフリーソフトは、無料で使える機能や保存形式、対応端末がそれぞれ異なります。PDFへの押印やサインに使う場面を踏まえ、各ソフトの特徴を比べていきます。
Adobe Acrobat Reader
Adobe Acrobat Readerは、PDFの閲覧・保存・共有をはじめ、フォームへの入力や署名、注釈にも対応するフリーソフトです。電子印鑑をカスタムスタンプとして登録できるため、押印とコメント・ハイライトによる修正指示をPDF上でまとめて行えます。
ただ、カスタムスタンプとして直接取り込めるのはPDF形式のファイルのみです。PNGやJPEG形式の印影を使う際は、画像を配置した1ページのPDFを作成してから登録します。登録した印影は名前やカテゴリーで分けられるため、用途に合うスタンプを選んで押印できます。
PDF-XChange
PDF-XChangeは、Windows対応のPDF編集ソフトです。無料機能の範囲でカスタムスタンプを作成でき、PDFへ注釈や文字の修正指示を追加できます。文書内で選択した内容をスタンプとして登録したり、印影やコメントの位置をそろえたりすることも可能です。
実務では、発注書や見積書の承認、仕様書や図面のレビュー、社内帳票の差し戻しに活用できます。承認印を配置しながら、金額・納期などの修正箇所をコメントで示せるため、押印と修正指示を一つのソフト上で処理できます。
PDF Reader
外出先や作業現場でPDFを扱う機会が多い場合、KDAN PDF(旧称PDF Reader)が便利です。このフリーソフトは、PDFの閲覧・注釈・署名・ファイル管理に対応し、スマートフォンを使って文書の確認から保存まで行えます。
ただし、一部の機能は有料プランに含まれます。導入前に対応OSと料金区分を確認し、業務で使う操作が無料機能の範囲に含まれるかを調べてください。
>>電子印鑑の作り方とは?スキャンや無料ツールで作る方法を紹介
無料の電子印鑑をPDFで利用する手順
PDFへ電子印鑑を押すには、まず印影を作成してソフトへ登録し、対象のPDF上に配置します。Acrobat Readerを例に、操作の流れを順番に説明します。
Adobe Acrobat Readerで電子印鑑を作成・押印する方法
Adobe Acrobat Readerで電子印鑑を使うには、印影を1ページのPDFとして用意し、カスタムスタンプへ登録します。
まず、押印先のPDFを開き、「すべてのツール」から「スタンプを追加」を選択してください。左側のパネルで「カスタムスタンプ」「作成」の順に進み、「参照」から印影を保存したPDFを読み込みます。
プレビューに目的の印影が表示されたら、分類を選択または新しく作成し、スタンプの名前を入力します。「OK」を選択すると登録は完了です。
押印するときは、「スタンプを追加」から登録した分類を開き、電子印鑑を選択します。そのままPDF上の押したい位置をクリックしてください。
Adobe Acrobat Readerで押印済みの電子印鑑を編集する方法
PDF上に配置した電子印鑑を編集するときは、クイックアクションツールバーで「選択」を選び、対象の印影をクリックします。
位置を変える場合は、印影を押したまま目的の場所へドラッグしてください。大きさを変える場合は、印影の四隅に表示されるハンドルをドラッグします。
押し直す場合は、印影を右クリックして「削除」を選択します。右クリック後に「プロパティ」を開けば、不透明度や色の変更も可能です。
編集後は、印影が本文や日付、金額を隠していないかを確かめます。押印前の原本を残す場合は、元のPDFを上書きせず、ファイル名を変えて保存してください。
Excelや無料ツールで作成した電子印鑑をPDFに取り込む方法
Excelで電子印鑑を作る場合は、「挿入」から円や四角形を配置し、その内側へ苗字や会社名を入力します。枠線の色や太さ、文字の配置を整えたら、印影を構成する図形と文字をまとめて選択してください。
選択した範囲やオブジェクトは、「ホーム」「コピー」「図としてコピー」の順に進むと、1枚の画像としてコピーできます。コピーした印影を画像編集ソフトなどへ貼り付け、PNGやJPEGとして保存します。
無料の電子印鑑作成ツールを使う場合は、印鑑の形、文字、書体を設定し、画像としてダウンロードします。なお、背景透過に対応するツールでは、透過PNGで保存すると、PDF上の罫線や文字に白い背景が重なるのを避けられます。
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PDFで電子印鑑を利用するメリット
PDF形式の電子印鑑を導入することで、業務効率化や省スペース化につながります。ここでは、3つのメリットを詳しく解説します。
書類の共有が楽になる
電子印鑑をPDF文書に適用することで、書類をスキャンして送付する手間や郵送時間を節約できます。
押印するために書類を郵送する必要がなくなり、即座にメールやクラウドストレージを介して電子的に共有できます。
また、必要な数のコピーを簡単に作成できるため、複数の人に同じ書類を提供する場合も効率的です。
書類の保管スペースが必要ない
電子印鑑を使ったPDF文書は、パソコンやクラウドストレージへデータとして保存できます。紙の書類を保管するファイルやキャビネット、倉庫の使用を減らせるため、保管場所と管理の負担を抑えられます。
社内決裁を効率化できる
電子印鑑を押したPDF文書は、メールや社内システムを通じて承認者へ共有できます。利用環境が整っていれば、自宅や外出先から内容を把握して承認できるため、紙の受け渡しや承認者の出社を待たずに決裁を進められます。
承認者や承認日時、使用した文書の版まで記録したい場合は、履歴管理に対応するワークフローや電子契約サービスを利用します。決裁状況を追えるため、古いファイルの使用や承認漏れを防げます。
電子印鑑の法的効力とは?
