海外企業との電子契約締結でもたらされる3つのメリットと注意点
目次[非表示]
- 1.海外での電子契約の普及状況は?
- 2.海外企業と電子契約で締結する3つのメリット
- 2.1.国際郵便コストを抑えられる
- 2.2.契約時のコミュニケーションが捗る
- 2.3.ビジネスをグローバルに展開できる
- 3.海外企業と電子契約を締結する際の3つの注意点
- 3.1.海外での電子契約の有効性を把握する
- 3.2.日本とは異なる文化や商習慣を理解する
- 3.3.多言語に対応した電子契約サービスを選ぶ
- 4.まとめ
電子契約は海外のさまざまな国で普及しており、日本企業と海外企業でデジタル形式での契約が結ばれることは珍しくありません。
海外企業との電子契約は、コスト削減やコミュニケーションの円滑化につながりますが、日本とは異なる法律や文化、商習慣があることに注意が必要です。
この記事では、海外企業との電子契約締結でもたらされる3つのメリットや注意点を解説します。
海外での電子契約の普及状況は?
電子契約は、海外の多くの国で独自の法整備や導入が進んでいます。ここでは、アメリカ・ヨーロッパ・アジア圏での電子契約の普及状況を紹介します。
アメリカ
海外でも電子契約の市場規模が特に大きい国がアメリカです。
1999年に統一州法委員会全国会議が制定した統一電子取引法(UETA法)や、2000年に連邦政府が制定した法律のESIGN法などがあり、日本よりも早くから電子契約の法整備が進んでいます。
統一電子取引法自体は法律ではありませんが、アメリカの48州、ワシントンDC、米国領ヴァージン諸島、プエルトリコなどが州法として採用しています。
日本とは異なり、アメリカでは当事者型・立会人型といった署名形式を区別していません。州によって採用される法律は異なりますが、ビジネスにおいて幅広いシーンで電子契約が認められています。
ヨーロッパ
1999年に電子署名指令が発布されて以来、EU加盟国では独自の電子署名法に基づいた電子契約の普及が進みました。
その後、2014年7月には、EUで電子署名規則(eIDAS規則)が採択され、2016年7月以降からは電子契約と電子署名の法的効力が認められています。
したがって、EU域内であれば、国を跨いでオンライン上での電子文書を用いた契約が実現可能です。
一部の国では、公共機関や金融機関において電子契約の使用が促進されていますが、ヨーロッパの各国には個別の法律や規制が存在し、一部の特定の業界や契約形態には制約がある場合があります。
ヨーロッパでは、デジタルシングルマーケット戦略などの取り組みも行われており、さらに電子契約の普及が進むことが期待されています。
アジア圏
アジア圏には、日本と同様にハンコ文化が根付いている国も多いですが、現在では多くの国で電子契約の普及が進んでいます。
特に中国・韓国・香港・台湾・マレーシア・シンガポール・フィリピン・タイなどでは、2000年頃から日本の電子署名法に相当する法律の整備が進んでいます。
例えば、中国では2015年に電子署名法が改正され、電子契約も法的効力を持つ契約として認められ、電子契約サービスは2002年頃から誕生しており、最近では電子商取引に関する法律であるEC法の整備も進んでいるのが現状です。
香港では、1998年から政府主導で『情報基盤拡大、電子商取引育成を目指す戦略』が推進されてきました。2000年には『電子交易条例』が制定され、電子署名が手書きの署名と同等の扱いを受けるようになり、電子契約の普及が進んでいます。
香港と同様に台湾も比較的早い時期に電子契約が普及し、2001年には電子署名法が成立しました。これにより、電子署名が印鑉や手書き署名と同じ法的効力を持つようになりました。
日本でも新型コロナウイルスの流行によって電子契約の需要が加速し、多様な電子契約サービスが誕生しています。
海外企業と電子契約で締結する3つのメリット
海外企業との契約に電子契約を導入した場合、どのようなメリットが得られるのかを紹介します。
国際郵便コストを抑えられる
国際郵送には高額な料金や長い配送期間がかかる場合がありますが、電子契約を利用することでこれらのコストを削減できます。
