契約書をAIで作成・レビューできる?可能な業務とメリット・注意点
監修:弁護士 崎地 康文 編集:WAN-Sign運営事務局
(更新日:2026年5月27日)
目次[非表示]
- 1.AIを契約書業務(作成・レビュー等)に活用するための基礎知識
- 1.1.AIは契約書業務に活用できる?
- 1.2.AIで支援できる契約書業務
- 1.3.汎用の生成AIを利用した契約書業務のプロンプト例
- 1.4.契約書など法律文書の作成やレビューができる代表的な汎用の生成AI例
- 1.5.汎用の生成AIと専用のリーガルAIなどの違いや種類
- 2.AIを契約書業務に活用するメリット
- 2.1.業務の効率化につながる
- 2.2.チェック精度を向上させ、リスクを軽減できる
- 2.3.属人化の解消につながる
- 2.4.人件費の削減につながる
- 2.5.契約締結をスピーディーに行える
- 2.6.社内にノウハウを蓄積できる
- 3.AIによる契約書作成・レビューの実証検証と比較
- 3.1.AIによる契約書作成
- 3.2.AIによる契約書レビュー
- 4.AIを契約書業務(レビュー・作成)に活用する際の注意点
- 4.1.AIの利用・開発に関する契約チェックリストの背景
- 4.2.非弁行為で違法となるおそれがある
- 4.3.正確性の確保に限界がある
- 4.4.情報漏えいなど一定のセキュリティリスクがある
- 4.5.責任の所在があいまいになる
- 4.6.AIが対応できる契約書の種類・範囲には限界がある
- 4.7.個別の事情や条件などを考慮した柔軟な対応が難しい
- 4.8.完全な代替は難しい
- 5.まとめ

近年は企業の契約書業務(作成・レビュー等)における汎用的な生成AIや専用のリーガルAIなどのAI活用が進んでいます。AIを活用することで、業務効率化や属人化解消につながり、契約書業務の課題を解決できる可能性があります。その一方で、AI利用の制度的・技術的な課題や個人情報・プライバシーの取扱いを理解して適切に運用することが大切です。
この記事では、AIを契約書業務(作成・レビュー等)に活用するための基礎知識を解説します。法律のルールを守って運用するための注意点もお伝えします。契約書業務のご担当者様はぜひ参考にしてください。
AIを契約書業務(作成・レビュー等)に活用するための基礎知識
初めに、契約書業務でAIを活用するための基礎知識を解説します。まずは業務効率化へ向けたAI活用の方法を確認してみましょう。
AIは契約書業務に活用できる?
AIは契約書業務における幅広い作業に活用できます。定型業務をAIで自動化・効率化することが可能です。近年は汎用的な生成AIではなく、リーガルテックのような専用のリーガルAIを搭載した契約書関連の業務支援サービスも登場しています。ただし、その際は法律のルールに則って適切にAIを利用することが重要です。詳しくは、後の見出しで解説するAI活用の注意点をご確認ください。
AIで支援できる契約書業務
AIによる契約書の作成支援
AIで契約書の草案(ドラフト)を作成し、その後に法務担当者や弁護士などの専門家が確認を行います。草案を一から作成する手間をなくすことが可能です。
AIによる契約書のレビュー・審査支援
AIが契約書の一次的なリスクチェックを実施し、修正箇所の指摘や修正提案を行います。法務担当者や弁護士などの専門家によるリーガルチェックや契約審査の実施前に、一次リスクチェック作業の支援が可能です。
AIによる契約書の保管・管理支援
AI搭載のシステムで社内の契約書を効率的に保管・管理します。AIやAI-OCRが文書を解析することで、分類や情報入力にかかる時間と手間を削減します。
関連記事:AIも搭載したリーガルテックとは?サービスの種類、導入時のポイントなど
汎用の生成AIを利用した契約書業務のプロンプト例
生成AIを利用すると、以下のようなプロンプトで契約書の草案を作成できます。ただし、生成AIで出力した文書はあくまでも草案として扱い、業務で使用する際は必ず事前に法務担当者や弁護士など法律の専門家による監修を受けてください。
以下の条件で売買契約書を作成してください。
|
契約書など法律文書の作成やレビューができる代表的な汎用の生成AI例
・Claude 開発企業:Anthropic(米国)
https://claude.ai/
・Gemini 開発企業:Google(米国)
https://gemini.google.com/
・ChatGPT 開発企業:OpenAI(米国)
https://openai.com/ja-JP/
・PLaMo 開発企業:Preferred Networks(日本)
https://plamo.preferredai.jp/
・Microsoft Copilot(Office系) 開発企業:Microsoft(米国)
https://copilot.microsoft.com/
・Perplexity 開発企業:Perplexity AI(米国)
https://www.perplexity.ai/
・NotebookLM 開発企業:Google(米国)
https://notebooklm.google/
・Grok 開発企業:xAI(米国)
https://grok.com/
・Cohere(コーヒア) 開発企業:Cohere(カナダ)
https://cohere.com/ja
