誓約書の法的効力とは?誓約書の基礎知識と書き方、作成時の注意点


目次[非表示]

  1. 1.誓約書の効力に関する基礎知識
    1. 1.1.誓約書に法的効力はある?
    2. 1.2.誓約書が使用される主な場面
    3. 1.3.誓約書と他の書類の違い
  2. 2.誓約書の書き方
    1. 2.1.表題・提出先の氏名(名称)や日付を記載する
    2. 2.2.誓約の内容を箇条書きに記載する
    3. 2.3.作成者が署名押印を行う
  3. 3.誓約書に効力を持たせるため注意すべきポイント
    1. 3.1.内容が不明確でないか
    2. 3.2.公序良俗に違反していないか
    3. 3.3.強行規定に反する内容でないか
    4. 3.4.未成年により作成されていないか
  4. 4.誓約書は適切な書き方で効力を持たせることが大切!


誓約書の法的効力とは?誓約書の基礎知識と書き方、作成時の注意点


ビジネスシーンで相手に約束事を守ってもらう必要があるケースでは、「誓約書」を作成します。「契約書」とは異なり、一方に約束を守る義務がある場合に用いられる書類です。トラブルを避けるためにも、役割が似ている書類との違いを押さえて、適切な場面で誓約書を活用しましょう。

本記事では、誓約書に関する基礎知識を解説します。誓約書の法的効力の有無や、書き方や作成時の注意点までお伝えしますので、企業のご担当者様はぜひ情報を参考にしてみてください。​​​​​​​


誓約書の効力に関する基礎知識

誓約書とは、個人・法人に対して守るべき約束事を明文化する役割がある書類です。作成した誓約書には一定の法的効力があることを押さえておきましょう。まずは、誓約書の効力に関する基礎知識からお伝えします。


誓約書に法的効力はある?

誓約書は主に当事者の一方のみが義務を負う場面で用いられ、一定の法的効力を持つ書類です。誓約書に署名押印した側は、法的に内容を守る義務があります。万が一、誓約書に署名押印した側が内容に違反した場合は、損害賠償責任を負う可能性があるほか、裁判の証拠として誓約書を提出される可能性があります。ただし、誓約書の内容によっては法的効力が無効となる可能性も考えられるため、後の見出しで解説する適切な作成方法についても併せてご確認ください。


誓約書が使用される主な場面

入社時・退職時の誓約書

従業員が会社へ入社するときや、退職するときに誓約書を作成する場合があります。一般的に、入社時は就業規則や服務規律に関する誓約書、退職時は競業避止義務に関する誓約書を作成するケースが多くなっています。


秘密保持誓約書

企業が新たに取引を開始するときなどに、取引先に対して秘密保持誓約書を作成する場合があります。具体的に秘密情報に該当するのは、商品の製造方法や取引価格などです。秘密保持誓約書にはこれらの重要な情報が社外に漏れることを防ぐ意味合いがあります。


支払誓約書

金銭の支払いを強力に促す必要がある場面では、支払誓約書が用いられます。例えば該当するのは、横領で従業員が会社の損失を弁償する必要があるケースなどです。書類には支払金額や支払期日など金銭を確実に回収するために必要な情報が記載されます。


婚姻中に夫婦間で交わす誓約書

誓約書はビジネスシーン以外でも用いられます。個人間では、婚姻中に夫婦間で交わす誓約書がその一例です。「暴力や不貞行為があった場合に慰謝料を支払う」といった形で、夫婦間で話し合い取り決めた内容を書面に残します。


誓約書と他の書類の違い

契約書との違い

契約書は、複数名の当事者の双方が義務を負う場面で用いられます。そのため、書類を作成する際は当事者全員が署名押印を行います。


宣誓書との違い

宣誓書は、多数の人へ向けて規範を遵守して行動することを宣誓する場面で用いられる書類です。一般的に、国家公務員として働くときに作成します。


念書との違い

念書は、誓約書と同様に当事者の一方のみが義務を負う場面で用いられます。呼び方は異なりますが、誓約書と同様の場面で用いられる書類です。


覚書との違い

覚書は、当事者間での合意内容を記録しておき、証拠として残しておくための文書です。主に契約書を補完する際に用いられ、具体的な権利や義務、違反時の罰則などを明記しており、当事者の双方が署名押印していれば、契約書の一部として、同様の強い法的拘束力を持つと解釈されます。




