契約書の偽造・改ざんにあたる行為と問われる罪、防ぐための対策
目次[非表示]
- 1.契約書を偽造・改ざんしたり、されたりするとどうなる?
- 2.契約書を偽造・改ざんした際に問われる罪
- 2.1.私文書偽造罪
- 2.2.電磁的記録不正作出・供用罪
- 2.3.偽造私文書等行使罪
- 3.契約書の偽造・改ざんにあたる行為
- 3.1.署名や捺印を偽造する
- 3.2.契約書の原本やコピーを書き換える
- 3.3.電子契約書の内容を改ざんする
- 4.契約書の偽造・改ざんを防ぐための予防策
- 4.1.契約書を厳重に保管する
- 4.2.割印や契印を押印する
- 4.3.印影をコピーしづらい印鑑を使用する
- 4.4.改ざん防止機能付きの用紙を使う
- 4.5.電子契約書を活用する
- 5.「WAN-Sign」で契約書を安全に管理
契約書の作成・管理において注意しなければならないのが偽造・改ざんです。偽造とは本物を真似た類似のものを作ること、改ざんとは文書などを勝手に変更することを意味します。契約書が関係のない第三者によって偽造・改ざんされてしまうと、大きなトラブルにつながるおそれもあります。未然に防ぐために有効な防止策を講じることが大切です。こちらの記事では、契約書の偽造・改ざんによって問われる罪や、該当する行為、予防するためのポイントについてご紹介します。
契約書を偽造・改ざんしたり、されたりするとどうなる?
契約書の偽造・改ざんはどのような事態を招くのでしょうか。ここでは、偽造・改ざんした場合とされた場合に起こることを解説します。
契約書を偽造・改ざんするとどうなる?
契約書の偽造や改ざんは犯罪であり、行った場合は処罰の対象になることがあります。罰金刑だけではなく、懲役刑が科されるケースも見られます。特に、信用性の高い契約書を偽造・改ざんすると、罪が重くなる傾向にあるようです。
契約書を偽造・改ざんされるとどうなる?
契約書は重要な書類であり、内容が変わってしまうと大きな損失を招くおそれもあります。偽造・改ざんを見つけたら速やかに対処することが大切です。
ただし、偽造・改ざんされた契約書を無効にするためには確実な証拠を集める必要があります。一般的にそういった場合の立証は難しく、契約書が有効になってしまうケースもあるようです。リスクを避けるためにも、偽造・改ざんを未然に防ぐ取り組みが求められます。
契約書を偽造・改ざんした際に問われる罪
契約書の偽造・改ざんは、具体的にどのような罪に問われるのでしょうか。ここでは、主に適用される罪をご紹介します。
私文書偽造罪
一般的に、文書は作成した主体によって「公文書」と「私文書」に分けられます。国や自治体などが作成した文書は公文書に該当し、それ以外は私文書に含まれます。企業の作成した契約書は私文書です。そのため、契約書の偽造は「私文書偽造罪」に問われることがあります。
また、私文書偽造罪の重さは文書に印鑑・署名があるか否かによっても変わります。文書内に印鑑もしくは署名があるものは信用性が高い文書とみなされ、偽造した場合の刑罰が重くなります。
例えば、印鑑のない契約書を偽造した場合、無印私文書偽造罪で1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科される可能性があります。対して、印鑑の押された「有印私文書」を偽造した場合、3カ月以上5年以下の懲役に処される可能性があります。有印の文書偽造には罰金の定めがありません。
電磁的記録不正作出・供用罪
電子帳簿保存法の改正により、契約書を電子データに切り替えている企業も多いのではないでしょうか。電子契約の偽造・改ざんは、「電磁的記録不正作出・供用罪」に問われるケースがあります。有罪の場合、5年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
偽造私文書等行使罪
偽造・改ざんした契約書を行使すると、「偽造私文書等行使罪」に問われる可能性があります。自分で偽造した契約書を使った場合はもちろん、他人の偽造した契約書を故意に利用した場合にも罪が成立します。刑罰の内容は私文書偽造罪や有印私文書偽造罪などと同じです。
契約書の偽造・改ざんにあたる行為