例えば、紙の契約書を郵送する場合、印刷や郵送費用、国際配送にかかる費用が発生します。さらに、配送までの時間も長引く可能性があります。
一方、電子契約では、インターネットを通じて契約書をデジタルで送信するため、印刷や郵送のコストが不要です。
さらに、電子契約では郵送に伴うリスクも軽減されます。紙の契約書は紛失や破損のリスクがありますが、電子契約ではデジタルフォーマットで保管されるため、情報の紛失や改ざんの心配がありません。
契約時のコミュニケーションが捗る
電子契約を利用した場合、インターネットを介して即座に契約書類を共有できるため、相手とのコミュニケーションがリアルタイムで行えます。
従来の紙の契約であったような、海外企業との時間や距離などの制約を受けず、オンライン上での迅速な意思疎通や質問のやりとりが可能です。
さらに、電子契約プラットフォーム上で取引先各社の文書の修正や変更を容易に行えるため、効率的な契約交渉ができます。
ビジネスをグローバルに展開できる
海外企業との電子契約に対応することで、国内外問わず事業の拡大につなげられます。
例えば、多言語に対応した翻訳システムが搭載されている電子契約サービスであれば、国境を越えた取引が容易になり、海外企業との契約プロセスを効率化することが可能です。
電子契約によってビジネスをグローバルに展開することで、新たな市場や顧客との接点を創出し、国際的な成長を実現するチャンスを得ることができます。
海外企業と電子契約を締結する際の3つの注意点
海外企業との取引で電子契約を導入する際、以下の3つの注意点に気をつけましょう。
海外での電子契約の有効性を把握する
日本における電子署名法のように、電子契約に関する法律や制度は各国で異なります。
例えば、アメリカならe-Sign法、EU加盟国ならeIDAS規則というように、法律や制度に準拠した電子契約を締結する必要があります。
各国の法的効力を理解したうえで導入を検討しなければならないため、グローバル企業の電子契約で実績豊富なサービスを選定したり、海外取引に強い弁護士に相談したりすることも考えましょう。
日本とは異なる文化や商習慣を理解する
異文化の海外企業との電子契約締結においては、相手の文化や商習慣を尊重し、理解しておくことが重要です。
相手国の慣習や商習慣に敬意を払い、柔軟な契約条件の提案や交渉を行うことで、企業間での信頼関係を構築しやすくなります。
異文化間でのコミュニケーションは、適切な言葉選びをしなければ誤解や摩擦を引き起こす可能性があるため、十分に注意しましょう。
商習慣においても相手国での取引を理解する必要があります。国によって契約書の構成や形式も異なり、印鑑や署名の有無も確認しておくことが大事です。
多言語に対応した電子契約サービスを選ぶ
海外企業と電子契約サービスを利用して契約締結したい場合、相手国の言語に対応していることが前提となります。
国内向け電子契約サービスの場合、日本語と英語の2ヵ国語に対応したものが多いです。さらに多くの言語に対応したい場合には、海外向けのサービスを選定する必要があります。
サービスによって、翻訳可能な範囲・機能が異なるため、複数社を比較検討して最適な1社を見極めましょう。
まとめ
この記事では、海外企業との電子契約について以下の内容で解説しました。
- 海外での電子契約の普及状況
- 海外企業と電子契約を締結する3つのメリット
- 海外企業と電子契約を締結する際の注意点
電子契約サービスは、アメリカ・ヨーロッパ・アジア圏などのさまざまな地域で普及しており、各国で独自の法整備が進んでいます。
日本企業が海外企業と電子契約を締結したい場合には、相手国の言語に対応した電子契約サービスから選定しましょう。
『WAN-Sign』は、日本語と英語を柔軟に切り替えできる、多機能と高セキュリティを標準装備した電子契約・契約管理サービスです。
管理画面/署名画面と通知メールの言語切り替えに対応しており、差込文書一括送信にも可能なため、取引先ごとに異なるテンプレートを作成、運用できます。
英語圏の海外企業との電子契約でお悩みの方は、ぜひこの機会に『WAN-Sign』のご利用を検討してみてはいかがでしょうか。
>>お問い合わせ
>>資料ダウンロード