PDFファイルに電子署名を付与するには?電子サインとの違いや利用時の注意点

(公開日:2021年11月19日)

目次[非表示]

  1. 1.電子署名とは?
  2. 2.電子署名と電子サインの違い
  3. 3.PDFファイルに電子署名を付与する方法
    1. 3.1.AcrobatまたはAcrobat Readerで電子署名を付与する
    2. 3.2.電子契約サービスを利用して電子署名を付与する
  4. 4.PDFに電子署名を付与するメリット
    1. 4.1.強固な認証により本人性を高めることができる
    2. 4.2.文書の改ざんを未然に防げる
    3. 4.3.文書の信頼性を高め、証拠として説明しやすくなる
    4. 4.4.契約業務のコスト削減とスピードアップが図れる
  5. 5.PDFに電子署名を付与する際の注意点
    1. 5.1.無料ツールの場合、件数の上限やセキュリティ機能に留意する
    2. 5.2.契約内容に応じた適切な電子署名方式を選択する
    3. 5.3.署名の検証手順を事前に共有しトラブルを防ぐ
  6. 6.PDFでの電子署名・電子サインに関するよくある質問
    1. 6.1.PDFの電子署名が有効か確認する方法は?
    2. 6.2.スマートフォンからでもPDFに電子署名できる?
    3. 6.3.PDFに手書きのサインは挿入できる?
    4. 6.4.PDFに複数人の署名を入れられる?
    5. 6.5.電子署名の入ったファイルは編集・変更できない?
    6. 6.6.電子署名と電子印鑑の違いは?
  7. 7.まとめ

PDFファイルに電子署名を付与するには?電子サインとの違いや利用時の注意点

PDFファイルは、契約書や申込書、注文書などのレイアウトを保ったまま共有できる電子文書として広く使われています。ただし、PDFファイルの契約書を電子契約に使う場合は、誰が署名したのか、署名後に内容が変わっていないか、締結後の書類をどこで保存するかまで整理しておく必要があります。

その確認に用いられるのが、PDFファイルへの電子署名や電子サインです。電子署名、電子サイン、電子印鑑、手書きサイン画像は似て見えますが、本人性や完全性を担保する仕組みはそれぞれ異なります。

本記事では、PDFファイルに電子署名を付与するやり方、電子サインとの違い、契約締結時の注意点について解説します。

>>電子署名法に対応した電子署名を付与できる「WAN-Sign」の活用事例

電子署名とは?

電子署名とは、契約書・申込書などの電子文書に付与する電子的な署名情報のことです。紙の文書におけるサインや印鑑に近い役割を持ちますが、見た目の印影や手書きサイン画像とは仕組みが異なります。

電子署名では、電子証明書やデジタル署名、タイムスタンプなどの仕組みを用いて、署名者の本人性や文書の完全性を確認できるようにします。署名済みの電子文書について、誰が同意したのか、署名後に内容が改ざんされていないかを示す証跡を残せるのが特徴です。

また、電子契約で電子署名を利用する際は、電子署名法との関係や証拠力、保存方法もあわせて整理しておくと、契約締結後の管理がしやすくなります。

電子署名の詳しい仕組みや電子サインとの違いは、以下の記事をご覧ください。

>>電子契約における電子署名とは?電子サインとの違いを紹介

電子署名と電子サインの違い

電子署名と電子サインは、本人確認や改ざん防止の扱いが異なります。PDFファイルの契約書に使う前に、両者の違いを整理しておきましょう。

電子署名は、電子証明書や暗号技術を用いて、署名者の本人性と署名後の非改ざん性を検証できるようにする仕組みです。契約書や取締役会議事録など、後日証拠として示す必要がある文書で使われます。

反対に電子サインは、電子文書やオンライン手続きで合意・承認を示す行為を広く指す言葉です。タブレット上に手書きでサインする操作、メール認証による承認、チェックボックスへの同意、電子契約サービス上で署名ボタンを押す操作などが含まれます。

PDFファイルの契約書で利用する方法を決めるときは、本人確認や改ざんの有無の検知まで含めて証跡を残す必要があるか、合意・承認の操作を残せれば足りるかを基準にします。電子署名と電子サインの違いを押さえることで、文書に求められる証跡の範囲を整理しやすくなります。

