API連携の仕組みはどうなっている?メリットやデメリット、活用事例


目次[非表示]

  1. 1.API連携の仕組みに関する基礎知識
    1. 1.1.そもそもAPIとは?
    2. 1.2.API連携とは?
    3. 1.3.API連携の仕組み
    4. 1.4.Web APIとは?
  2. 2.API連携を行うメリット・デメリット
    1. 2.1.API連携の主なメリット
    2. 2.2.API連携の主なデメリット
  3. 3.API連携の主な活用事例
    1. 3.1.社内システム
    2. 3.2.POSレジ
    3. 3.3.SNS
    4. 3.4.ECサイト
    5. 3.5.クラウドサービス
  4. 4.まとめ



APIは、現代のビジネスにおいて重要な役割を果たしており、その仕組みを理解することで業務の効率化やサービスの向上が期待できます。

本記事では、API連携がどのように機能するのか、メリットやデメリット、そして具体的な活用事例について詳しく解説します。API連携の理解を深め、ビジネスの発展にお役立てください。

API連携の仕組みに関する基礎知識

API連携の基本的な仕組みを理解するためには、まずAPIそのものについて知る必要があります。APIが何を意味し、どのように機能するのかを解説します。


そもそもAPIとは?

API(Application Programming Interface)は、異なるソフトウェアやアプリケーションが互いに通信し、機能を共有するためのインターフェースです。APIを利用することで、異なるシステム間でデータをやり取りし、連携させることが可能になります。APIは、他のプログラムやアプリケーションの機能・データにアクセスするためのプロトコルの集合体といえます。例えば、Google Maps APIを利用することで、他のアプリケーションがGoogle Mapsの地図データを利用できるようになります。


API連携とは?

API連携とは、複数のアプリケーションやシステムがAPIを通じてデータや機能を共有し合うことを指します。これにより、システム同士が円滑にコミュニケーションを取り、業務プロセスの効率化や新たな機能の追加が容易になります。例えば、ECサイトと物流システムがAPIを通じて連携することで、注文情報が自動的に物流システムに送信され、スムーズな出荷が可能になります。API連携は、ビジネスプロセスをシームレスに統合して、効率的な運用を実現します。


API連携の仕組み

API連携の基本的な仕組みは、「リクエスト」と「レスポンス」という二つの主要な要素に基づいています。クライアント(利用者側のシステム)はサーバー(提供者側のシステム)に対してリクエストを送信し、サーバーはそのリクエストに対するレスポンスを返します。

例えば、ECサイトでクレジットカード情報を入力すると、その情報がAPIを通じて決済サービスに送信され、承認が得られたらECサイトにその結果が返されます。具体的には、ユーザーが商品を購入する際に、ECサイトは決済APIを利用して、クレジットカード情報を決済サービスプロバイダーに送信します。決済サービスプロバイダーはこのリクエストを受け取り、承認または拒否のレスポンスを返します。この一連のプロセスは、ユーザーの支払い情報が安全に処理され、迅速に確認されることを保証します。


Web APIとは?

Web APIは、インターネットを介して利用されるAPIの一種で、さまざまな形式があります。主に利用されるのは以下の二つです。


・REST API

REST(Representational State Transfer)は、HTTPプロトコルを利用してリソース(データ)を操作するAPIです。シンプルで柔軟性が高く、広く利用されています。REST APIは、リクエストとレスポンスの形式としてJSONやXMLを利用し、URLを通じてリソースを指定します。例えば、X(旧Twitter)のREST APIを利用すると、ユーザーは特定のポストツイートを取得したり、新しいポストツイートを投稿したりすることができます。


・SOAP API

SOAP(Simple Object Access Protocol)は、XMLを利用してメッセージを交換するプロトコルです。厳格な規約に基づいているため、セキュリティやトランザクション管理に優れています。SOAP APIは、企業の内部システムや高度なセキュリティ要件が求められる場合によく使用されます。例えば、金融機関間のデータ交換や大規模な企業システムの統合などに適しています。



API連携を行うメリット・デメリット

API連携には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。それぞれを詳しく見ていきましょう。API連携の利点と課題を理解することで、効果的な活用が可能になります。


API連携の主なメリット

・開発の効率化

APIを利用することで、既存のサービスや機能を活用できるため、ゼロから開発する必要がなくなり、開発時間とコストを大幅に削減できます。例えば、Google Maps APIを利用して地図機能をアプリケーションに組み込むことで、自前で地図機能を開発する手間が省けます。