・Notion AI 開発企業:Notion Labs(米国)
https://www.notion.com/ja/product/ai
・Llama 開発企業:Meta AI(米国)
https://ai.meta.com/llama/
・Mistral Large 開発企業:Mistral AI SAS(フランス)
https://mistral.ai/
・DeepSeek 開発企業:杭州深度求索人工知能基礎技術研究有限公司(中国)
https://www.deepseek.com/
汎用の生成AIと専用のリーガルAIなどの違いや種類
AIで一括りになりがちですが、個人ユーザーでも利用ができる汎用的な生成AIと、法律や特定処理に特化させた専用の特化型のリーガルAIなどがあります。
リーガルAI(Legal AI)
汎用の生成AIをベースとしてベンダーによっては弁護士や専門士業が監修をかけており、法務業務や専門士業・法律事務所など法曹業界の業務で利用する前提で設計されています。法律のデータベースを中心として参照できるためノイズレスで精度を上げており、さらに独自のRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)や学習データ隔離、ログ学習など技術的な仕組みも入れて、回答精度の向上や契約書レビュー・契約書作成の処理に特化した仕様でチューニングされている専用の特化型AIとなります。
【参考】「米連邦裁判事の6割にAIツール利用歴、法務特化型が優勢=調査」
調査は米国の連邦破産裁判所や治安判事、地方裁判所、控訴裁判所の判事を対象に調査を実施、判事にChatGPTやAnthropic(アンソロピック)の「Claude(クロード)」など代表的な大規模言語モデルの利用状況に加えて、法律事務に特化して設計されたAIツールの利用についても質問している。それによると、判事は汎用型AIよりも法務特化型AIツールを利用する可能性が高いことも分かり、法律調査や文書チェックなどに利用している 2026年03月31日(Thomson Reuters)
【参考】法務AIソフトウェア(Legal AI)の市場規模は、2025年の31億1,000万米ドルから2030年には108億2,000万米ドルに成長し、予測期間中の年平均成長率CAGRは28.3%になると予測されています。市場を牽引するのは、契約書作成と契約レビューの生成AIや、AIを活用したバーチャル・リーガル・アシスタントの台頭といった主要項目になります。法務業界に変革をもたらしているLegal AIは、法律事務所や企業の法務部門の競争力の維持強化や、変化が激しい規制環境の対応に不可欠なものになりつつあります。「MarketsandMarkets Legal Al Software Market by Offering (Legal Al Platforms, Generative Al Agents, Legal Drafting Tools,Report Generation Tools), Application (Ediscovery, Legal Research & Analytics, Contract Drafting & Review,IP Management) - Global Forecast to 2030 / 法務AIソフトウェア(Legal AI)の世界市場 日本語概要版」
「汎用の生成AI」と「専用のリーガルAI」の違いをまとめた簡易比較表
項目 | 汎用AI | リーガルAI系 |
|---|---|---|
法律知識 | 一般的 | 法令・契約書・判例など法律や法務特化 |
仕組み | 文章生成中心 | 法律DBや独自RAGなど根拠検索+比較 |
監修 | なし | 弁護士が監修・設計 ※サービスによる |
リスク | 法的誤回答の恐れ | 法律用途向けに最大限に安全設計 |
AIサポート | 普通 | 強い(回答だけでなく積極的な対話サポートも有) |
AI-OCR(AI-Optical Character Recognition / Reader:光学文字認識)
汎用の生成AIは、文書や書類の読み取りが不得意な場合があります。特に法律文書や手書き書類などになると、さらにその精度を欠くことになりますが、AI-OCRは文書処理に特化したAIとなります。特にダブルバイトや活字である日本語などは、英文などシングルバイトを中心に設計されている汎用AIでは判断が難しいことがあります。こちらの文化圏の特有部分に対してもAI-OCRは精度を上げて対応ができます。
関連記事:AI-OCRとは?従来OCRとの違いやメリット、サービスの選び方などを解説
現在では、汎用AIが法務や財務などのオフィス業務に対応できるAIエージェントを搭載する動きも見られます。最近ですとAIの軍事利用をめぐって米国政府系や米国防省と摩擦が報じられた、米国アンソロピック(Anthropic)のAIモデルである「Claude(クロード)」が、契約書の精査や法務資料などの業務を自動化できる「Claude CoWork(クロード コワーク)」のプラグインを公開して市場が一時動揺しました。この動向は、法務業務でのAIによる契約書の審査・レビューや契約書作成が効率的でかつ効果的であると示したモデルでもあります。
