NDA(秘密保持契約書)とは?必要な理由と記載項目、締結までの流れ
目次[非表示]
- 1.NDA(秘密保持契約書)の基礎知識
- 1.1.NDA(秘密保持契約書)とは?
- 1.2.NDAが必要な理由
- 1.3.NDAを締結するタイミング
- 2.NDAの主な記載項目
- 2.1.目的
- 2.2.定義
- 2.3.秘密保持義務
- 2.4.目的外使用の禁止
- 2.5.秘密情報の複製の取り扱い
- 2.6.確認事項
- 2.7.秘密情報の返還・破棄
- 2.8.損害賠償義務
- 2.9.差止め
- 2.10.有効期間
- 2.11.紛争の解決
- 3.NDAを締結するまでの流れ
- 3.1.Step1. 契約内容の協議
- 3.2.Step2. ドラフト(草案)の作成
- 3.3.Step3. ドラフトの内容確認・修正
- 3.4.Step4. 秘密保持契約書原本の作成・締結
- 4.NDAを締結する際は電子契約がおすすめ
企業の持つ重要な技術や個人情報など、秘密情報を守りたいときに締結するのが「NDA(秘密保持契約書)」です。NDAを取り交わすことで、情報の不正利用や流出などを防止しやすくなります。抜け漏れのないように項目を定めて契約書を作ることが大切です。紙の書類で作成することもできますが、電子契約も可能なため、必要に応じて検討しましょう。この記事では、NDAの意味や必要な理由、記載しておきたい主な項目、締結までの手順などをご紹介します。
NDA(秘密保持契約書)の基礎知識
NDAは企業の利益を守るために欠かせない存在です。契約の特徴や重視される理由、締結するタイミングなどについて確かめておきましょう。
NDA(秘密保持契約書)とは?
NDA(秘密保持契約書)とは、ビジネス上の取引において開示される秘密情報を守るための契約です。「Non-Disclosure Agreement」の頭文字をとって「NDA」と呼ばれます。事業計画や融資情報、研究開発情報、給与情報、取引先情報など、幅広い情報が秘密保持の対象となります。
秘密情報を保護したい場合、契約書の一部に「秘密保持条項」を設けるケースもありますが、簡略化された内容になることもあります。複雑な内容の場合や、他の契約と期間を別にしたい場合などは、別途で秘密保持契約書を作成します。
NDAが必要な理由
NDAを結ぶことで、契約違反が起こった際に損害賠償請求や差止め請求などの権利を行使できるようになります。これにより、重要な秘密情報の流出や、不正利用を防ぎやすくなります。
情報の開示者側は、自社の競争力向上につながる秘密を守りやすくなることがメリットです。受領者側にとっては、保護すべき情報が明示されて責任の範囲が明確になるため、トラブル防止につなげやすいという側面があります。
NDAを締結するタイミング
秘密保持契約は、商談や共同研究、資本提携など、さまざまな場面で交わされます。また、企業間のみではなく、従業員の雇用・退職・異動などの際に契約を行うケースもあります。
情報漏洩などのリスクを防ぐためには、秘密情報の開示前にNDAを締結するのが望ましいといわれています。たとえ信頼できる相手との取引でも、秘密情報を扱うのであれば事前にNDAを締結しておくことが大切です。
NDAの主な記載項目
NDAの書面の書き方に決まりはありませんが、最低限必要な条項を記すことが求められます。基本的な記載項目をチェックしておきましょう。
目的
NDAを結び、情報開示する目的を記載します。本来の用途以外で情報が使われるのを防ぐために、目的を明確にしておくことが重要です。
定義
契約に際して、どのような情報が秘密情報に該当するのかを定義します。また、秘密情報には当たらない例外についても定めて記載しておきます。
秘密保持義務
NDAにおいてもっとも重要といえる項目です。秘密情報を開示して良い人物や、取り扱いなどについて記載します。秘密情報を正しく管理するために必要な事項を決めて盛り込みましょう。
目的外使用の禁止
NDAを締結する際に不可欠となる条項です。目的外の使用を禁止する条文を明記し、悪用を防ぎます。
秘密情報の複製の取り扱い
