電子契約サービス市場の動向とトレンド
目次[非表示]
- 1.電子契約サービスの市場動向
- 2.電子契約サービスのトレンドとは?
- 3.電子契約サービス自体を導入するメリットとは?
- 3.1.コスト削減効果
- 3.2.契約業務の効率化(短期化)
- 3.3.コンプライアンス対応
- 4.電子契約サービスを導入する上で大切なことは?
契約書の発行には、印紙税がかかります。たとえば請負に関する契約書(工事請負契約書、物品加工注文書など)なら、1万円以上100万円以下で200円の印紙税がかかります。業務委託契約なら、契約金額に関わらず4,000円が印紙税として徴収されます。
一つ一つの印紙税は小さなものかもしれませんが、年間1千件以上の契約書発行がある企業では、そのコストが数百万円に上ることも少なくありません(印紙税以外にも印刷代・郵送代なども含めるため)。
こうしたコストの削減効果があるITシステムが、電子契約サービスです。簡単に言えば、契約書を電子データ化することで印紙税は不要となるばかりか、書類の作成や送付などにかかるコスト(印刷代や郵送代、人件費)も削減することでき、大幅なコスト削減効果が見込まれます。
他にも契約業務のスピードアップやいつどこでも書類を作成できるなど、様々な導入効果を持つ電子契約サービス。今回は、この電子契約サービスの市場動向とトレンドを追いたいと思います。
電子契約サービスの市場動向
電子契約自体の歴史は古く、インターネットが普及する以前から、専用線を利用した企業間取引(EDI)で利用されていましたが、現在の方式(インターネット経由で電子署名を活用した形式)の普及は2000年初頭からと言われています。
事実、2015年の5月?6月に公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が行った調査によると、電子契約サービスの導入率は、次のグラフのようになっています。
引用:2015年文書情報マネジメント関連市場ユーザー動向調査結果の概要について
約7分の1の企業がすでに電子契約サービスを導入し、3分の1の企業が今後の導入を検討しています。同調査が行われた2015年当時から、電子契約サービスはすでに多くの企業に注目されていたということになります。
一方、電子契約サービスに不可欠である、電子証明書の市場規模については、2016年予測値が1,245億円、2020年には1,500億円に成長していると予測されています。
引用:平成27年度サイバーセキュリティ経済基盤構築事業(電子署名・認証業務利用促進事業(電子署名及び認証業務に関する調査研究等))調査報告書
これらの調査データを踏まえても、電子契約サービス市場は、現在成長段階にあると言えると思います。
>>電子契約における契約書の文言とは?変更箇所や注意点を紹介
電子契約サービスのトレンドとは?
情報システム界のトレンドと言えば、長い間「クラウドサービス」が席巻しています。社内インフラを持たず、システム運用を省略化できることから、企業規模を問わず広く浸透しているサービスです。電子契約サービスもその例に漏れず、トレンドはやはりクラウドサービスだと言えます。
クラウドで電子契約サービスを導入するメリットは、社内インフラを持たないことでの導入スピードです。社内インフラを構築するオンプレミス環境の場合、導入計画やサーバ調達など何かと時間がかかるため、導入が長期化してしまう傾向にあります。
しかし、その間のいたるところで契約業務が発生するので、現状業務から電子契約への移行のタイミングが難しくなります。
一方クラウド型の電子契約サービスでは、社内インフラを持たないために迅速な導入が可能となります。当社が提供する電子契約サービス「WAN-Sign」では、クラウドサービスとBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を組み合わせることにより、契約管理業務そのものをまとめて提供する統合型の電子契約サービスとしてご利用いただけます。
システム構築のためのコストは一切不要で、契約量に応じた利用料をご契約いただく形でご利用いただけますので、既存業務から段階的に電子契約サービスを利用する場合にもスムーズに行えます。
電子契約サービス自体を導入するメリットとは?