誓約書の書き方

誓約書は法的に形式が定められていないものの、一般的には以下のような記載方法が採用されています。ここでは、誓約書の書き方について解説します。


表題・提出先の氏名(名称)や日付を記載する

文書の表題として「誓約書」などと記載し、提出先の氏名や企業名、作成日などを記載します。表題は、具体的な文書の内容を示す「秘密保持誓約書」「支払誓約書」といった形にしても良いでしょう。


誓約の内容を箇条書きに記載する

「私は以下の項目を遵守することを誓約いたします」と記載した後で、誓約の内容を箇条書きで記載します。なお、誓約の内容が一つのみの場合は、箇条書きにせず「私は〇〇することを誓約いたします」と記載しても問題ありません。


作成者が署名押印を行う

作成者の住所・氏名と署名した日付を記入し、押印を行います。法的効力の観点から、署名は作成者が手書きで行うのが望ましいでしょう。その際、署名した日付の記載も忘れずに行うことが大切です。



誓約書に効力を持たせるため注意すべきポイント

前述した通り、誓約書には一定の法的効力がありますが、書類を作成する際は無効にならないよう適切な書き方で記載することが重要です。最後に、誓約書に効力を持たせるための注意すべきポイントについてご紹介します。


内容が不明確でないか

誓約書に記載する誓約内容は、誤解が生じないように明確に記載することが重要です。誓約内容を記載するときは、5W1Hと呼ばれる方法で内容を整理し、「誰が(Who)・どこで(Where)・いつまでに(When)・何を(What)・どのような目的で(Why)・どのような方法で(How)」を意識して書きましょう。誰が誓約書の内容を読んでも、具体的に理解できるような書き方をするのがポイントです。


公序良俗に違反していないか

そもそも公序良俗という言葉は、「公の秩序(=社会の秩序や一般的利益)」と「善良の風俗(=社会の一般的な道徳)」を指します。民法第90条においては、公序良俗に違反する法律行為は無効になると定められています。例えば、当事者に著しく不利益となる誓約書などは、公序良俗違反と見なされて無効となる可能性があるため注意が必要です。


第五章 法律行為

第一節 総則

(公序良俗)

第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

【引用】民法(e-Gov法令検索)

https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089


強行規定に反する内容でないか

誓約書の内容が「強行規定(強行法規)」に反している場合は、誓約書が無効となる点に留意しましょう。強行規定とは、法律において強制的に適用される規定のことです。たとえ誓約書の当事者が内容に合意していたとしても、強行規定に反すると見なされると、誓約書が無効とされる可能性があります。例えば、労働基準法第13条には以下のような強行規定があります。


第二章 労働契約

(この法律違反の契約)

第十三条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。

【引用】労働基準法(e-Gov法令検索)

https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049


未成年により作成されていないか

民法第5条では、未成年者が法律行為をする場合、法定代理人の同意が必須であるとされています。そのため、誓約書の当事者が未成年でないか事前に確認する必要があります。万が一、法定代理人の同意がない場合は、作成した誓約書が無効となる可能性があるため注意しておきましょう。


(未成年者の法律行為)

第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

【出典】民法(e-Gov法令検索)

https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089



誓約書は適切な書き方で効力を持たせることが大切!

ここまで、誓約書の基礎知識から書き方まで解説しました。誓約書は一定の法的効力がある書類ですが、作成する際は適切な書き方をする必要があります。ご紹介した書き方や注意点を参考にしてみてください。

近年のビジネスシーンでは、業務上で作成するあらゆる書類の電子化が進んでおり、誓約書の電子化にも注目が集まっている状況です。紙の書類を電子化すると、業務効率化や印刷・郵送で発生するコストの削減が期待できます。現状のオペレーションを見直し、電子書類への移行を検討してはいかがでしょうか。

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