電子契約とは?4つのメリットを解説
目次[非表示]
- 1.電子契約を導入すると得られる4つのメリット
- 1.1.1.コスト削減
- 1.2.2.業務効率と契約スピードのアップ
- 1.3.3.コンプライアンス(法令順守)強化
- 1.4.4.他業種との取引に対応できる
- 2.電子契約に関する法律とは
- 3.電子契約導入のハードルになるものとは
- 4.まとめ
電子契約とは、今まで書面にて締結していた契約を、電子データを用いて行う契約を指します。電子データには電子署名やタイムスタンプが押されることで法的拘束力を持ち、書面での契約同様に取引を行えます。作成した電子データはデータベースで保管することができるので、様々なビジネス効果を持つのです。
この、電子契約が企業に浸透し始めたのは、実は最近です。従来、通信回線を介した商取引と言えばEDI(電子データ交換)を導入している企業が多かったため、それだけで十分と考えられていたのです。
しかし、EDIは業界ごとの標準規格に則って電子データの交換がされるので、他業種企業との商取引においては、活用しづらいという面がありました。EDIですべての業種に対応するには、コストが倍増してしまうので、あまり現実的な対策ではなかったのです。
そうした背景の中で電子契約が注目されている理由は、その"自由度の高さ"にあります。契約書での商取引同様にフォーマットは企業の自由であるため、他業種企業との商取引にも柔軟に対応できます。
電子契約が注目されている大きな理由は、この自由度の高さにあると言ってもいいでしょう。
では具体的にどのようなメリットがあるのか今回はその点を紹介していきたいと思います。
>>電子契約における契約書の文言とは?変更箇所や注意点を紹介
電子契約を導入すると得られる4つのメリット
1.コスト削減
≪印紙代≫
行政への手数料支払のために利用される証憑である印紙。各契約書に貼ることが義務付けられているので、印紙代は大きなコストのひとつです。しかし、電子契約の場合、電子データへの印紙は不要なため、このコストを削減することができます。
≪郵送代≫
書面での契約書は基本郵送によってやり取りされます。このため郵送代は必ず発生するコストであり、削減が難しいものでもあります。電子契約によって郵送そのものが減少すれば、大幅なコスト削減が可能です。
≪封筒代≫
契約書郵送に使用する封筒も大きなコストです。こちらも、電子契約を活用すれば大幅なコスト削減につながるでしょう。
≪インク代≫
A4紙1枚を印刷するためのインクコストは35円ほどです。実は想像以上にコストがかかる部分ですので、電子契約によってインク消費量を抑えれば、コスト削減に繋がることは間違いありません。
≪人件費≫
契約書を印刷したり、封入したり、郵送するにも人件費がかかります。また、郵送では多数の人間が関わる場合があるので、コミュニケーションコストも発生します。契約書作成から送付まで1人で完結すれば、大幅な人件費削減が可能です。
≪保管費≫
作成した契約書は長期にわたって保管しなければなりません。しかし、書面での保管tとなると、保管に手間とスペースが必要です。電子契約ならば手間が少なく物理スペースは不要なので、保管費削減になります。
2.業務効率と契約スピードのアップ
書面での契約ではまず原本の作成から始まり、印刷、封入、郵送を行います。そこから原本を返送してもらい契約に至りますが、この作業だけで23週間ほどかかってしまうケースも少なくありません。当たり前の業務となっているので意識できないことも多いですが、実はかなり手間のかかる業務なのです。さらに、途中で契約変更などが起きれば、都度契約書を作り直し、契約を締結しなければなりません。
電子契約の場合、双方がPCやスマートフォンを使用して契約業務を進めるので、早ければ5分ほどで契約が締結する可能性があります。それに伴って業務効率がアップするので、その他の業務へ集中することも可能です。
3.コンプライアンス(法令順守)強化
書面での契約書管理では、コンプライアンスが実現できないリスクがあります。倉庫やキャビネットで書面を保管する場合、心配なのが改ざんや保管漏れです。常に鍵をかけて保管することも難しいので、紛失や復元不可能な状態になってしまう可能性もあるでしょう。こういした場合、監査に対応できなくなったりすることで、コンプライアンス違反になります。
加えて、いま・誰が・どのように契約を進めているかが不透明です。電子契約を導入すれば、こうした問題を一気に解消できるでしょう。
データベースで保管すれば高いセキュリティを実現でき、改ざんや紛失のリスクが少なくなります。万が一データが紛失しても、復元することが可能です。契約の進捗確認も行いやすくなり、コンプライアンス強化が可能になります。
4.他業種との取引に対応できる
冒頭部分でも説明しましたが、電子契約はEDIのように特定のフォーマットを持ちません。そのため他業種との取引において、柔軟に対応することができます。すでにEDIを導入している企業でも、電子契約導入のニーズはあるでしょう。
電子契約に関する法律とは
電子契約についてより深く知っていただくために、電子契約に関する法律について少し説明します。
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法とは、従来、文書でのみの保管が義務付けられていた会計書類などを、電子データとして保存することを容認する法律です。ただし、すべての書面ではなく、一部の書面のみ電子データとして保存できます。定期的に法改正がなされ、徐々に規制緩和がされている法律でもあります。
e文書法
電子文書法などの条件を満たす書面については電子データとしての保管が認められていたものの、それ以外の書面をスキャンし、電子文書化することは認められていませんでした、厳密に言えば、原本を廃棄することができなかったのです。しかし、電子文書化のニーズが高まるのを背景に、e文書法が登場しました。e文書法の要件を満たす場合、電子化した書面契約書、発注書等の証憑書類を含む)の電子保管が認められ、原本の廃棄が可能となりました。
電子署名法
正式名称は「電子署名及び認証業務に関する法律」であり、電子文書での商取引を推進するため、電子文書上の署名も手書きの署名同等の効力を持たせる法律です。同法第三条において「電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名が行なわれているときは、真性に成立したものと推定する。」とされています。
電子契約導入のハードルになるものとは
契約業務や文書を電子化するということは、それだけで多数のメリットを生むものです。しかし、導入において障壁となるものもあります。それが、一部契約はいまだ書面による契約が義務付けらえていることと、受信者側の理解を得ることです。
電子化できない契約文書を多く取り扱っているような企業では、電子契約のメリットを失ってしまう可能性があります。従って、自社が取り扱う契約書の種類を把握し、電子化が可能な書面かどうか、事前の確認が必要です。
また、受信者側が電子契約に対応できない場合も考慮して、予め理解を得る必要があります。企業によってはこれが大きなハードルになる場合もあるでしょう。
とはいえ、多くの企業では電子契約を導入することで大きなメリットを得ることができます。大切なのは、自社のニーズを見極めた上で、導入を検討することです。「うちの取引先は老舗ばかりだから」といって、最初から導入を諦めてしまうと、せっかくのビジネス創出チャンスを逃してしまうこともあるので、事前調査を入念に行いましょう。
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>>電子化と紙での保管、どちらがお得?~メリット・デメリットを比較する~
まとめ
書類電子化に取り組むことは、企業戦略に沿って目的を明確化することが重要になります。そして、適正な保管方法を選定することで大きなメリットが出てきます。
電子化した資料が、長期保存の必要があり、かつ使用頻度の少ない資料であれば、書類保管サービス「書庫探」で低コストかつ安全に保管することをおすすめします。