【参考】米アンソロピック(Anthropic)が契約書の精査や法務資料などの業務を自動化できるとWebサイトで説明。ただ、最終的には-資格を有する弁護士が確認すべきだ-と注意を促している「米アンソロピック(Anthropic)が法務業務の自動化を目的とする新たなツールを発表し株式市場に衝撃」2026年2月4日(Bloomberg)
【参考】「Claude CoWork(クロード コワーク)」のプライグインが強化。法律事務所や法務業務を効率化する「Claude for leagal」が登場。MCPコネクタによりCLM(契約ライフサイクル管理)のDocuSign CLM、Ironclad、Definelyや判例調査のThomson Reuters、Harvey、Midpage等の法務システムと接続利用も可能 2026年5月12日(Claude)
【参考】Microsoft 365は、米国の法律専門家向けにCopilot機能である「Microsoft 365 Copilot: Legal Agent for Word」をFrontierパブリックプレビュー(米国在住テナント)で提供を開始。契約書のレビュー、リスクの特定、条項とプレイブックの比較、Word内での変更履歴付き編集の生成を支援 2025年9月25日(Microsoft)
関連記事:CLMとは?CLMの目的やメリット
AIを契約書業務に活用するメリット
AIを契約書業務のサポートに活用すると、以下のさまざまなメリットが期待できます。契約書業務をさらに効率化・高度化したい場合、AIは強い味方となるでしょう。
業務の効率化につながる
AIを活用して契約書の草案作成や一次的なチェックを実施すると、業務が効率化され担当者の負担軽減が可能です。
チェック精度を向上させ、リスクを軽減できる
法務担当者や弁護士によるリーガルチェックの前にAIによる一次チェックを実施すると、ダブルチェックによる精度向上が期待できます。見落としを防止し契約リスクの軽減につながります。
関連記事:契約書レビューの重要ポイント|流れと注意すべき条項、依頼方法は?
属人化の解消につながる
契約書業務にAIを導入することで、草案作成や契約管理といった業務が標準化され、複数の担当者が担えるようになります。社内の属人化が解消され、特定の担当者に業務負担が集中しにくくなります。
人件費の削減につながる
AIによる支援で煩雑な作業にかかる時間と手間がなくなると、担当者の負担が大幅に軽減されます。繁忙期の時間外労働が抑制されるなど、人件費削減の効果が期待できます。
契約締結をスピーディーに行える
契約書の草案をAIで瞬時に作成できるようになれば、結果として契約締結までのリードタイムが短縮されます。取引先とのスピーディーな連携が可能となり、機会損失を防止できる可能性があります。
社内にノウハウを蓄積できる
AI搭載の業務支援サービスを導入することで、業務プロセスが可視化され社内にノウハウを蓄積できます。担当者の異動・転勤・退職の際にスムーズな引き継ぎが可能となります。
関連記事:リーガルチェックとは?重要な理由と手続きの流れ、確認のポイント
AIによる契約書作成・レビューの実証検証と比較
ここでは実際に同じ条件下で、汎用の生成AIと法律や法務業務に特化した専用のリーガルAIで処理した場合の比較検証を行ってみたいと思います。日々進化するAIですが、法務業務の効率化と、リスクヘッジのための的確な判断基準のために一つの参考値になればと思います。
今回は、汎用AIとして急速にトランザクションやシェアを広げているGoogle Geminiの高性能版であるProで比較していきます。Google Geminiは長文のコンテキストにも対応しており優れた文書処理にも対応している汎用AIになります。
AIによる契約書作成
先ほどの汎用の生成AIを利用した契約書業務のプロンプト例で示した同じ条件で各AIに指示を投げます。
投入プロンプト(指示)
|
汎用の生成AI:Google Gemini Pro3.1 実行日:2026年04月05日
汎用の生成AIでの契約書作成結果「Google Gemini Pro3.1」
売主:株式会社A(以下「甲」という)と、買主:株式会社B(以下「乙」という)は、以下のとおり売買契約(以下「本契約」という)を締結する。 ________________________________________ 第1条(目的) 甲は乙に対し、次条に定める商品(以下「本商品」という)を売り渡し、乙はこれを買い受ける。 第2条(本商品および代金) 本商品およびその売買代金は以下のとおりとする。 第3条(納品および引渡し) 甲は、本契約締結後30日以内に、乙の指定する場所において本商品を納入し、乙の検査に合格したときをもって本商品の引渡しを完了するものとする。 第4条(代金の支払) 乙は甲に対し、前条に定める本商品の納品(引渡し)完了後30日以内に、第2条に定める売買代金を甲の指定する銀行口座に振り込んで支払うものとする。なお、振込手数料は乙の負担とする。 第5条(所有権および危険負担)
第6条(契約不適合責任)
第7条(契約解除)
第8条(協議事項) ________________________________________ 本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名捺印のうえ、各1通を保有する。 |
