経費削減のアイデア集|具体的な取り組み例と実現のポイント
目次[非表示]
- 1.経費削減の基礎知識
- 1.1.そもそも企業で行う経費削減とは?
- 1.2.経費削減の必要性
- 1.3.企業が削減できる経費の主な種類
- 2.経費削減のアイデア①【オペレーションコスト】
- 2.1.採用方法を見直す
- 2.2.働き方改革を行う
- 2.3.契約社員やパートタイム、アウトソーシングなどを活用する
- 2.4.人員の再配置を行う
- 2.5.給与体系を見直す
- 2.6.接待費や交際費を見直す
- 2.7.業務のマニュアル化を行う
- 2.8.社内業務のシステム化を図る
- 2.9.離職の防止策を検討する
- 2.10.法人カードを導入する
- 3.経費削減のアイデア②【オフィスコスト】
- 3.1.リモートワークを導入する
- 3.2.広告費を見直す
- 3.3.消耗品を節約する
- 3.4.車両のガソリン代を削減する
- 3.5.ペーパーレス化を進める
- 3.6.郵送代を削減する
- 3.7.電話・FAXを見直す
- 3.8.金融機関を変更する
- 3.9.補助金を申請する
- 3.10.出張費を削減する
- 3.11.オフィスや店舗の移転・統廃合・閉鎖を検討する
- 3.12.賃料を交渉する
- 4.経費削減のアイデア③【エネルギーコスト】
- 4.1.電力やガスのインフラ契約プランを見直す
- 4.2.節電・節水を実施する
- 5.経費削減アイデアを検討する際のポイント
- 5.1.目標を設定する
- 5.2.経費削減する対象を定める
- 5.3.施策の優先順位を付ける
- 5.4.PDCAサイクルを回す
- 6.経費削減の第一歩は紙の電子化から
企業において業務効率を見直し、無駄を省いて利益を最大化することは重要です。経費削減は様々な部分で実施できるため、常に自社の業務の中で、改善できる部分を探し、日々取り組んでいくことが大切といえるでしょう。
そこで本記事では、経費削減に有効なアイデアを紹介していきます。コスト削減や業務の見直しを通して、経費削減だけでなく生産性の向上や働き方の改善に繋がるケースもありますので、ぜひ参考にしてください。
経費削減の基礎知識
そもそも企業で行う経費削減とは?
企業における経費削減とは、社内業務を見直し無駄な経費の支出を減らす一連のプロセスを意味します。企業経営には様々なコストが掛かりますが、無駄な支出を減らすことで生産性と収益性を向上させることを目的としています。
経費削減の必要性
企業において経費削減は利益の向上につながるだけでなく、経常的に発生する支出を抑えることにもつながるため、会社の経営を安定させるために非常に重要です。そのためには、自社でどのような経費が発生するかを把握する必要があります。
企業が削減できる経費の主な種類
オペレーションコスト
オペレーションコストとは人件費や物流費などの経費のことです。人件費は残業代を含む給与や賞与、各種手当などがあります。また物流費には配送費や梱包費などがあり、倉庫の賃貸料等もオペレーションコストに含まれます。
オフィスコスト
オフィスコストとは施設運営費とも呼ばれ、オフィスの賃貸料やPCなどのOA機器、印刷代、通信費、社用車のリース料などが含まれます。
エネルギーコスト
エネルギーコストとはオフィスで使用する電気代・水道代・ガス代などの光熱費や、工場での生産に必要な重油などのエネルギーにかかる費用のことです。特に会社での作業に必要な照明代やOA機器、PCなどに使う電気使用料は、経費削減を考える上で欠かせないコストです。
経費削減のアイデア①【オペレーションコスト】
まずはオペレーションコストを軽減するための経費削減のアイデアをご紹介していきましょう。
採用方法を見直す
近年はどの業界も人手不足で人材の採用コストが上がっています。求人サイトは掲載するのに数十万円〜百万円単位のコストがかかるため、従業員の友人や知人などを紹介する「リファラル採用」が業界を問わずにおすすめです。
働き方改革を行う
労働者が出社時間、退社時間を選択できる「フレックスタイム制度」を導入することで残業代などの人件費を削減できます。フレックスタイム制度には仕事をする時間を選べる「フレキシブルタイム」と必ず労働している必要がある「コアタイム」という2つの時間帯がありますので、業務内容によってそれぞれの時間帯を設定します。これにより、無駄な労働時間や残業を減らすことが期待できます。
契約社員やパートタイム、アウトソーシングなどを活用する