秘密情報の複製物や複写物を許可するか、認めるのであればどのような範囲まで複製可能かといった内容を明示します。複製物を作る場合の規定や管理方法などについても記載しておきます。
確認事項
契約において曖昧になりそうな部分があれば、確認事項として記載しておくことがあります。例えば、「情報開示前に生じた利益は開示者側に帰属すること」「情報の正確性にまでは責任を負わないこと」などを明記したい場合、まとめてこの条項に記載すると良いでしょう。
秘密情報の返還・破棄
情報の受領者に対して、秘密情報の返還・破棄を求める条件や、廃棄する方法などを記載します。「取引終了時に破棄する」「開示側から要求があった際に返還する」といったように条件を設定しておきます。
損害賠償義務
契約違反が起こった場合の損害賠償義務について記載しておきます。別途、具体的な違約金についての条項を作る場合もあります。
差止め
契約に違反があった場合や、違反のおそれがある場合などに備えて設定する項目です。情報の差止め請求をできるようにしておくと、すみやかに秘密情報の利用を止められます。
有効期間
秘密保持契約をいつまで継続するかを定めておきます。期間満了後も、通知がなければ自動更新を行うパターンもあります。取引内容に応じて適切な期間を設定しましょう。
紛争の解決
紛争になった際は裁判手続きにおいて解決することが基本となります。契約書に第一審の専属的合意管轄裁判所を記載しておくのが一般的です。
NDAを締結するまでの流れ
NDAを結ぶまでには、どのような手順が必要になるのでしょうか。ここでは、NDA締結までの基本的なステップをご紹介します。
Step1. 契約内容の協議
秘密保持契約の内容について双方ですり合わせていきます。秘密情報に何を含めるか、情報管理はどのように行うかなど、細かく決めていきましょう。
Step2. ドラフト(草案)の作成
一般的には秘密情報の開示者側が契約書を作成します。テンプレートがある場合は活用しましょう。ただし、テンプレートをそのまま使うと契約に必要な内容を盛り込めないことがあります。契約内容に合わせて調整し、適切な契約書に仕上げましょう。
Step3. ドラフトの内容確認・修正
ドラフトが完成したら当事者間でチェックを行い、必要に応じて修正していきます。協議の内容は反映されているか、追加項目は必要ないかなど、丁寧に話し合って確認しましょう。
Step4. 秘密保持契約書原本の作成・締結
双方の合意を得ることができたら契約書を作成します。原本は自社の分だけではなく相手方の分も作成しましょう。最終確認が済んだら、署名捺印を行って契約を締結します。原本はそれぞれで保管しておきましょう。
NDAを締結する際は電子契約がおすすめ
大事な情報を守り、損害のリスクを減らすためには、NDA(秘密保持契約書)を結ぶことが大切です。ただ、NDAの作成や管理を書類で行う場合、双方のやり取りや保管の手間が増えてしまいがちです。その場合、紙の契約書ではなく、電子契約にすることでよりスピーディーに契約締結まで進められるでしょう。
電子契約であれば、すべての作業をWeb上で完結させることも可能です。郵送の手間がかからず、印刷や切手代などの費用をカットできます。紙の書類のように保管スペースが必要なく、検索してすぐに目当ての契約書を見つけられる点もメリットです。
電子契約の方法にはいくつかの種類がありますが、専用のシステムを利用するのがおすすめです。操作が簡単で契約書を作りやすくなるのはもちろん、改ざん防止機能などが備わったサービスも多く見られます。
便利な電子契約システムをお探しなら、ぜひ電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」をご検討ください。各種法律に則した電子契約の締結や管理など、多岐にわたる機能を搭載しています。導入前後のサポートも充実しているため、システムの利用が初めての場合も安心です。サービスについて気になる方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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