※実行クライアント環境により結果は異なります。AIで契約書をよく作成している等の場合は出力精度が変動する可能性があります。 ※プロンプト(指示)の組み立て方により結果は異なります。 ※当時の環境(バージョン)での実行結果となります。
Google Geminiでの結果はご覧の通り、プロンプト(指示)に沿った最低限のひな型案が作成されました。
リーガルAI:契約・法務BPaaSの企業法務アウトソーシングサービスALSP「クラウドリーガル」(MOLTON株式会社) 実行日:2026年04月05日
リーガルAIでの契約書作成の結果「クラウドリーガル」
省略 ~ 基本条項(目的物、代金、引渡し等):契約の対象と履行方法を具体的に特定する必要があります。 目的物(第〇条) 引渡し(第〇条) ~
|
※実行クライアント環境により結果は異なります。AIで契約書をよく作成している等の場合は出力精度が変動する可能性があります。 ※プロンプト(指示)の組み立て方により結果は異なります。 ※当時の環境(バージョン)での実行結果となります。 ※Disclaimer:AIによる作成後は契約内容等により弁護士など専門家による最終チェックを推奨します。
一方で弁護士監修・設計のリーガルAIを搭載している契約・法務BPaaSの企業法務アウトソーシングサービスALSP「クラウドリーガル」では、汎用のAIで実行したプロンプト(指示)ではすぐに契約書が作成されることはなく、リーガルAIからリスク視点や不足点・要点の確認に関する対話が返ってきました。
比較検証の結果ポイント
Google Gemini:指示通りの契約書作成の動作でしたが法的根拠や経済条件などが考慮されておらず、事前にプロンプトの組み立てや各種の条件入れ込みが重要となります。プロンプトでの条件が抜けていた場合は、1回の対話からそのまま実行されて一般的な文書作成で完了となります。実業務に耐えられるかが焦点となります。
契約・法務BPaaS「クラウドリーガル」:当指示では、契約書はすぐに作成されず法的な側面や取引・経済条件などの不足情報や要件確認・ヒヤリング等が数回行われました。よりリスクの少ない精緻な契約書作成に向けて動作していることが分かります。リスクヘッジに重点を置き実業務に対応できるように文書作成が進んでいきます。

>>契約書作成から連動させるなら電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」
AIによる契約書レビュー
同じ契約書サンプルを利用して文書レビューを実行します。実行指示は同じですが事前の環境設定などがあるため一部でチェック項目が異なります。
投入プロンプト(指示)
|
AIでレビューにかけるサンプル契約書
秘密保持契約書 [開示者](以下「甲」という)と、[受領者](以下「乙」という)は、[取引名・検討案件](以下「本目的」という)に関して、甲が乙に対して開示する秘密情報の取扱いについて、以下の通り契約(以下「本契約」という)を締結する。 第1条(秘密情報) 本契約において「秘密情報」とは、本目的のために、甲が乙に対し、秘密である旨を明示して、書面、電子データ、口頭その他方法の如何を問わず開示する技術上、営業上その他業務上の情報をいう。ただし、開示された際に既に公知であった情報、開示された後に乙の責によらず公知となった情報、乙が秘密保持義務を負うことなく第三者から正当に入手した情報は秘密情報から除外する。 第2条(秘密保持義務) 乙は、秘密情報を厳重に管理し、本目的以外の目的に利用してはならず、第三者に開示または漏洩してはならない。ただし、弁護士、公認会計士等、法律上秘密保持義務を負う専門家、または本目的のために合理的に必要な範囲の自己の従業員に対し開示する場合を除く。 第3条(目的外利用の禁止) 乙は、本目的の検討および実施に必要な範囲内でのみ秘密情報を利用するものとし、甲の事前の書面による承諾なく、本目的以外の目的(自己または第三者の利益目的等)のために秘密情報を利用してはならない。 第4条(情報の返還・廃棄) 乙は、甲から要求があった場合、または本契約が終了した場合には、甲から提供された秘密情報(複製物を含む)を、甲の指示に従い、直ちに返還または廃棄(破棄)するものとする。 第5条(損害賠償) 乙が本契約の各条項に違反し、甲に損害を与えた場合、乙は甲に対し、その損害を賠償しなければならない。 第6条(秘密保持期間) 本契約の有効期間は、[締結日]から[1年]間とする。なお、本契約終了後も、第2条(秘密保持義務)および第3条(目的外利用の禁止)は、[2]年間有効に存続する。 本契約の締結を証するため、本書を2通作成し、甲乙記名押印のうえ、各1通を保有する。 20[ ]年[ ]月[ ]日 甲(住所): [住所] [会社名・代表者名] 印 乙(住所): [住所] [会社名・代表者名] 印 |
汎用の生成AI:Google Gemini Pro3.1 実行日:2026年04月05日
汎用の生成AIによる契約書レビュー結果「Google Gemini Pro3.1」
