口約束での契約は法的に有効か?トラブル防止策とよくある質問


目次[非表示]

  1. 1.口約束でも契約は成立する?
  2. 2.口約束での契約トラブルを防ぐ方法
    1. 2.1.契約書を作成して書面に残す
    2. 2.2.契約書の締結が難しい場合はやりとりした証拠を残す
    3. 2.3.契約時に第三者を立ち会わせる
    4. 2.4.できるだけ口約束をしない
  3. 3.口約束での契約に関するよくある質問
    1. 3.1.口約束による契約はいつまで有効か?
    2. 3.2.口約束による契約を変更・解除するには?
    3. 3.3.口約束による契約はすべて有効か?
    4. 3.4.電話での口約束にも法的な効力はある?
  4. 4.口約束以外の契約方法でリスクヘッジしましょう



物の貸し借りや売買などで、何かを口約束で取り決めることは発生します。では、こういった口約束は、書面での契約と同等の法的効力を持つのでしょうか。

今回は、口約束の契約・法的効力のほか、口約束での契約トラブルを防ぐ方法や口約束の有効期限、変更・解除の方法などよくある質問について詳しく解説します。


口約束でも契約は成立する?

民法では、契約は口頭でも成立するとされており、口約束は契約として成立します。例えばコンビニでお買い物をする場合、店舗が商品を渡し、顧客が代金を支払うという意思表示により、売買契約が成立しています。このように、当事者間で承諾があれば、契約書への押印やサインなど必要なく、契約は成立するのです。


民法第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。

2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

【出典】「民法」(e-Gov法令検索)


しかし、口頭では相手方と認識の齟齬が生まれることがあり、それによるトラブルが発生するおそれがあります。そのリスクを防ぎ、契約内容を確認し合意した証明を残すために、案件によっては紙や電子契約を用い契約締結を行うことをおすすめします。また、法律で書面による契約締結が必須とされているものもあります。詳しくは後述します。



口約束での契約トラブルを防ぐ方法

口約束での契約はその証拠が残りづらく、後々になって認識の齟齬や、「言った」「言わなかった」という押し問答のトラブルに発展してしまいます。こうしたトラブルを防ぐための方法をいくつか紹介します。


契約書を作成して書面に残す

最もトラブルが起こりにくいのが、契約書を作成することです。例えば売買契約であっても、商品の数量や仕様、引き渡し方法、現金の支払期日、不備があった場合の対応などについて、細かく合意しなければなりません。こういった場合、契約書を用いることで、事前に合意することができます。契約書のひな形は弁護士事務所のWebサイトなどで閲覧・ダウンロードできるため、どういった条文があるのか確認しておくようにしましょう。


契約書の締結が難しい場合はやりとりした証拠を残す

契約書の締結が難しい場合は、なるべく他の形で証拠を残すことが必要です。電話であれば録音や、話し合った内容を議事録に残して先方にも確認しておいてもらうようにしましょう。また、合意した内容をメールにしたためて、打ち合わせや電話の後に相手方に送るのも良いでしょう。


契約時に第三者を立ち会わせる

やりとりした証拠を残すことと同様に、証言者を立てておくこともひとつの手です。万が一裁判沙汰になった際は、立ち会った第三者が証言者となり、契約の内容を立証してくれます。ただし、立ち会わせる第三者については、契約に利害関係のない人物であることが重要です。例えば同じ会社の部下を立ち合わせたとしても、その同僚は自社に有利な証言をするとみなされるため、裁判でも効力を持たない可能性があります。


できるだけ口約束をしない

前述した対策を行ったとしても、トラブルは完全に防ぎ切れるものではないため、重要度の高い約束は書面で行うようにしましょう。特に金額が大きい取引や、長期間に及び効力が発生するものについては、申し込みの時点から形に残るツールを利用するようにしましょう。



口約束での契約に関するよくある質問

口約束のトラブルの防ぎ方が分かったところで、続いては口約束での契約に関するよくある質問について解説します。


口約束による契約はいつまで有効か?

口約束であっても、書面での契約であっても、契約により「債権」「債務」が発生します。

債権とは、他人に対して何かしらの行為を請求する権利です。一方、債務はその対義語で、他人のために何かしらの行為をする義務を指します。

例えば雇用契約においては、企業が従業員にお金を支払う代わりに、労働という対価を要求します。この場合、企業からすると、給与の支払いが債務であり、労働という対価が債権となります。労働者からするとその逆で、労働という債務を履行し、給与という債権を得ています。

この債権が消滅する有効期限は、以下の通り定められています。


民法第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき

【出典】「民法」(e-Gov法令検索)


つまり、債権を行使できると知ってから5年間、もしくは債権が発生してから10年間、行使しない場合、債権は消滅します。


口約束による契約を変更・解除するには?

口約束で交わした契約について変更・解除するためには、同じく法律に則った手続きが必要です。

まず、変更については、当事者同士の合意があれば口頭で変更が可能です。続いて、約束事をなかったことにする解除も、当事者同士の合意があれば可能です。また、事前に解除となる条件を定めておき、その条件を満たしたため解除という取り決めをすることも可能です(約定解除)。

しかし、合意がないにも関わらず、一方的に約束をなかったことにするのはできません。場合によっては、相手方から債務不履行や契約不適合責任により解除や損害賠償を請求される可能性があります。


口約束による契約はすべて有効か?

どんな契約も口約束でOKというわけではありません。以下の契約については、口約束では効力を持たず、書面や公正証書などの形で契約締結しなければならないと法律で定められています。


<口約束ではなく、書面で締結しなければならい主な契約>

  • 保証契約
  • 定期建物賃貸借契約
  • 事業用定期借地権設定契約
  • 定期借地権設定契約
  • 取壊し予定の建物の賃貸借契約
  • 農地の賃貸借契約
  • 割賦販売法に定める指定商品ついての月賦販売契約
  • 建設工事の請負契約


自らが締結する契約について、どのような書面が求められるのかは事前に確認しておきましょう。


電話での口約束にも法的な効力はある?

口約束の法的効力に、対面・電話上は関係ありません。そのため、電話で交わした口約束についても、法的効力は発生します。証拠として残しておくために、電話を録音しておくことも有効です。



口約束以外の契約方法でリスクヘッジしましょう

今回は、口約束での契約についてポイントごとに説明しました。口約束ではトラブルが起こりがちなため、証拠として残る形での合意形成が重要です。しかし、紙での合意形成は手間がかかる上、紛失・盗難・遺失なども起こってしまいます。そういったことから、スピーディーな契約締結ができる電子契約がおすすめです。

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