繁忙期や閑散期に合わせて短期で働ける人材を雇用することで人件費を抑えることが期待できます。また人材派遣などのアウトソーシングを活用すれば、固定費を変動費に変更することができ、より柔軟に人件費を調整できます。
人員の再配置を行う
余裕のある部署から人手の足りない部署に従業員を異動することで、新たに雇用する必要が無くなります。また各分野に特化した人材を配置することで、業務の効率化を図ることができます。
給与体系を見直す
従業員の給与体系を見直すことで経費を削減しつつ、結果を出している従業員のモチベーションの向上が期待できます。給与体系は経営の根幹ともいえる重要な要素ですので、現状と将来の方向性を考えつつ、慎重に決めていきましょう。
接待費や交際費を見直す
不要な接待を行わないためにも、接待費の見直しがおすすめです。とはいえ、顧客や取引先との大事な場ではあるため、社内規定を確認し必要最低限の範囲におさめましょう。
業務のマニュアル化を行う
業務の手順などをマニュアル化することで、無駄な動きを減らして効率よく業務を行えます。ミスや問題が生まれたとしても、マニュアルがあればすぐに対処することも可能です。また、マニュアル化で業務の効率が向上すると、残業時間の減少や繁忙期の人件費削減、新人の育成期間短縮などの効果が期待できます。
社内業務のシステム化を図る
社内業務をシステム化することで業務時間の短縮や経費の削減を行えます。稟議書や申請書など電子化することで、ペーパーレス化になり印刷代の削減ができるでしょう。また、電子化によるリモートワークの導入で、交通費などの削減も期待でき、書類の送付にかかるコストや提出にかかる時間の軽減に役立ちます。
離職の防止策を検討する
離職者が出ると、採用コストや新入社員を雇用した後の育成など様々なコストが発生します。離職者の発生を防ぐことで、従業員に欠員が出た際の新規・中途採用の掲載費や面接等にかかる時間の削減が可能です。また、離職率が下がることで車内に技術や知見が溜まり、結果として倒産リスクの回避につながります。離職者を出さないためにも、従業員が働きやすい環境づくりが大切です。
法人カードを導入する
法人カードを導入することで出張費や接待費、取引先への支払いなど支払い関連の一本化ができます。これにより、従業員の立替が不要になり、従業員と経理担当の負担を大幅に減少できます。また法人カードは追加発行ができるので、必要に応じて従業員に渡すことができます。
経費削減のアイデア②【オフィスコスト】
続いて、会社内のシステムや備品などに関係する経費であるオフィスコストの経費削減のアイデアを紹介していきましょう。
リモートワークを導入する
リモートワークを導入することで、従業員の出社回数を減らせます。これにより従業員の交通費を削減できます。また出社する人数が減ることで、オフィスを縮小することができ、結果として賃貸料や光熱費の削減につながるでしょう。
広告費を見直す
広告の必要性を見直し、消費者の反響などを数値化することで広告の媒体や手法が合っているか分析しましょう。広告費に対して効果が見合わない場合は、媒体などを見直す必要があります。
消耗品を節約する
ボールペンやコピー用紙、ホッチキスの針など低価格なものをまとめて一括で購入することで、年単位で見れば大きな経費削減になります。また従業員一人ひとりが「不要なカラー印刷はモノクロ印刷にする」「ボールペンのインクは最後まで使う」など、消耗品の節約を意識することでより効果を期待できます。
車両のガソリン代を削減する
ガソリン代の削減にはハイブリッド車や電気自動車のような低燃費の車両がおすすめです。従業員に長時間のアイドリングや急発進や急ブレーキをしないように周知させることでガソリンの減りを抑えることが期待できます。
思い切って社用車を廃止するというのも一つの方法です。社用車の保有には駐車場代や自動車税、保険などのコストがかかります。社用車を頻繁に使わない場合は、タクシーや電車・バスなどの公共交通機関を使うことで経費の削減につながります。
ペーパーレス化を進める
決済の電子化や見積書・請求書などの書類をペーパーレス化することで、コピー用紙代やインク代を削減することができます。また、プリンターや複合機などの購入代金・リース料金や、インク・トナー代なども節約できるので、大きな経費節減効果が見込めます。
郵送代を削減する
紙の書類や資料の郵送に代えて、メールやチャットツール、クラウドサービスを利用することで、印刷代・郵送代・封入封緘の手間などを省く事ができます。近年は郵送代が年々上昇しているので、値上げのタイミングで廃止することを検討してみましょう。