ご提示いただいた秘密保持契約書(NDA)案について、情報開示者(甲)の立場からリスクチェックを行いました。 全体的な印象として、この契約書はシンプルで基本的な事項は押さえられていますが、情報を提供する「甲」を保護するための規定が不足しており、情報漏洩時のリスクや立証のハードルがやや高い内容となっています。 甲の不利益になり得るポイントと、その修正案をまとめましたのでご確認ください。 1.条文ごとのリスクと修正案 第1条(秘密情報) 修正案: 「本契約において「秘密情報」とは、本目的のために、甲が乙に対し開示する一切の技術上、営業上その他業務上の情報をいう。」 第2条(秘密保持義務) 修正案: 「乙は、情報を開示する従業員等に対し、本契約に基づく乙の義務と同等の義務を課すものとし、当該従業員等の義務違反は乙の違反とみなして、甲に対し連帯して責任を負うものとする。」 第4条(情報の返還・廃棄) 修正案: 「乙は、秘密情報を廃棄(電磁的記録の消去を含む)した場合には、甲の求めに応じて、その旨を証明する書面(廃棄証明書)を甲に提出するものとする。」 第5条(損害賠償) 修正案: 「乙が本契約に違反し甲に損害を与えた場合、乙は甲に対し、その損害(合理的な弁護士費用を含む)を賠償しなければならない。」 第6条(秘密保持期間) 修正案: 「ただし、個人情報および甲が特に指定する重要な営業秘密については、本契約終了後も期間の定めなく秘密保持義務を負うものとする。」 2.不足している重要な条項(追加推奨) 甲を守るために、以下の条項を新たに追加することを強くお勧めします。 知的財産権の不付与(権利の帰属) 第〇条(権利の帰属) 裁判管轄 第〇条(合意管轄) 反社会的勢力の排除 まとめ ※AIとしての免責事項 |
※実行クライアント環境により結果は異なります。AIで契約書をよくレビューしている等の場合は出力精度が変動する可能性があります。 ※プロンプト(指示)の組み立て方により結果は異なります。 ※当時の環境(バージョン)での実行結果となります。
Google Geminiでの結果はご覧の通り総合的なレビューが実施されました、プロンプト(指示)通り若干の総評レビューとなっている感触です。
リーガルAI:契約・法務BPaaSの企業法務アウトソーシングサービスALSP「クラウドリーガル」(MOLTON株式会社) 実行日:2026年04月05日
動作条件の変化点:クラウドリーガルのサービス仕様として事前に登録設定してある企業プロフィール情報(業種・規模等)や対応方針/自社特有のプレイブックを審査基準としたチェック
自社(甲)のセット項目
・製造業 鉄鋼関連 資本金1,000万円 従業員250名
・秘密保持義務の存続期間は4年以上とする。
・環境省 廃棄物情報の提供に関するガイドラインを参照
https://www.env.go.jp/recycle/misc/wds/index.html
・国土交通省 トラック運送業 下請・荷主適正取引推進ガイドライン
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/guideline/10_truck.pdf
リーガルAIでの契約書レビュー結果「クラウドリーガル」
3.条文別コメント リスクレベル: Medium 現行条文: コメント: 除外事由の不足: 一般的なNDAで認められる除外事由のうち、「開示を受ける前から乙が独自に保有していた情報」および「乙が秘密情報に依拠せず独自に開発した情報」が欠落しています。これらは不争条約法理(不当利得の抗弁)の観点から通常認められるものであり、甲としても定義を明確にしておくことで、後日の紛争(乙が「元々知っていた」と主張するケース)を予防できます。 修正文案: +なお、口頭により開示された情報については、開示の際に秘密である旨を告知し、かつ開示後30日以内に書面により秘密情報である旨を通知したものに限る。 ただし、次の各号のいずれかに該当する情報は秘密情報から除外する。 -開示された際に既に公知であった情報、開示された後に乙の責によらず公知となった情報、乙が秘密保持義務を負うことなく第三者から正当に入手した情報は秘密情報から除外する。 +(1)開示された時点で既に公知であった情報 +(2)開示された後に乙の責めに帰すべき事由によらず公知となった情報 +(3)開示された時点で乙が既に適法に保有していたことを書面により証明できる情報 +(4)乙が秘密保持義務を負うことなく第三者から正当に入手した情報 +(5)乙が秘密情報に依拠することなく独自に開発したことを書面により証明できる情報 追記位置: 第1条の全文を上記に差し替え。 相手方への説明コメント(敬意ある丁寧表現): 秘密情報の定義および除外事由を明確化することで、双方にとって予測可能性が高まり、円滑な情報共有が可能になると考えております。口頭開示の書面化手続につきましても、実務上の明確性を確保するために追記させていただきたく存じます。いずれも一般的なNDAの標準的な規定であり、貴社にとっても過度な負担とはならないものと存じます。 クライアント向けリスク・修正方針: TO 甲: 除外事由を明確にしておかないと、乙が後から「この情報はもともと知っていた」と主張した場合に、その立証責任の所在が曖昧になります。「書面により証明できる」という条件を付すことで、乙側に立証責任を課し、甲の秘密情報を実質的に保護できます。口頭開示の書面化手続は、万が一の漏洩時に「何が秘密情報だったか」を明確にするための重要な手続です。 第2条(秘密保持義務) リスクレベル: Medium 現行条文: コメント: 管理措置の具体性不足: 「厳重に管理」の内容が抽象的であり、善管注意義務の水準が不明確です。