PDFファイルに電子署名を付与する方法

PDFへの電子署名には、PDFソフトを使う方法と電子契約サービスを使う方法があります。契約業務では締結後の保管と検証まで見据えて、自社に合う方法を選ぶことが大切です。

AcrobatまたはAcrobat Readerで電子署名を付与する

AcrobatまたはAcrobat Readerは、アドビが提供しているPDFの編集・閲覧ソフトです。どちらも、アドビのセキュリティ機能「Self-SignデジタルID」を使用することで証明書を作成でき、PDFファイルに電子署名を付与することができます。

AcrobatまたはAcrobat ReaderでSelf-SignデジタルID機能を使って電子署名をする際には、下記のような手順で行います。

<電子署名の追加方法>

  1. 電子署名を付与したいファイルをAcrobatまたはAcrobat Readerで開く
  2. Acrobatの場合は「ファイル」から「その他の形式で保存」を選択し、「証明済みPDF」をクリック。Acrobat Readerの場合は「ツール」タブから「証明書」を選び、「電子署名」を選択する
  3. 電子署名を付与したい場所をドラッグして選択する
  4. デジタルIDの設定を求められるので「新しいデジタルIDの作成」を選択し、次いで「ファイルに保存」を選ぶ
  5. 名前やメールアドレスなどを入力して「続行」を選択し、パスワードを設定する
  6. 作成したIDを使って、電子署名を付与する

PDFファイルへの電子署名付与が完了したら、続いて証明書の作成を行います。

<証明書の作成方法>

  1. 作成した署名をクリックし「署名のプロパティを表示」を選択
  2. 「証明者の証明書を表示」をクリックし、「概要」タブから「書き出し」をクリック
  3. ローカル保存する場合は「書き出し先」でファイル保存を選び、「証明書ファイル」を選んで「次へ」
  4. 表示内容を確認して「完了」

これで、電子署名付きのPDFファイルと証明書ファイルが作成できました。相手に渡す際は、証明書ファイルもあわせて送付します。

PDFファイルの受取人は、添付されている証明書ファイルを開き、証明書の読み込みを行うことで、PDFファイルに付与された署名がファイルの作成者本人のものであると確認できます。

以上が、AcrobatまたはAcrobat Readerで電子署名を付与する方法です。電子認証局から電子証明書の発行を受ける必要がないので簡単ですが、自作の証明書であるため、自分で「この電子署名は自分のものです」と言っているようなものです。そのため、ビジネス上の契約書など、重要な文書で利用する場合は、対外的な信用力の観点から慎重な検討が必要です。電子認証局の電子証明書を使った電子署名を付与したい場合は、別途自分で電子証明書を取得する必要があります。

厳格性を高めたい場合、その分、手間も時間も必要となり、利便性が失われます。しかし、「WAN-Sign」をはじめとした各種電子契約サービスを利用すれば、利便性を保ったまま、ビジネス上の契約書などにも使える厳格な電子署名を付与できます。

電子契約サービスを利用して電子署名を付与する

電子契約サービスとは、PDFをはじめとする電子文書へ、電子署名の付与や文書データの保管をWeb上で行えるサービスのことです。

電子署名には、大きく分けると「当事者型」と「立会人型・事業者署名型」の2つのタイプがあります。どちらのタイプも電子文書の偽造・改ざん防止に有効な電子署名ですが、本人確認の厳格性や利便性に違いがあります。

当事者型は、電子認証局が発行する「電子証明書」を使い、文書の本人性・非改ざん性を厳格に担保できるタイプです。立会人型・事業者署名型は、メール認証による方法を使うため、より手軽に電子署名を利用できます。

<「WAN-Sign」を利用する場合>

NXワンビシアーカイブズが提供する電子契約サービスWAN-Signは、当事者型、立会人型・事業者署名型の両タイプを実装しているのが特長です。電子契約サービスの中には、当事者型または立会人型・事業者署名型のいずれか一方のみを提供しているものもありますが、「WAN-Sign」であれば、同じ契約書の中でも、契約内容や相手方に応じて、使い分けることができます。

なお、「WAN-Sign」では、紙の契約書をすべて電子に切り替えできない場合にも、PDF化することなく、紙・電子を問わずすべての契約書を一元管理できるサービスもあります。さらに、紙の契約書の原本管理や、1文書ごとにPDF化の依頼も可能といった文書管理機能が充実しています。

