電子契約でメール認証を行う流れ|導入するメリットとリスク・注意点


目次[非表示]

  1. 1.電子契約で用いるメール認証の基礎知識
    1. 1.1.メール認証の仕組み
    2. 1.2.メール認証の方法
    3. 1.3.メール認証に用いるメールアドレスの選び方
  2. 2.電子契約でメール認証を用いるメリット
  3. 3.電子契約でメール認証を用いる際のリスク・注意点
  4. 4.まとめ


電子契約でメール認証を行う流れ|導入するメリットとリスク・注意点


電子契約システムには、電子メールを用い、他人による不正アクセスを防ぐ「メール認証」という仕組みが利用されています。今回は、電子契約で使用されているメール認証の基礎知識のほか、メール認証の仕組みや方法、メリット、メール認証を用いる際の注意点も説明します。


電子契約で用いるメール認証の基礎知識

電子契約システムを利用するには、メール認証もしくはパスワード認証のいずれかを用いる必要があります。メール認証はパスワードやIDなどの設定が不要で、届いたメールにアクセスするだけで契約の確認・電子署名ができるため、手間がかかりません。その仕組みを確認しましょう。


メール認証の仕組み

メール認証の方法はシンプルです。まずは電子契約を送信する担当者がクラウドにファイルをアップロードします。この場合、回覧者を設定する際にそれぞれのメールアドレスを入力します。回覧者は自らの番になると、システムから書面の確認依頼メールを受信します。このメールには、一定期間書類にアクセスできるURLが記載されており、回覧者はこのURLにクリックする方法でしか、書面の確認や電子署名を行うことができません。

また、URLはその個人ごとにランダムで設定されるため、そのURLからアクセスした人が本人ということが分かるようになっています。また、システム側には「5月14日15:14 山田太郎さんが書面を確認」「5月14日15:30 山田太郎さんが電子署名を行う」などの履歴が残るようになっています。このような仕組みにより、メールを受信した本人しか電子署名を行うことができないようになっています。


メール認証の方法

メール認証の方法は簡単です。契約を送信する担当者が、電子契約システムの画面において、電子署名を行うそれぞれのメールアドレスを設定するだけです。電子契約においては、担当者が契約書を作成し、クラウド上の電子契約サービスにそのファイルをアップロードします。その後、自社の法務担当や相手方の契約締結権限者など、電子署名を行う人を回覧ルートとして設定するのですが、それぞれの回覧先のメールアドレスを入力すれば、設定完了です。

回覧者は複数人設定できます。「担当者→担当上長→法務担当」のように、自社、相手方とも従来の紙の契約書の回覧に準じた適正なルートを確認し、設定しましょう。


メール認証に用いるメールアドレスの選び方

メール認証に用いるメールアドレスに制限はありません。しかし、契約確認の通知を受け取った時にすぐ対応できるよう、普段から利用するメールアドレスが良いでしょう。

また、会社同士の契約であれば、会社から与えられているメールアドレスを用いることをおすすめします。



電子契約でメール認証を用いるメリット

メール認証の電子契約は、メールアドレスがあれば契約を締結することができるため、契約相手方にとっても対応しやすい魅力があります。ここでは、メール認証と電子契約のメリットを紹介します。


メールアドレスがあれば契約を締結できる

メール認証であれば、契約相手先は契約システムのパスワードやIDを設定することなく、契約の確認や電子署名を行うことができます。


本人性を担保できる

会社で用いるメールアドレスは、会社のルールに基づいて各個人に付与されるのが一般的です。また、メールアドレスに企業ドメインを入れる場合も多く、本人が確認したことを確証づけることができます。


決裁業務を迅速に行える

自身が普段利用するメールアドレスに決裁依頼のメールが届き、URLをクリックすればすぐに書面の確認と決裁を行うことができます。

今回覧がどこで止まっているのかもシステム上で確認することもできるため、リマインドをすることもできます。


コストの削減につながる

紙の契約書には、印刷、製本、押印、郵送などにかかる人件費のほか、印紙税の対象となる契約書においては印紙税代も発生します。

一方、電子契約であればこれらのコストがかかりません。

印紙税は契約内容によっては数万円以上になることもあるため、コスト削減は電子契約の大きなメリットといえます。


業務負担が減り、引き継ぎしやすい

紙の契約書は原本そのものを保管しなければならず、契約書そのものを探すのにも、契約書の中身の内容を探すのにも労力がかかります。

しかし、電子契約であればシステム上で検索をかければすぐに見つけることができます。契約書の内容についても文言検索をすれば対応する条文を確認することができます。

こういったことから、管理の面でも引き継ぎしやすいのが魅力です。



電子契約でメール認証を用いる際のリスク・注意点

電子契約のメール認証はメリットが多い一方、メールに記載されたURLにアクセスすれば、誰でも確認できてしまうという注意点もあります。詳しく見ていきましょう。


不正アクセス・なりすましのおそれがある

メールアドレス自体に記載されたURLからアクセスすれば、第三者でも契約書にアクセスすることができます。

このことから、URL流出により、不正アクセスやなりすましての電子署名などが発生する可能性があります。

しかし、こういった自体を防ぐため、電子契約サービスが発行するURLには有効期限が設けられています。またメールには「このメールは第三者に転送・共有しないでください」などの注意書きが記載されています。

利用するサービスによっては、URLを開くためのパスコードを設定できるものもあります。


無権代理のリスクがある

回覧先として設定するメールアドレスが、もし契約締結の権限をその会社で保有していない場合、その法的効力が無効になってしまうリスクがあります。

前述した通り、回覧先は複数設定することができます。そのため、相手方に対しては、契約締結の権限がある方(紙の契約書の場合でも会社印を押印する権限を持つ方)を必ず回覧ルートの中に選んでいただくようにしましょう。



まとめ

今回は、電子契約書のメール認証について説明しました。電子契約のメール認証はIDやパスワード設定などの手間を省くことができるだけでなく、メールで通知が届くため、回覧もスムーズに行うことができます。

一方、メールに記載されたURLが流出してしまうと、本人になりすまして電子署名することもできてしまうため、メールの取り扱いには注意が必要です。メール受信者に契約締結権限があるのかと言う点も確認する必要があります。これらの注意点をよく理解した上で利用するようにしましょう。

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