・データの二次利用が可能

APIを通じてデータを取得し、他のアプリケーションで再利用することが可能です。これにより、データの価値を最大限に引き出すことができます。例えば、顧客情報をCRMシステムとマーケティングツールで共有することで、一貫した顧客体験を提供できます。


・データ連携の円滑化

異なるシステム間でのデータ連携をスムーズに行えるため、業務プロセスの効率化が図れます。例えば、POSレジと在庫管理システムがAPIで連携することで、リアルタイムに在庫状況を把握できます。これにより、在庫不足や過剰在庫のリスクを軽減し、効率的な在庫管理が可能になります。


・ユーザーの利便性の向上

APIを利用することで、ユーザーにとって使いやすいアプリケーションを提供できます。たとえば、SNS連携機能を追加することで、ユーザーは手間なくアカウント登録やログインが可能になります。また、APIを通じて提供される外部サービスを利用することで、アプリケーションの機能を拡張し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。


・セキュリティの向上

API連携を通じてデータのやり取りが行われる場合、セキュリティ対策が施されているため、安全にデータを交換できます。APIを利用することで、データの暗号化や認証プロセスを取り入れることができ、データの不正アクセスを防ぐことができます。


API連携の主なデメリット

・トラブル対処の難しさ

API連携は複雑なため、問題が発生した場合の原因特定や対処が難しくなることがあります。適切な監視とメンテナンスが必要です。例えば、APIのバージョン変更やエンドポイントの変更が行われた場合、それに対応するための迅速な対応が求められます。


・API連携元のサービス提供状況に依存

APIを提供しているサービスの状況に依存するため、提供元のサービスが停止したり変更されたりすると、自社のシステムにも影響を及ぼす可能性があります。例えば、外部の決済サービスが停止した場合、ECサイトでの取引が中断されてしまうリスクがあります。


・リクエスト回数の制限

多くのAPIにはリクエスト回数に制限が設けられており、一定のリクエスト数を超えると追加料金が発生したり、利用が制限されたりすることがあります。例えば、多くの無料プランのAPIにはリクエスト上限が設定されていますが、ビジネスの成長に伴って上限を超える場合には、追加費用が発生する有料プランへの切り替えが必要になることもあります。



API連携の主な活用事例

API連携の具体的な活用事例をいくつか紹介します。これにより、どのような場面でAPIが役立つのかを具体的にイメージできるようになるでしょう。


社内システム

社内の異なるシステム間でのデータ連携や、既存システムに新機能を追加する際にAPIが活用されています。例えば、社内の勤怠管理システムと給与計算システムをAPIで連携させることで、データ入力の手間を削減できます。また、プロジェクト管理ツールとチャットアプリをAPIで連携させることで、プロジェクトの進行状況をリアルタイムで共有することができます。


POSレジ

POSレジと在庫管理システムをAPIで連携させることで、リアルタイムに在庫状況を把握し、適切な在庫管理が可能になります。例えば、店舗での売上データが自動的に在庫管理システムに反映され、在庫の更新がリアルタイムで行われます。これにより、在庫不足や過剰在庫のリスクを軽減し、効率的な在庫管理が実現します。


SNS

SNSのAPIを利用することで、アプリケーションにソーシャルメディア機能を追加したり、ユーザーのアカウント連携を容易にしたりすることができます。例えば、FacebookやX(旧Twitter)のAPIを利用して、アプリケーションから直接投稿を行ったり、ユーザーのソーシャルメディアアカウントを利用してログインしたりすることが可能です。これにより、ユーザーの利便性が向上し、アプリケーションの利用促進が期待できます。


ECサイト

ECサイトでは、決済サービスや物流サービスとのAPI連携が一般的です。これにより、購入手続きや配送状況の確認がスムーズに行えます。例えば、Amazonや楽天のAPIを利用して、商品情報や在庫情報を取得し、リアルタイムでサイトに反映させることができます。また、物流サービスのAPIを利用して、配送ステータスを自動的に更新し、ユーザーに最新の配送情報を提供することも可能です。


クラウドサービス

クラウドサービス間でのデータ連携や機能統合にもAPIが利用されています。例えば、クラウドストレージサービスとプロジェクト管理ツールをAPIで連携させることで、ファイルの管理と共有が効率化されます。また、クラウドベースの顧客管理システムとマーケティングツールをAPIで統合することで、顧客データを一元管理し、効果的なマーケティングキャンペーンを展開することができます。



まとめ

API連携の仕組みやメリット・デメリット、具体的な活用事例について詳しく解説しました。APIを活用することで、業務の効率化やサービスの向上が期待できる一方で、適切な管理とメンテナンスが求められます。

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