>>電子契約における契約書の文言とは?変更箇所や注意点を紹介

PDFに電子署名を付与するメリット

PDFへの電子署名は、本人確認や改ざん検知に役立ちます。締結後の検索・検証・期限管理まで含めたメリットを見ていきます。

強固な認証により本人性を高めることができる

PDFに電子署名を付与する運用では、方式やサービスに応じて、電子証明書・メール認証・二要素認証などを組み合わせられます。署名操作の日時や送信先メールアドレス、認証方法、操作履歴などを残せるサービスであれば、誰が署名したのかを後から照合しやすくなります。

ただし、本人確認の確度は、当事者型と立会人型のどちらを使うかによって変わります。契約担当者は、契約金額・契約内容・社内規程・相手方が求める水準を見て、実務に合う電子署名の方式を選ぶことが大切です。

文書の改ざんを未然に防げる

電子署名が付与されたPDFでは、署名後に文書の内容が変更されると、検証時に変更の有無を確認できます。金額欄の書き換え、署名済みファイルの再編集、文書の差し替えなどに気づく手がかりになるため、締結後の文書管理でも役立つ仕組みです。

署名済み文書を受け取ったら、PDF閲覧ソフトや電子契約サービス上で署名を検証し、署名者と署名対象の文書が一致しているかを確認します。検証手順を社内の運用に組み込んでおくと、署名済みPDFファイルを保管した後も信頼性を確認しやすくなります。

参考:Adobeヘルプセンター「デジタル署名を検証

文書の信頼性を高め、証拠として説明しやすくなる

電子署名は、契約締結時の合意内容を後から説明するための証跡を残す仕組みです。署名者・署名日時・対象ファイル・タイムスタンプ・証明書情報・操作ログなどがそろっていると、社内監査や取引先からの照会に対して、合意に至った経緯を提示できます。

紙の契約書も証拠として使われますが、保管場所の分散や紛失、検索の手間が課題になりやすい文書です。電子署名付きPDFを契約管理システムで保管すれば、契約締結後も文書を探し出し、見積書などの関連資料とあわせて確認する流れを作れます。

契約業務のコスト削減とスピードアップが図れる

PDFに電子署名を付与して電子契約として締結すれば、印刷や郵送、原本保管にかかる作業を減らせます。取引先が遠方にいる契約や、複数人の承認を経る契約では、締結までのリードタイム短縮にもつながります。

ただし、電子署名付きPDFを個別フォルダに保管する運用の場合、契約書番号・取引先・契約期間・更新期限・関連ファイルの管理が担当者ごとに分かれやすくなります。締結後の契約管理まで効率化するなら、署名済みPDFファイルを契約管理システムへ登録し、検索・期限管理・関連資料の確認を一連の流れで扱える状態に整えておくとよいでしょう。

PDFに電子署名を付与する際の注意点

PDFへの電子署名は、方式やツールによって確認できる情報が変わります。契約で使う前に、署名後の検証・保管方法における注意点を整理します。

無料ツールの場合、件数の上限やセキュリティ機能に留意する

無料ツールや簡易的なPDF編集機能には、サイン画像の挿入や簡易署名に対応しているものがあります。ただし、サービスによっては、月間送信件数・保存容量・ユーザー数・セキュリティ機能に制限が設けられているため、PDFファイルの契約書に使う前に利用条件を確認しておきましょう。

PDFファイルの契約書では、署名できるかどうかに加えて、本人確認方法、タイムスタンプ、監査ログ、閲覧権限まで確認します。署名日時や署名後の変更有無を後から説明するには、署名済みPDFファイルにどの情報が残り、誰がどの画面で検証できるのかを整理しておくことが大切です。

契約内容に応じた適切な電子署名方式を選択する

契約内容によって、求められる本人確認や証跡の水準は変わります。方式を選ぶときは、契約の重要度、後から合意内容を示す必要性、相手方の操作負担をあわせて確認してください。