では、クラウドサービスかオンプレミスかに関わらず、電子契約サービスにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
コスト削減効果
契約業務により発生する「目に見えるコスト」としては、印紙代や郵送代など契約書作成にかかるコストですが、さらには原本の保管スペースなども目に見える物理的なコストとなります。
一方で目に「見えないコスト」として大きな比重となるのが人件費です。
紙で契約書を作成・管理している以上は、外出先や自宅で書類を作成することができないため、ほとんどの場合オフィスで作業する必要があります。それら移動のための時間や契約締結までにかかるトータル所要時間が、契約に携わる社員の人件費として消費されます。
一概にコスト算定は難しいですが、営業担当者がどの程度契約書作成に時間を割いているか算出できれば、おおよそのコストは把握できると思います。
契約業務の効率化(短期化)
契約業務とは、契約書の作成や印刷、郵送など手間が多く時間もかかります。さらに契約締結が完了するためには、取引先から署名された原本の返送を待たなければなりません。
また、ようやく手にした契約書に記載ミスや条件の変更が発生した場合は、また最初から手続きをやり直す必要があり、その都度オフィスでのデスクワークが発生することになります。
いつでもどこからでも仕事ができる環境が整いつつある現在において、契約書作成や締結のために出社しなければならないとしたら、業務改善の最優先事項とも言えるかもしれません。
コンプライアンス対応
契約締結はどの企業に良いても取引を開始するためには必要な行為となります。ただ、その契約締結に多くの労力や時間がかかってしまう状況では、企業にとってリスクが生じる期間とも言えます。
契約締結にあまりに時間を要する場合、それを見越してプロジェクトを見切り発車させてしまうなど、コンプライアンス上の問題に発展するケースも起こり得ます。
特に物販でなく役務を提供する請負工事やシステム開発などでよくみられる問題の一つです。
一方で、物販などでもよく生じる問題は、売上計上のための会計処理と書類(原本)が届くタイミングです。最近では外資系企業などを中心に管理会計として四半期決算や月次締めを適切に行う企業が増えています。そのためには当然のことではありますが、正しく契約書が締結されている必要があり、契約締結の遅延は売上計上のタイミングに影響が及ぶため、厳しく数字を管理している企業ほど、契約締結の遅延による影響はおろそかにできません。
電子契約サービスは、こうした問題点に対しても効果を発揮します。システム上で契約書を作成し、電子署名によって契約書の信憑を担保、そのまま契約書をアップロードできるので、契約書の作成から提出までの時間が大幅に短縮されます。
取引先はアップロードされた契約書を、迅速に検索・閲覧・ダウンロードができ、電子署名を行った上で再度アップロードすることで契約締結が完了します。
契約書原本のみならず関連書類もまとめて管理することで、原本の紛失や後から参照する際にも検索性が高く、非常に便利です。当然、売上集計も電子契約の記録を参照することで実施することが可能となります。
電子契約サービスを導入する上で大切なことは?
様々な導入効果を持つ電子契約サービスですが、導入にあたり課題もあります。それが、取引先の理解を得ることです。
電子契約サービスは導入企業だけで成り立つものではなく、取引先の理解があって成り立つサービスです。
特にコスト面に関しては、印紙税削減といったメリットはあるものの、サービス利用のコストが発生することがネックとなるケースが少なくありません。いくらコスト削減効果があると訴求しても、それとは別にコストがかかると、難色を示す企業も多いのです。
そこで、現在注目されているのはクラウド型の電子契約サービスです。
旧来のように代表的な大手企業が取引先向けに展開する閉鎖された取引ネットワークではなく、現在では相互に電子契約のメリットを理解し、一般の取引においても電子契約の利用が進んできています。
そのため、いつ誰でもどこでも利用できることが必要条件となり、専用環境でなく、クラウドサービスの形で提供される電子契約であることが大切です。
当社では、多くの企業が変える契約業務の課題を解決するため、全く新しい電子契約サービス「WAN-Sing」を提供しています。
クラウド型サービスによる電子契約サービスであることは当然のこと、全てを電子化対応することが難しい実情も踏まえて、書面の契約書の原本保管や電子化サービス、また多くのお客様の契約書管理実績ノウハウを元にした、契約業務全般を網羅する契約管理機能・内部統制機能をご用意しています。
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