電話・FAXを見直す
電話やFAXの通信費は積み重なるとかなりの金額になります。電話やFAXそのものをなくすことは難しいので、コストを下げる方法としてIP電話・格安SIMの導入やデジタルFAXに切り替えることをおすすめします。
金融機関を変更する
金融機関の変更を検討することで、取引先へ毎月発生する振込手数料を削減できます。また取引先が金融機関の指定をしている場合は、より安価に振り込みができないか金融機関に確認するのもおすすめです。
補助金を申請する
中小企業やベンチャー企業に対して国や自治体から補助金が出る場合があります。IT機器の導入や商品の宣伝・広告に対する補助金を活用することで、人件費の削減や売上の向上などに繋げることもできます。
出張費を削減する
出張費の削減には早割や回数券の利用が効果的です。また、Web会議を利用することで現地に向かう必要が無くなり、新幹線などの交通費や宿泊費、往復の移動時間を省くことができます。
オフィスや店舗の移転・統廃合・閉鎖を検討する
オフィスや店舗の安価な賃貸の場所に移転することでコストを削減できます。複数のオフィスや店舗がある場合は統廃合を検討するのもおすすめです。
在宅ワークが可能な業務の場合はオフィスや店舗の閉鎖の検討もおすすめです。賃貸料や光熱費、交通費など大幅なコスト削減が見込めます。とはいえ就業規則の見直し、変更やペーパーレス化などに取り組む必要があります。
賃料を交渉する
賃料を交渉することでオフィスコストの削減が期待できます。賃料の交渉にはタイミングが重要です。テナント募集をしている空室の多さや市場価格が低下した時が交渉のチャンスです。また長期の契約を提案することで賃料の値下げを交渉することが期待できます。
経費削減のアイデア③【エネルギーコスト】
続いて、エネルギーコストの削減について紹介します。インフラ契約プランの見直しや従業員の節電への意識が重要になります。
電力やガスのインフラ契約プランを見直す
電力の自由化により利用者はお得な電力会社やプランを選択することが可能になりました。電力やガスの他に電話代や通信費とまとめて契約・乗り換えすることで経費の削減になります。
節電・節水を実施する
従業員一人ひとりが節電・節水を意識するように呼びかけることもコスト削減に繋がります。トイレの大小の使い分けや使わない部屋の電気はこまめに消すなど心がけることが大切です。照明をLEDに変えたり、電力消費量が大きい古いエアコンやOA機器の買い替えや入れ替えを検討したりするのもおすすめです。
経費削減アイデアを検討する際のポイント
最後に、経費削減のアイデアを検討・実施する場合のポイントについて解説していきましょう。
目標を設定する
経費削減を実施する場合、まず削減する金額の目標を設定しましょう。「経費の10%」など具体的な目標を立てることで、削減すべき経費の金額が定まり、方向性が明確になります。
経費削減する対象を定める
目標が決まったら、経費を削減する対象を決定します。経費削減の対象になりやすいのは印刷コストや接待交際費、電気料金の見直しなど、直ちに効果が出やすいもの。ここからまず取り組んでみると良いでしょう。
施策の優先順位を付ける
施策が複数ある場合、全てを一度に実施できないため優先順位をつけていきます。優先順位は経費削減効果の大きいものから順位づけしていくとスムーズです。
PDCAサイクルを回す
経費削減の目標と、どの施策から取り組むかという優先順位づけができたら実際に経費削減に取り組んでいきます。この際、PDCAサイクルを回し、それぞれの施策の効果があったかを検証しながら実施していくと、経費削減のプロジェクトが完了した際にどの施策が効果的であったかを振り返ることができます。
経費削減の第一歩は紙の電子化から
経費削減には様々なアイデアがありますが、全てのアイデアを一気に実現できるわけではありません。そこでおすすめなのが「紙の電子化」です。
電子契約や契約管理を導入することで、契約時に発生する紙の印刷コストをゼロにできるだけでなく、物理的に保管する必要がある契約書の保管スペースも不要になります。契約書の原本を探すための手間も省けるため、経費削減と生産性向上を両立できます。
経費削減に取り組みたいとお考えの場合は、まずNXワンビシアーカイブズが提供する電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」で書類の電子化に取り組んでいきましょう。