CLMとは?CLMの目的やメリット、契約業務における課題
目次[非表示]
- 1.CLMとは何か?
- 1.1.CLMとは?
- 1.2.リーガルテックとの違い
- 2.CLMの主な目的
- 2.1.契約フローを正常化する
- 2.2.データ管理を正常化する
- 2.3.リスクを管理する
- 2.4.契約内容を可視化する
- 2.5.契約内容の正確性を高める
- 3.契約業務における主な課題
- 3.1.契約書の作成や審査に時間がかかる
- 3.2.案件ごとの状況を可視化できない
- 3.3.契約書の一元管理が難しい
- 3.4.適切なセキュリティ管理が行えない
- 4.CLMのシステム導入の主なメリット
- 4.1.契約管理を一元化できる
- 4.2.契約を適切に管理できる
- 4.3.適切なセキュリティ設定を行える
- 4.4.コミュニケーションがスムーズになる
- 5.まとめ
企業や個人間の合意を文書にする契約書は、重要な書類であることから、その作成や締結、保管などに手間がかかります。
昨今、企業においては、この契約に関する業務を最適化・効率化する取り組みがされており、これを「CLM(契約ライフサイクルマネジメント)」と呼びます。
この記事では、CLMの基礎知識をお伝えします。目的や課題、メリットなど細かく紹介しますので、最後までぜひチェックしてください。
CLMとは何か?
CLMはContract Lifecycle Managementの頭文字をとった略称で、「契約ライフサイクルマネジメント」とも呼ばれます。
まずは、CLMの定義を確認しましょう。
CLMとは?
CLMとは、企業において発生する各種契約プロセスを最適化する取り組みのことです。工程の中には、契約書の作成からはじまり、審査、承認、押印、相手先との締結、保管、更新等が挙げられます。これらのプロセスを分割し、効率化するのがCLMです。昨今では契約管理システムや電子契約システムなどのデジタルツールを用い、効率化するのが一般的です。
リーガルテックとの違い
法務関連の業務効率を上げるシステムとして、リーガルテックがあります。リーガルテックの代表的なものとしては、電子契約や契約内容をAIが自動でリーガルチェックしてくれるサービスや、オンラインで契約書を作成・保管してくれるサービスなどがあります。
リーガルテックは法務部門を主な対象としますが、CLMは法務以外も含めた契約に関する業務全般を対象とします。
CLMの主な目的
CLMのシステムは、契約業務におけるプロセスを効率化し、担当者それぞれが関連する契約を検索・閲覧できるものです。こういったCLMのシステムを導入する主な目的を確認しましょう。
契約フローを正常化する
契約業務は、社内だけでなくたくさんの人物が関わるものです。そのため、しばしば契約締結における業務が滞ってしまう場合があります。このような滞りをなくし、適切化することで企業全体の効率性を上げることが目的です。
データ管理を正常化する
CLMでは、契約書ごとに様々な情報で管理ができます。契約の相手方や締結日、契約満了日、社内稟議のタイトルや管理番号など、多様な項目で検索できるようになるため、データ管理の正常化につながります。
リスクを管理する
契約書の締結ステータスや、締結済みの契約の更新日を管理することができるため、契約締結の漏れが起こるリスクを抑えます。契約の経緯などをシステム上で確認できるため、万が一契約トラブルが起こっても情報収集が容易です。
契約内容を可視化する
システムにより契約内容が文字データとして検索・閲覧できるようになることで、契約内容はより可視化されます。その上、アクセス権限を設定すれば従業員ごとにアクセスできる契約書を管理できます。これにより、情報セキュリティが向上します。
契約内容の正確性を高める
CLMで契約書の雛形や過去の契約書を閲覧可能になることで、各担当者が作成する契約書の正確性を高めることができます。契約書を審査する法務担当の労力も削減できるでしょう。
契約業務における主な課題
CLMは、契約業務におけるさまざまな課題を解決できます。では、CLMが解決できる課題にはどういったものがあるのでしょうか。順番に見ていきましょう。
契約書の作成や審査に時間がかかる
一般的に、契約書の作成は企業の担当者が行います。自社の法務担当が用意した雛形がある場合はそれらを活用しながら、案件ごとに契約書を作成します。作成された契約書が自社にとって不都合がないかチェックする必要があります。契約書のチェックは担当者や上司、法務担当と複数の関係者が行うため、CLMを用いない場合、実物の契約書をチェックすることになり、時間がかかります。
案件ごとの状況を可視化できない
CLMを用いない場合、契約書の作成や審査、回覧、押印などは全て人の手で行う必要があります。こうなると案件ごとにどういう状況なのかわかりません。例えば、「あの契約書、紙の稟議で回覧中なんだけど誰で止まっているんだろう?」となってしまい、業務が滞ってしまう事態も発生します。
契約書の一元管理が難しい
CLMを用いない場合、契約書を一元的に管理できません。契約締結後、契約書を保管・管理するほか、契約満了日や契約更新日が近づけばそれに伴う契約の更新作業なども発生します。「満了日を忘れていて再契約手続きが遅れてしまった」というような事態も発生してしまいます。
適切なセキュリティ管理が行えない
CLMを用いない場合、全て紙で保管・管理することとなります。紙はいつ、誰がアクセスしたかが残らない媒体であり、紛失や盗難・改ざんなどが行いやすいデメリットがあります。
CLMのシステム導入の主なメリット
前述した契約管理の課題は、CLMのシステムを導入することで解決できます。CLMの主なメリットを見ていきましょう。
契約管理を一元化できる
CLMは、契約書の作成・承認・締結・保管を全て一元化します。例えば、これまで各部署・各担当で行っていた契約書の管理をCLMのシステム内で一元化することができます。これまでバラバラだった契約書が一つにまとまることから、会社としてノウハウを蓄積しやすくなるというメリットがあります。
契約を適切に管理できる
一般的にCLMでは、契約書をデジタル情報で管理します。そのため、膨大な契約書であっても手間なく、適切に管理しやすくなります。また、各担当が、自らの欲しい契約書の情報を検索により容易に閲覧でき、担当する契約書の更新期日も抜け漏れなく把握できるようになるでしょう。
適切なセキュリティ設定を行える
一般的にCLMでは、企業の各担当にシステムのアカウントを設け、アカウントごとに閲覧や編集できる権限が設定できます。これにより、「見られてはいけない契約書が見られた」などの情報漏洩が起こりづらくなります。
コミュニケーションがスムーズになる
CLMでは、契約書の審査や締結までの進捗状況をシステム上で管理することが一般的です。これにより、これまでメールや口頭で行っていた情報連携に伴う時間を短縮できます。また、システム上において、複数の担当者が契約書を編集できるものもあるため、情報伝達が容易です。
まとめ
今回は、CLMについて解説しました。
契約書は社内外と関わる人が多い重要書類であるため、CLMのシステムを導入することで業務効率向上や情報セキュリティの確保などのメリットがあります。
CLMサービスの中でもおすすめなのが電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign(ワンサイン)」です。WAN-Signは、創業以来4,000社以上の機密書類を管理してきたNXワンビシアーカイブズが提供するサービスです。電子署名法や電子帳簿保存法に準拠した電子契約システムを持ち、既存の書面契約の一元管理などのソリューションを実現し、高度なセキュリティ体制で文書管理をサポートします。
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