電子契約のメール認証とは?仕組み・流れ・本人確認となりすまし対策を解説
【この記事でわかること】
- 契約相手のアカウント登録は不要で、メール内の専用URLを開くだけで電子署名まで完了する。
- 印紙税や郵送費を削減でき、検索機能により契約管理や引き継ぎも効率化可能。
- URL流出によるなりすましには、有効期限設定やパスコード、本人確認書類の画像添付で対策できる。
- 権限者の回覧ルート設定が必要だが、アクセス履歴が客観的証拠となり、メール認証を利用した電子契約も、一定の要件の下で有効に成立する。
- NXワンビシアーカイブズの『WAN-Sign』は、電子と書面の一元管理や無料サポートに対応している。
(公開日:2024年6月26日)
目次[非表示]
- 1.電子契約で用いるメール認証の基礎知識
- 1.1.メール認証の仕組み
- 1.2.メール認証の方法
- 1.3.メール認証に用いるメールアドレスの選び方
- 2.電子契約でメール認証を用いるメリット
- 2.1.メールアドレスがあれば契約を締結できる
- 2.2.本人性の確認を補強できる
- 2.3.決裁業務を迅速に行える
- 2.4.コストの削減につながる
- 2.5.業務負担が減り、引き継ぎしやすい
- 3.電子契約でメール認証を用いる際のリスク・注意点
- 3.1.不正アクセス・なりすましのおそれがある
- 3.2.無権代理のリスクがある
- 4.電子契約時のメール認証に関するよくある質問
- 4.1.メール認証だけで本人確認は十分?
- 4.2.メール認証のなりすまし・不正アクセスを防ぐにはどうすればよい?
- 4.3.メール認証による電子契約は法的に有効?
- 4.4.契約相手(受信者)は事前にアカウント登録をする必要がある?
- 5.まとめ
電子契約システムには、電子メールを用い、他人による不正アクセスのリスクを軽減する「メール認証」という仕組みが利用されています。今回は、電子契約で使用されているメール認証の基礎知識のほか、メール認証の仕組みや方法、メリット、メール認証を用いる際の注意点も説明します。
電子契約で用いるメール認証の基礎知識
メール認証は、固有URLの送付とアクセス履歴により本人性を証明できる手軽な仕組みです。スムーズな導入のために理解すべきポイントは以下のとおりです。
- 本人性を確認・補強する構造
- 送信時のメールアドレス設定手順
- 運用に適したアドレスの選び方
仕組みの全体像から順に把握していきましょう。
メール認証の仕組み
メール認証の仕組みはシンプルです。まずは電子契約を送信する担当者がクラウドにファイルをアップロードします。
メール認証では、契約相手のメールアドレス宛に専用URLを送信し、そのURLへのアクセスや操作履歴を記録します。これにより、指定したメールアドレスを利用できる者による操作であることを一定程度裏付けられます。ただし、URLの転送やメールアカウントの不正利用などの可能性もあるため、メール認証だけでアクセスした人が本人であると確定できるわけではありません。重要な契約では、パスコードや多要素認証などを組み合わせると本人性を高められます。
関連記事:電子契約とは?メリット、書面契約との比較とともに解説
メール認証の方法
メール認証の方法は簡単です。契約を送信する担当者が、電子契約システムの画面において、電子署名を行う人(回覧者)のメールアドレスを設定するだけです。電子契約においては、担当者が契約書を作成し、クラウド上の電子契約サービスにそのファイルをアップロードします。その後、自社の法務担当や相手方の契約締結権限者など、電子署名を行う人を回覧ルートとして設定します。それぞれの回覧先のメールアドレスを入力すれば、設定完了です。
回覧者は複数人設定できます。「担当者→担当上長→法務担当」のように、自社、相手方とも従来の紙の契約書の回覧に準じた適正なルートを確認し、設定しましょう。
メール認証に用いるメールアドレスの選び方
一般的に、メール認証に用いるメールアドレスに制限はありません。しかし、契約確認の通知を受け取った時にすぐ対応できるよう、普段から利用するメールアドレスがよいでしょう。
また、会社同士の契約であれば、会社から与えられているメールアドレスを用いることをおすすめします。
関連記事:電子契約を印刷した場合はどうなる?印紙税の有無や適切な保存方法を紹介
電子契約でメール認証を用いるメリット
メール認証による電子契約は、手続きの簡略化と業務コスト削減を同時に実現できる点が利点です。主なメリットは以下のとおりです。
- 受信側のアカウント登録が不要なサービスなら、事前準備不要でスムーズな締結が可能
- 本人性の確認を補強
- 決裁業務のスピードアップ
- 印紙税や郵送費用などのコスト削減
- 検索性向上による管理負担の軽減
具体的なメリットを、順を追って確認していきましょう。
メールアドレスがあれば契約を締結できる
メール認証であれば、契約相手先は契約システムのパスワードやIDを設定することなく、契約の確認や電子署名を行うことができます。
本人性の確認を補強できる
会社で用いるメールアドレスは、会社のルールに基づいて各個人に付与されるのが一般的です。また、メールアドレスに企業ドメインを入れる場合も多く、企業ドメインのメールアドレスへの送信や操作履歴の記録は、誰が契約手続きを行ったかを確認するための材料のひとつになります。
決裁業務を迅速に行える