具体的な管理措置(施錠保管、アクセス制限、暗号化等)の規定、または「自己の秘密情報と同等以上の注意」等の基準を設けることが望ましいです。 修正文案: -乙は、秘密情報を厳重に管理し、本目的以外の目的に利用してはならず、第三者に開示または漏洩してはならない。ただし、弁護士、公認会計士等、法律上秘密保持義務を負う専門家、または本目的のために合理的に必要な範囲の自己の従業員に対し開示する場合を除く。 +1.乙は、秘密情報を善良なる管理者の注意をもって管理し、自己の秘密情報と同等以上の注意(ただし合理的な注意を下回らないものとする)をもって取り扱うものとする。 +2.乙は、秘密情報を本目的以外の目的に利用してはならず、甲の事前の書面による承諾なく第三者に開示または漏洩してはならない。 +3.前項にかかわらず、乙は、次の各号に該当する場合に限り、秘密情報を開示することができる。 追記位置: 第2条の全文を上記に差し替え。 相手方への説明コメント(敬意ある丁寧表現): 秘密情報の管理水準を明確化することで、万が一の漏洩時における責任の所在が明確になり、双方にとって安心して情報共有ができる環境が整うと考えております。従業員への再開示時の義務付けにつきましても、貴社の社内管理体制の整備に資するものと存じます。また、法令に基づく開示義務への対応は、貴社のコンプライアンス上も必要な規定と考えております。 クライアント向けリスク・修正方針: TO 甲: 現行条文では「厳重に管理」としか書かれておらず、乙の従業員が漏洩した場合に「厳重に管理していた」と反論される余地があります。善管注意義務の明記と、従業員への秘密保持義務の波及を規定することで、漏洩時の責任追及を確実にします。法令開示の場合の事前通知義務は、甲が防御措置(秘密保持命令の申立て等)を講じる機会を確保するために重要です。 ~省略~ 追加条項① ── 第7条(差止請求)【新設提案】 リスクレベル: High(欠落条項) コメント: 修正文案: +第7条(差止請求) +乙が本契約に違反し、または違反するおそれがある場合、甲は、損害賠償の請求に加え、乙に対し、当該違反行為の差止めおよび秘密情報の使用の中止を請求することができる。乙は、秘密情報の性質上、その漏洩または目的外使用により甲に回復困難な損害が生じ得ることを確認する。 相手方への説明コメント(敬意ある丁寧表現): 万が一の情報漏洩時に、損害の拡大を迅速に防止するための規定として追加をお願いしたく存じます。これは双方の事業を保護するための予防的措置であり、貴社においても同様の情報保護の必要性をご理解いただけるものと存じます。 クライアント向けリスク・修正方針: TO 甲: 損害賠償は「お金で解決する」手段ですが、秘密情報が一度漏れてしまうと、お金では取り返しがつかない場合があります(例:競合他社に技術情報が渡ってしまった場合)。差止請求権を明記しておくことで、漏洩が発覚した時点で「すぐにやめろ」と法的に要求できる根拠を確保します。 ~省略~
製造工程に関する技術情報の開示を含むか 双方向の情報開示の可能性: 本NDAは甲から乙への一方向の開示を前提としていますが、乙から甲への情報開示も想定されますでしょうか。双方向の場合は、契約構造の見直し(「開示者」「受領者」の定義を双方に適用する形式)が必要です。 違約金条項の要否: 第5条のコメントで触れましたが、損害賠償額の予定(違約金)条項の追加をご希望されますでしょうか。金額設定にはビジネス判断が必要ですので、ご意向をお聞かせください。 既存の取引基本契約等の有無: 乙との間で既に取引基本契約や業務委託契約等が締結されている場合、本NDAとの優先関係を整理する必要があります。 |
※実行クライアント環境により結果は異なります。AIで契約書をよくレビューしている等の場合は出力精度が変動する可能性があります。 ※プロンプト(指示)の組み立て方により結果は異なります。 ※当時の環境(バージョン)での実行結果となります。 ※Disclaimer:AIによるレビュー後は契約内容等により弁護士など専門家による最終チェックを推奨します。
一方で弁護士監修・設計のリーガルAIを搭載している契約・法務BPaaSの企業法務アウトソーシングサービスALSP「クラウドリーガル」では、前提のレビュー審査基準を持ってしまっているものの、前提の基準部分を除いてもプロンプト(指示)だけで、条項チェックの詳細なリスク提示から不足情報の確認ポイントなどがクラウドリーガルのリーガルAIから対話形式で返ってきました。自身が気付かないリスクポイントや範囲に対して積極的にQAや提案がされ漏れなく精度を高めてレビューを進めていくことができます。
比較検証の結果ポイント
Google Gemini:指示通りの契約書レビューの動作でしたが法的根拠や経済条件などは考慮されておらず、事前にプロンプトの組み立てや条件入れ込みが重要となります。プロンプトでの条件が抜けていた場合はそのまま実行されて完了となります。プロフィール(指示)以上の範囲は考慮しておらず事業に寄り添った積極的な問いもありませんでした。
契約・法務BPaaS「クラウドリーガル」:当指示で、契約書レビューが実施されましたが法的な側面や取引・経済条件などの不足情報や要件確認・ヒヤリング等が走りました。よりリスクの少ない精緻な契約書レビューに向けて動作していることが分かります。リスクヘッジに重点を置き実業務に対応できるようにレビューが進んでいきます。

