電子印鑑に関する法律とは?電子署名法やe‐文書法を正しく理解しよう!
目次[非表示]
- 1.電子印鑑に関する法律とは
- 2.電子印鑑の法的根拠とは
- 2.1.電子署名法で保証されている
- 2.2.法的効力が認められる条件
- 3.e‐文書法に基づき電子印鑑を適用できる書類
- 3.1.e‐文書法に指定された文書の要件
- 3.2.e‐文書法の適用範囲内の書類
- 4.電子印鑑に関する法律の4つの注意点
- 4.1.①民法による契約成立の原則
- 4.2.②電子署名法3条による契約書や文書の真正な成立
- 4.3.③電子帳簿保存法による保存要件
- 4.4.④電子契約が認められない書類がある
- 5.まとめ
電子印鑑をビジネスに導入する際は、電子署名法やe-文書法などの法律を十分に理解しておかなければいけません。
各種法律を遵守することで、電子印鑑が法的効力を持ち、文書の真正性や改ざん防止が保証されます。
この記事では、電子印鑑に関する法律や注意点を初心者にも分かりやすく解説します。
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電子印鑑に関する法律とは
電子印鑑を使用するにあたって、把握しておかなければいけない法律は『電子署名法』や『e-文書法』が挙げられます。
電子署名法は、電子文書の電子署名に関する法律です。文書の真正性や改ざんの防止を保証し、法的効力を有する契約や書類として扱われることが期待されます。
e-文書法は、電子文書の作成・送信・保管に関する法律です。電子文書の作成や保管の際に必要な要件や手続きが定められています。
紙媒体での印鑑と同様に電子印鑑にも法的効力を持たせるためには、上記のような法律の要件を満たさなければなりません。
電子印鑑の法的根拠とは
電子印鑑は、電子署名法によって法的根拠が保証されています。特定の条件を満たすことで法的効力が認められるため、具体的に解説します。
電子署名法で保証されている
『電子署名法』は、電子文書における真正性や改ざんの防止を目的として、2001年4月1日から施行された法律です。
この法律によって電子署名の使用が規定されており、電子署名が一定の要件を満たす場合には法的効力を有するものとされています。
電子印鑑は、電子署名において印鑑の役割を果たすための仕組みであり、電子文書に押印の効果を付与する役割を担っています。
電子印鑑が電子署名法によって保証されるのは、電子署名としての要件を満たしている場合になります。
出典:電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)及び関係法令|デジタル庁
法的効力が認められる条件
電子署名法では、以下の要件を満たす電子署名に対して法的効力を有効としています。
出典:電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)及び関係法令|デジタル庁
電子印鑑に法的効力を持たせるには、上記の条件を満たした電子署名と組み合わせて使用する必要があります。
しかし、電子署名法の要件を満たしていても、特定の法的文書の手続きにおいて書面での締結が義務付けられている場合があります。
e‐文書法に基づき電子印鑑を適用できる書類
電子印鑑を使用する際、押印する電子文書は『e-文書法』の要件を満たす必要があります。
e‐文書法に指定された文書の要件
e-文書法で指定されている電子保存が可能な文書の要件は、文書の種類によって異なりますが、概ね以下のとおりです。
- 必要なときに表示または印刷できる
- 保存期間中に改ざんや消去がされない
- 情報漏えいや不正アクセス対策を講じている
- 適切な検索機能や索引付けが提供されている
これらの要件を満たす電子文書には法的な価値があり、電子印鑑を使用して署名や認証を行うことが可能となります。
出典:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律
e‐文書法の適用範囲内の書類
e-文書法が適用される主な書類は、以下のとおりです。
- 領収書
- 納品書
- 請求書
- 見積書
- 帳簿
- 預金通帳
- 建築図面
- 決裁関連書類など
これらの書類は電子形式で作成され、e-文書法の要件を満たす場合のみ、従来の紙媒体の書類と同様の法的効力を持ちます。
出典:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律
電子印鑑に関する法律の4つの注意点
ここでは、電子印鑑を活用する際の4つの注意点を詳しく解説します。
①民法による契約成立の原則
2020年4月に施行された民法改正では、契約の締結及び内容の自由について以下のように明記されています。
第五百二十二条(契約の締結及び内容の自由)
契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。 2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
この民法改正により、多くの契約で原則書類を必要とせず、電子契約が有効になることがわかります。
②電子署名法3条による契約書や文書の真正な成立
『電子署名法 第二章第三条』では、電子化された契約書や文書の真正な成立を推定する要件が記されています。
第二章 電磁的記録の真正な成立の推定
第三条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
このように、電子印鑑を使用した契約書で真正な成立を推定するには、電子署名が必須となります。
③電子帳簿保存法による保存要件
電子印鑑を使用した電子文書の保存要件について、『電子帳簿保存法』で条件が記されています。
以下は要約した内容となります。
④電子契約が認められない書類がある
電子印鑑は、普通の印鑑と同様の法的効力を持ちますが、一部の書類には、書面化が必須とされ、電子契約にできないものがあります。
代表的なものは、事業用定期借地契約、企業担保権の設定又は変更を目的とする契約、任意後見契約書などです。
また、事前に相手先の承諾がないと電子化できない書類もあるため注意が必要です。
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まとめ
この記事では、電子印鑑に関する法律について以下の内容で解説しました。
- 電子印鑑の法的根拠
- e-文書法に基づき電子印鑑を適用できる書類
- 電子印鑑に関する法律の4つの注意点
電子印鑑は、電子署名法の要件を満たすことで法的効力を持ちます。
さらにe-文書法では、電子印鑑を適用できる書類が定められているため、導入前に必ず確認する必要があります。
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