電子契約の認証局とは?3つの重要な役割と電子証明書にかかる費用
目次[非表示]
- 1.電子契約と認証局の関係性について
- 2.認証局の種類
- 3.認証局が担う重要な役割
- 3.1.当事者型署名での電子証明書発行
- 3.2.電子証明書の失効と情報公開
- 3.3.リポジトリでの情報管理
- 4.認証局で電子証明書発行にかかる費用
- 5.電子証明書の取得が簡単な電子契約サービス
- 6.まとめ
電子契約における認証局は、電子署名の本人性を担保する重要な役割を担っている機関です。
信頼性の高い電子契約を実現したい場合、認証局から発行される電子証明書が不可欠であるため、メリットを理解しておくことが重要です。
この記事では、電子契約の認証局や電子証明書の役割について詳しく解説します。
電子契約と認証局の関係性について
電子契約は、電子文書にデジタル形式の署名を付与し、オンライン上で契約を締結することを意味します。
認証局は、契約当事者と利害関係のない第三者機関です。電子証明書を発行し、電子文書の信頼性を高める役割を担っています。
電子証明書は、書面での契約における印鑑証明書に相当し、電子署名に対して法的効力を持たせるものです。
法的効力を持った信頼性の高い電子契約を実現するにあたって、認証局は非常に重要な存在となっています。
認証局の種類
認証局には、運営元が異なるパブリック認証局とプライベート認証局があります。ここでは、それぞれの特徴の違いを詳しく紹介します。
パブリック認証局
パブリック認証局は、公的に電子署名が正当なものであることを証明する機関で、法務省が運営している認証局と、民間企業が運営している認証局があります。
利用料金が発生しますが、プライベート認証局よりも高度なセキュリティ性と非改ざん性が高い電子証明書を提供しています。
企業や行政機関で信頼性の高い電子データのやりとりをしたい場合に、パブリック認証局が発行した電子証明書の利用が推奨されます。
また、ウェブ上で電子証明書が付加されたデータを閲覧する場合、ほとんどのブラウザはパブリック認証局が発行した電子証明書に対応しているため、閲覧がスムーズです。
プライベート認証局
プライベート認証局とは、個人や民間企業が独自に設立した認証局にあたります。
パブリック認証局とは異なり、電子署名の正当性を公に示すことはできませんが、利用料金がかからず、設定の自由度が高い点がメリットです。
社内ネットワークでの閉鎖的なやりとりにおいて、通信相手が明確な場合には、独自にプライベート認証局を設立し、電子証明書を発行するケースがあります。
認証局が担う重要な役割
電子証明書の発行をはじめとする、認証局が担うさまざまな役割を紹介します。
当事者型署名での電子証明書発行
電子契約には、契約当事者が電子署名を付与する当事者型署名と、契約当事者とは異なる第三者が署名する立会人型署名という2種類のタイプがあります。
当事者型署名を行う場合、契約当事者が認証局で電子証明書を発行します。一方で、立会人型署名の場合、第三者のサービス事業者が電子証明書を取得しており、契約当事者での発行申請は不要です。
そのため、より本人真正と署名者権限の特定ができる電子契約を締結したい場合には、当事者型署名を選び、認証局から本人名義での電子証明書を発行してもらう必要があります。
>電子契約における立会人型と当事者型とは?それぞれのメリットとデメリットを紹介
電子証明書の失効と情報公開
認証局は、セキュリティリスクが高まった電子証明書を失効させる役割も担っています。
例えば、電子証明書の秘密鍵を紛失したり、所有者情報の変更があったりした場合、認証局に失効依頼が届きます。失効依頼を受け取った認証局は、その電子証明書を失効させ、証明書失効リストに追記するという仕組みです。
証明書失効リストは、利用者が確認できるようになっているため、電子契約のセキュリティリスクを抑える役割を果たします。
リポジトリでの情報管理
認証局におけるリポジトリは、情報管理の重要な側面を担っています。
リポジトリは、電子証明書や関連する情報を安全かつ効率的に管理するためのデータベースやストレージシステムです。
発行された電子証明書をリポジトリで一元的に保存することで、追跡や参照が容易になります。また、電子証明書の更新や失効に関する情報もリポジトリに記録されます。
リポジトリの存在によって、所有者やクライアント情報の管理、厳格なアクセス制限、トレーサビリティなどを実現し、法的要件やコンプライアンス要求を満たしています。
認証局で電子証明書発行にかかる費用
認証局で電子証明証を発行する際、認証局によって利用料金は大きく異なります。
例えば、商業登記に基づく電子認証制度の電子契約の場合、法務省では3ヵ月〜27ヵ月の認証期間を設けており、以下の手数料で案内しています。
認証期間 |
手数料 |
---|---|
3ヵ月 |
1,300円 |
6ヵ月 |
2,300円 |
9ヵ月 |
3,300円 |
12ヵ月 |
4,300円 |
15ヵ月 |
5,300円 |
18ヵ月 |
6,300円 |
21ヵ月 |
7,300円 |
24ヵ月 |
8,300円 |
27ヵ月 |
9,300円 |
認証局によっては、証明書を複数発行する際に、多少割安な費用で発行できるケースもあります。
電子証明書の取得が簡単な電子契約サービス
電子署名に法的効力を持たせたい場合、申込書と電子データの作成を行い、認証局で電子証明書の発行申請をする必要があります。
電子証明書の発行申請を省略したい場合、電子契約サービスの利用がおすすめです。
電子契約サービスでは、当事者型署名と立会人型署名のいずれか、または両方に対応しており、立会人型署名では、発行申請が不要、当事者型署名も電子契約サービスのシステム内で申請が可能です。
電子署名法に準拠した電子契約で、信頼性の高い契約締結を実現したい場合には、電子契約サービスの利用を検討しましょう。
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まとめ
この記事では、電子契約の認証局について以下の内容で解説しました。
- 認証局の種類と特徴
- 認証局が担う重要な役割
- 認証局で電子証明書発行に必要な費用
電子契約で法的効力を持たせた電子署名を付与したい場合、認証局の電子証明書が必要です。
認証局は、電子証明書の発行で電子文書の本人性や非改ざん性を担保し、信頼性の高い電子契約をサポートしています。
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