>>契約書レビューから連動させるなら電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」
政府機関でもAIを活用した条文の生成や、法令条文特有のレビューチェックを行う実験例も繰り返されており、法制事務デジタル化・法令等データ利活用促進などの政策に取り組んでいます。
【参考】デジタル庁では、法令の改正案を検討するときに利用する新旧対照表の旧欄の条文(改正前の条文)を変更する際の条文検知や自動修正の実証検証を実施。法制事務(国家公務員が法令を作成する業務等)のデジタル化による効率化、法令データのベースレジストリの整備(法令データ・APIの整備・提供)、法令データを利活用したサービスの開発などの促進の取組「法制事務デジタル化・法令等データ利活用促進」(デジタル庁)
【参考】全国知事会議でのアンケート発表から地方公共団体では文書作成の補助や文書の要約でAI利用が上位にはいっている一方で、行政分野の法令等に基づく判断を伴う質問に誤った回答や曖昧な回答が返ってくる事例もあり、日本語特化型のサービス選定や行政独自の規程等を読み込ませることが可能な(RAG)ツールの導入を検討『報告(3)資料3「生成AI利活用検討ワーキングチーム」活動状況報告書』 令和6(2024)年7月(全国知事会)
AIを契約書業務(レビュー・作成)に活用する際の注意点
現状ではAI利用に関して、正確性や責任の所在について制度的・技術的な課題が残されています。最後に、AIを契約書業務(レビュー・作成)に活用する際の注意点をお伝えします。
AI技術を契約や法務業務に利活用するケースにおいて省庁からチェックリストの提供やソフトウェアレベルの実務調査などが、法律や法務分野でのAI利活用に向けて積極に行われています。
AIの利用・開発に関する契約チェックリストの背景
省庁でも、生成AIの普及など近年の市場環境の変化を踏まえ、当事者間(提供者・利用者)で適切に利益とリスクを分配し、AIの利活用を促進することを目的として「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を作成しています。
【参考】2022年頃より、基盤モデルに代表される生成AI技術を用いたサービスが急速に普及し始め、AIモデルの開発だけでなく、その利活用の局面における契約の重要性も高まっています。特に事業活動においてAI技術を用いたサービスの利活用を検討する事業者の増加が顕著である一方で、AIの技術や法務に必ずしも習熟していない事業者が導入を検討するケースも増えています。
このような状況下で、AI技術を用いたサービスの利活用を行う際の契約実務に関し、以下のような懸念が挙げられています。
• AIの利活用に関する契約に伴う法的なリスクを十分に検討できていない可能性
• 保護されるべきデータや情報が予期せぬ目的に利用され、また第三者に提供される等、想定外の不利益を被る可能性
チェックリストは、当事者間(提供者・利用者)の適切な利益及びリスクの分配を目指し特に以下の方針に基づき策定。
(抜粋)
• AI技術を用いたサービスの利用者が、サービスの提供者に対して提供するデータの利用範囲や契約上のベネフィット(サービスの水準、AI生成物の利用条件等)について十分な検討を行うために必要な基礎的な知識を提供すること
主に、(1)社内法務部・顧問弁護士等が契約条項を具体的に検討する場面、及び、(2)ビジネス部門担当者等が契約についての初期的な検討を行う場面を想定 2025年2月18日(経済産業省)

※出典:「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」(経済産業省)
経済産業省から、AI利活用時の民事責任の在り方について、現行法における解釈の考え方を整理した「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き」を公表されました。
【参考】「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き」 2026年4月9日(経済産業省)
AI事業者視点のガイドラインや技術面での調査結果から、利用者目線でも深堀しリスクヘッジに備えることもできるでしょう。
【参考】「AI 時代のルール(法・標準)とソフトウェア-エンジニアリングに関する共同調査研究報告書」
AI の利活用が急速に進展する中で、法令・ガイドライン・標準等の「ルール」と、ソフトウェアエンジニアリング(設計・開発・運用・保守)の実務をどのように接続し説明責任を伴う形で実装・運用していくべきかを整理。 2026年3月31日(IPA 独立行政法人情報処理推進機構とKILAP 京都大学大学院法学研究科法政策共同研究センターが実施した共同研究)
【参考】AI事業者ガイドラインの令和7年度更新内容 令和8年3月12日(総務省)
非弁行為で違法となるおそれがある
法律事務の最終的な確認や判断は、有資格者である弁護士が行う必要があることに留意しましょう。「弁護士法」第72条の条文において、弁護士資格を持たない者が法律事務を行うことは、以下のように禁止されています。なお、各種支援サービスの適切な利用方法については、法務省が公表するガイドライン「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」を参照すると良いでしょう。