自身が普段利用するメールアドレスに決裁依頼のメールが届き、URLをクリックすればすぐに書面の確認と決裁を行うことができます。
現在、回覧がどこで止まっているのかもシステム上で確認できるため、リマインドをすることもできます。
関連記事:電子契約における電子署名の基礎知識|実行の方法とよくある質問
コストの削減につながる
電子契約では、紙の契約書で発生する印刷・製本・郵送などの費用を削減できます。また、課税文書となる紙の契約書を作成せず、契約を電子データとして作成・締結する場合、電子データ自体には印紙税が課されません。一方、電子契約サービスの月額料金や送信料などが発生する場合があるため、導入時には紙契約で発生しているコストと比較することが大切です。
業務負担が減り、引き継ぎしやすい
紙の契約書は原本そのものを保管しなければならず、契約書自体を探すのにも、契約書の内容を確認するのにも労力がかかります。
しかし、電子契約であればシステム上で検索をかければすぐに見つけることができます。契約書の内容についても文言検索をすれば対応する条文を確認することが可能です。
こういったことから、管理の面でも引き継ぎしやすいのが魅力です。
電子契約でメール認証を用いる際のリスク・注意点
メール認証による電子契約は手軽な反面、セキュリティや法的効力に関わるリスクも存在します。主な注意点は以下のとおりです。
- URL流出に伴う不正アクセスやなりすまし
- 権限者以外が処理することによる無権代理
トラブルを防ぎ安全に運用するため、具体的なリスク要因と対策を見ていきましょう。
不正アクセス・なりすましのおそれがある
メールに記載されたURLからアクセスすれば、第三者でも契約書にアクセスすることができます。
このことから、URL流出により、なりすましによる電子署名などが発生する可能性があります。
しかし、こういった事態を防ぐため、電子契約サービスが発行するURLには有効期限が設けられています。またメールには「このメールは第三者に転送・共有しないでください」などの注意書きが記載されています。
利用するサービスによっては、URLを開くためのパスコードを設定できるものもあります。さらに、本人確認用の画像添付機能を備えたサービスもあり、パスコードと組み合わせることで、より強固に不正アクセスやなりすましを防止できます。導入時には、こうした複数の認証手段を組み合わせられるかどうかも比較ポイントの一つになります。
関連記事:電子契約での電子署名とタイムスタンプの違い、役割、よくある質問
無権代理のリスクがある
回覧先として設定した担当者に契約締結権限がない場合、無権代理の問題が生じる可能性があります。無権代理人が本人の代理人として締結した契約は、原則として本人が追認しなければ、その効力は本人に対して生じません。そのため、電子契約の回覧ルートを設定する際は、相手方を含め、最終的に契約締結権限を持つ者が適切に承認・締結できる体制を確認しておくことが重要です。
関連記事:PDFの電子契約は有効?契約締結の流れとメリット・デメリット
電子契約時のメール認証に関するよくある質問
メール認証だけで本人確認は十分?
メール認証は、指定したメールアドレスを利用できる者による操作であることを確認する手段の一つですが、メール認証だけで本人であることを完全に証明できるわけではありません。メールアカウントの乗っ取りや専用URLの転送などによって、第三者がアクセスする可能性もあります。そのため、契約金額や重要度に応じて、パスコードやワンタイムパスワード、多要素認証、電子証明書などを組み合わせ、本人性を高めることが重要です。
メール認証のなりすまし・不正アクセスを防ぐにはどうすればよい?
URLの有効期限設定に加え、アクセスコードの付与や本人確認書類の添付といった方法で本人性を高めることも可能です。重要な契約では、複数の認証手段を組み合わせて運用することをおすすめします。
メール認証による電子契約は法的に有効?
メール認証を利用した電子契約であっても、法令で特別な方式が定められている場合を除き、当事者間の合意によって契約は有効に成立し得ます。一方、電子署名法第3条による電磁的記録の真正な成立の推定が働くかどうかは、具体的な署名方式や本人性を担保する仕組みなどによって判断されます。メール送信履歴やアクセスログ、操作履歴などは、誰がどのような手続きで契約したかを示す証拠の一つになります。
関連記事:電子契約に法的効力はある?電子署名の有効性についても解説します
契約相手(受信者)は事前にアカウント登録をする必要がある?
電子契約サービスによっては、契約を受信する側が事前にアカウントを登録しなくても契約手続きを行えます。送信されたメール内の専用URLから書類を確認し、同意や署名などの操作を行えるサービスもあります。具体的な手続きや必要な認証方法はサービスによって異なるため、導入前に確認しましょう。
まとめ
今回は、電子契約書のメール認証について説明しました。電子契約のメール認証はIDやパスワード設定などの手間を省けるだけでなく、メールで通知が届くため、回覧もスムーズに行えます。
一方、メールに記載されたURLが流出してしまうと、本人になりすまして電子署名することもできてしまうため、メールの取り扱いには注意が必要です。メール受信者に契約締結権限があるのかという点も確認する必要があります。これらの注意点をよく理解した上で利用するようにしましょう。
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