契約書の偽造・改ざんに該当するのは、主に以下のような行為となります。どのようなものがあるかチェックしていきましょう。
署名や捺印を偽造する
サインや印鑑などを偽造して契約書を作成する行為は「有印私文書偽造罪」とみなされます。他人名義で署名をしたケースや、他社の印鑑を勝手に作成して使ったケースなどが該当します。
契約書の原本やコピーを書き換える
すでに締結された契約書の原本やコピーを書き換えると、「有印私文書変造罪」になる可能性があります。ここで言う「変造」とは、契約書に対して権限を持たない人が、文書の本質的ではない部分を変えてしまうことです。例えば、契約書に記載された金額を改ざんした場合はこのパターンに該当します。本質的な部分を書き換えて文書が完全に別物になった場合は、変造ではなく偽造になると考えられています。
電子契約書の内容を改ざんする
紙の契約書と同様に、電子契約の偽造・改ざんも罪に問われます。従業員や相手企業が無断で内容を書き換えるパターンもありますが、サイバー攻撃によって変更されてしまう可能性もあるでしょう。偽造防止のため、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
契約書の偽造・改ざんを防ぐための予防策
大切な契約書を守るためには、有効な防止策を実施するのがポイントです。どのような対策があるのかを確かめてみましょう。
契約書を厳重に保管する
契約書の偽造・改ざんを防ぐには、書類を簡単に触れられないように保管しておくことがおすすめです。鍵付きの収納ボックスへ入れる、保管専用の部屋を設けるなどの方法で対策しましょう。鍵は特定の従業員のみで管理し、書類を持ち出せる人員を絞り込む対策も大切です。
割印や契印を押印する
複数枚の書類にまたがって印鑑を押す「割印」を行って偽造を防ぐ方法もあります。契約書の場合は原本と写しにまたがるように押印すると良いでしょう。また、契約書が2枚以上ある場合は、ページの綴じ目に「契印」を押すこともおすすめです。契印があれば、複数枚にわたる契約書が一つのものであることを証明しやすくなり、ページの差し替えなども防げます。
印影をコピーしづらい印鑑を使用する
複製しやすい形の印影は、不正にコピーされるリスクを高めてしまう可能性があります。簡単に複製できないものを利用することも偽造防止対策となります。印鑑を作る際、印影の書体は篆書体や印相体にする、機械彫りよりも手彫りにすることなどがおすすめです。
改ざん防止機能付きの用紙を使う
特殊な加工が施された改ざん防止用の紙を使い、契約書を作る方法があります。例えば、コピー機で印刷するとロゴやマークなどが浮かび上がる用紙を使えば、複製を防止しやすくなるでしょう。ただし、こういった用紙は価格が高くなる傾向にあるため、契約書の枚数が多いとそれだけ費用もかさんでしまいます。
電子契約書を活用する
契約書の偽造・改ざんを防止するため、電子契約へ切り替えるのもおすすめの方法です。電子契約では「電子署名」や「タイムスタンプ」などの機能を利用できます。契約書に誰が・いつ合意したのかを記録しておくことができるため、改ざんのリスクを低減できるでしょう。
また、電子データであれば保管場所を取られる心配もなく、紛失の心配も減らせます。必要なときは検索してすぐに見つけられる点も電子化のメリットです。契約書を電子化すれば、業務効率化にもつなげられるでしょう。
「WAN-Sign」で契約書を安全に管理
自社の契約書に対し、悪意を持つ人が偽造・改ざんを行う可能性はゼロではありません。ただ、第三者によって手を加えられた事実を証明するのは難しく、立証できなければ偽造・改ざんされた契約書が有効となってしまう可能性があります。事態を未然に防ぐための取り組みを行うことが大切です。偽造・改ざんを防ぎやすい電子契約を導入する対策も検討してみましょう。
電子契約・契約管理サービスの「WAN-Sign」は、高度なセキュリティ機能を標準搭載しています。偽造・改ざんを未然に防ぐための機能が充実しているのがメリットの一つです。導入に際して気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
⇒高機能で安心・安全な電子契約・契約管理を実現できるWAN-Sign