電子印鑑の有無だけで、契約の効力が決まるわけではありません。印影画像と、本人性や文書の非改ざん性を検証する仕組みの違いを押さえましょう。
電子印鑑の有無だけでは契約の効力は決まらない
民法第522条では、契約は申込みと承諾によって成立し、法令に特別の定めがなければ書面などの方式を要しないとされています。したがって、PDFに印影画像を貼り付けたかどうかだけで、契約の成立や効力が決まるわけではありません。
一方で、印影画像は複製できるため、誰が押印したのかを画像だけで証明するには限界があります。合意メールや社内の承認記録も保存し、契約に同意した経緯を残してください。
【出典】:e-Gov法令検索「民法」
本人確認や電子署名を組み合わせると、合意を裏付ける情報を残せる
識別情報が付与されているからといって、電子印鑑自体に特別な法的効力が生じるわけではありません。画像だけの電子印鑑との違いは、本人確認や電子署名などを通じて、誰が契約手続きを行ったか、文書が改ざんされていないかを裏付ける情報を残せる点です。
ここでいう「識別情報が付与された電子印鑑」とは、印影画像そのものに識別情報が埋め込まれたものではありません。印影画像を本人確認や電子署名などの機能と組み合わせて運用する形を指します。
そして、このような運用では、本人確認や締結手続きに関する情報が、印影画像とは別に電子契約サービス上で管理されます。サービスの仕様に応じて、手続者に関する情報、文書が存在した時刻、締結までの操作履歴などを確認でき、契約手続きの経緯を後からたどるための証跡として活用できます。
無料の電子印鑑をPDFで利用する際の注意点
無料ツールは手軽ですが、印影の複製や利用履歴の管理には注意が必要です。使用する文書と相手先の運用ルールを事前に確認してください。
なりすましや複製のリスクがある
画像として作成した電子印鑑は複製しやすく、別のPDFへ転用されるおそれがあります。本人以外が使用しても判別できないツールでは、誰がいつ押印したのかを追えません。
印影の元データは、アクセス権限を設定したフォルダやクラウドストレージへ保存し、閲覧・編集できる担当者を限定してください。利用者や押印日時を記録できない無料ツールは、文書の重要度に応じて使用範囲を決めます。
重要な契約書では法的証拠力に注意が必要
重要な契約書では、トラブルが起きたときに、誰が内容に合意したのか、締結後に文書が変更されていないかが焦点になります。一方、画像として貼り付けた電子印鑑は複製できるため、印影だけでは本人が付したものかを証明しにくい場合があります。
本人が行った一定の要件を満たす電子署名が付された電子文書は、電子署名法第3条により、本人の意思に基づいて作成されたものと推定されます。重要な契約書では印影画像だけで済ませず、本人確認や電子署名、タイムスタンプ、操作履歴を必要に応じて残せる電子契約サービスを選びましょう。
【出典】:e-Gov法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律」
取引先によっては電子印鑑を使用できない可能性がある
取引先の社内規程や契約手続きによっては、電子印鑑を貼り付けたPDFを受け付けていない場合があります。指定の電子契約システムや紙の社印、所定の書式を求められる場合もあります。
自社の判断だけで電子印鑑へ切り替えず、送信前に取引先のルールを確認してください。受け入れ可能なファイル形式、押印・署名の方法、使用する電子契約システムまで尋ねておくと、書類の差し戻しを防げます。
PDFで使う電子印鑑に関するよくある質問
電子印鑑と電子署名は何が違う?
電子印鑑は、印影の画像をPDF上に貼り付け、見た目として押印したように表示するものです。一方、電子署名は、署名方式や本人確認の水準に応じて電子文書の作成者との関係を示し、署名後に内容が改ざんされていないかを確認する仕組みとなります。
スマートフォンでもPDFに電子印鑑を押すことができる?
印影画像の読み込みや署名の追加に対応するPDFアプリなら、スマートフォンからPDFへ電子印鑑を配置できます。ただし、利用できる画像形式や位置・サイズの編集、無料で使える範囲はアプリやプランによって異なります。
電子印鑑を使えば印刷や押印は不要?
法令や取引条件で所定の方式が求められず、社内規程と取引先がPDFでのやり取りを認めていれば、印刷や物理的な押印を省けます。文書ごとに、法令上の要件、社内の承認方法、取引先が受け入れるファイル形式を確かめてください。
電子印鑑を無料で使いたい場合、何を基準に選べばよい?
対応OSや保存形式に加え、PDFへの取り込み方、押印位置とサイズの調整、無料で使える機能を比べます。業務で使う場合は、利用規約で商用利用が認められているか、印影データを安全に管理できるかも調べてください。
無料ツールで作った電子印鑑でも業務に使える?
無料かどうかだけでは業務利用できるかは決まりません。利用規約・社内規程・取引先のルールを満たしていれば、見積書や社内文書には使えます。
ただし契約書などの重要な書類では、印影画像だけでは不十分な場合があります。本人確認や電子署名、タイムスタンプなどに対応した電子契約サービスの利用を検討してください。
まとめ
無料の電子印鑑は、PDFの請求書や社内文書への押印を効率化したい場合に利用できます。一方、誰が手続きしたか、締結日時、文書の非改ざん性や操作経過を確認・保存したい場合は、契約の重要性と必要な証拠水準に応じて、本人確認・電子署名・タイムスタンプ・操作ログなどに対応する電子契約サービスを検討してください。
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