契約・文書の例

検討しやすい方式

確認するポイント

社内承認文書
軽微な申込書

立会人型
メール認証を使う方式

承認者
承認日時
社内ルールとの整合

秘密保持契約
継続的な業務委託契約

立会人型または当事者型

本人確認方法
保存期間
操作ログ
相手方の負担

高額契約
重要な取引契約
取締役会議事録など

当事者型
電子証明書を使う方式

電子証明書
タイムスタンプ
検証情報
長期保管

すべての契約を厳格な方式へ寄せすぎる運用では、署名者や相手方の操作負担が大きくなります。一方で、後から合意内容を示す必要がある契約を簡易な方式で進めると、本人性や署名時点の内容を説明する材料が不足するおそれがあります。

契約担当者は、契約金額・取引先との関係・文書の保存期間・紛争時に示す資料の必要性を見ながら、契約ごとに方式を整理しましょう。社内規程と照合して選定理由を残しておけば、締結後に署名方式や検証情報を追いやすくなります。

署名の検証手順を事前に共有しトラブルを防ぐ

電子署名付きPDFは、相手方が受け取った後に、署名者の情報や署名後の変更有無を見られる状態にしておくことが大切です。署名済みファイルを送るだけでは、相手方が検証方法に迷ったり、エラー表示が出たときに担当者へ確認が戻ったりすることがあります。

そのため、契約担当者はPDFを送付する際に、署名に使ったサービス名、署名済みPDFファイルの取得方法、検証時にエラーが出たときの連絡先をあわせて案内します。

社内では、署名済みPDFファイルを個人端末やメール添付のまま残すと、後から正式版のファイルや署名情報を追いにくくなります。契約管理システムへ登録する流れを決めておけば、締結後に署名情報・契約書本体・関連資料を同じ管理ルールで扱いやすくなります。

PDFでの電子署名・電子サインに関するよくある質問

PDFの電子署名が有効か確認する方法は?

PDF閲覧ソフトの署名パネルや、電子契約サービスの締結済み画面で確認します。署名者・署名日時・証明書・タイムスタンプ・署名後の変更有無を見て、警告が出たときは署名依頼元やサービス提供元に問い合わせます。

スマートフォンからでもPDFに電子署名できる?

電子契約サービスによっては、スマートフォンからPDFに署名できます。契約内容を見落とさないよう、金額・期限・相手方・契約条項は画面の見やすい環境で確認してから署名します。

PDFに手書きのサインは挿入できる?

手書きのサイン画像は挿入できます。ただし、画像だけでは本人確認や改ざん防止の根拠として弱いため、契約書では電子署名・タイムスタンプ・操作ログを残す方式も検討してください。

PDFに複数人の署名を入れられる?

複数人の署名を入れられます。契約当事者や承認者が複数いるときは、署名順序・署名依頼先・署名期限を事前に決めておくと、締結までの進捗を追いやすくなります。

電子署名の入ったファイルは編集・変更できない?

電子署名付きPDFでも、技術的に編集操作ができることはあります。ただし、署名後に内容を変更すると検証結果に影響する(改ざんが検知される)ため、修正が必要なときは変更契約書や覚書を作成し、原契約と関連付けて管理してください。

電子署名と電子印鑑の違いは?

電子印鑑は、文書上に印影を表示するための電子データです。一方、電子署名は、署名者・署名時刻・署名後の変更有無を検証する情報を付与する仕組みで、契約書では証跡として何を残せるかを見て使い分けます。

まとめ

PDFファイルに電子署名を付与するときは、署名者の本人性、署名後の非改ざん性、検証情報、保存先まで確認したうえで方式を選ぶ必要があります。手書きサイン画像や電子印鑑は手軽に使えますが、PDFファイルの契約書の証拠管理には限界があるためです。

また、契約業務では、署名済みPDFファイルで契約を締結して終わりにせず、保管・検索・期限管理まで含めて管理することが大切です。無料ツールや簡易機能を使う場合も、セキュリティ機能、監査ログ、閲覧権限、契約管理機能の有無を確認しておきましょう。

NXワンビシアーカイブズが提供する電子契約サービスWAN-Signであれば、PDFファイルに厳格な電子署名を付与することができ、法的にも有効な契約書を作成することができます。

利用者が安心して使いやすいサービスを実現した「WAN-Sign」の詳しい説明は、こちらをご覧ください。

>>電子契約の導入にかかる費用やシステム選びのポイントを紹介

>>電子署名とは?導入のメリット・デメリットと必ず知るべき注意点

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