【参考】「弁護士法(その他) AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」(法務省)
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
【出典】「弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)」(e-Gov法令検索)
【参考】ALSP(代替法務サービス事業者)による法務省ガイドラインのポイント整理(法務BPaaS型 企業法務アウトソーシングサービスALSP「クラウドリーガル」)
尚、AIやデジタル技術を法務業務や契約書レビューなどに利用する際の弁護士法との関係を明確化し活用拡大できるよう、法務省は2023年夏(令和5年8月)に策定した現行の指針・ガイドラインの運用を新法制定も視野に入れ見直す方針になっており、法務分野・リーガルテック分野でのAI利活用が拡大する可能性があります。(令和8年1月9日)
【参考】内閣府の規制改革推進会議 デジタル・AIワーキング・グループ 弁護士法におけるAI活用の更なる明確化について「令和8年1月9日」(内閣府)
(出席:法務省、一般社団法人日本経済団体連合会、一般社団法人AIリーガルテック協会、日本組織内弁護士協会、リーガルテック研究会、 事業者団体、有識者)
【要約参考】規制改革推進会議丨2026年1月9日開催丨「弁護士法におけるAI活用の更なる明確化」の議論速習―法務省・規制改革推進会議・経団連等の見解を一気読み―(日本組織内弁護士協会「JILA」)
正確性の確保に限界がある
AIを利用したチェック作業は、正確性の確保に限界があります。誤りが生じる可能性があることから、弁護士など法律の専門家による監修を実施しましょう。
情報漏えいなど一定のセキュリティリスクがある
外部サービスに契約書のデータを登録する場合は、情報漏えいのリスクが存在します。契約書には自社およびの取引先に関する機密情報も含まれるため、導入の際はサービス提供会社のセキュリティ体制を確認する必要があります。AI利用時に一番注意しなければならないのが入力した契約内容、契約書に記載してある機密情報や個人情報・プライバシーの取扱いになります。単なるファイル登録・置き場ではなくAI利用時にデータ・ファイルは全て分解され解析がなされます。中身を分解した状態で解析されるため、契約書や文書内に含まれているイメージ画像情報・テキスト情報・属性情報等の全てがAIに読み取られることになります。ファイル登録のようなストレージであればファイル暗号化処置で対応が可能ですが、AIは性質的にそうはいきません、登録データはきめ細かく読み込まれることを覚えておきましょう。
AIサービスの利用時には、利用規約・約款などから個人情報保護・プライバシーポリシー、データの取扱い条件などの確認を行いましょう。AIサービスやアカウント設定によってAI側にデータを学習させずに情報を残さない運用も可能です。
【参考】「生成AIサービスの利用に関する個人情報の取扱への注意喚起等について」
個人情報取扱事業者及び行政機関等における生成AI サービスの利用に際しての個人情報の取扱いに関する注意点を取りまとめた、個人情報取扱事業者及び行政機関等において、生成 AI サービスを利用する際には、これらも参考に個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号。以下 「個人情報保護法」という。)の規律に従って、個人情報を適正に取り扱うよう注意喚起 令和5年6月 2 日(PPC 個人情報保護員会)
最新の動向ですと政府は令和8年4月7日の定例閣議において、「法律案:個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」を決定しました。「個人情報保護委員会・内閣府本府・デジタル庁・文部科学・厚生労働・経済産業省」(内閣官房)
個人情報保護法の改正案が衆院本会議で可決され衆院を通過
「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案(221国会閣54) 地域・こども・デジタル特別委員長」 2026年5月26日(衆議院)
本改正案では、国産AI(人工知能)等の開発・普及を見据え、企業等による個人情報の取得・活用に関する制度の見直しが盛り込まれました。また、統計作成を前提とした要配慮個人情報の利活用についても議論となっており、プライバシーへの懸念が一部で指摘されています。今後の制度設計によっては、AIによる契約書レビュー等のAI利活用にも影響が及ぶ可能性があるため、引き続き動向を注視する必要があります。
【参考】要配慮個人情報とは?「個人情報保護法」を分かりやすく解説。個人情報の取扱いルールとは?(政府広報オンライン)
【参考】統計・研究等の公益目的における同意不要利用の拡大について、要配慮個人情報が含まれることから、プライバシー保護および差別防止の観点で、厳格な制度的・規制的歯止めを設ける必要性。「個人情報保護法いわゆる3年ごと見直しの改正法案についての意見書」を取りまとめ、内閣総理大臣、衆議院内閣委員会委員長、参議院内閣委員会委員長、衆議院議長、参議院議長及び個人情報保護委員会委員長宛に提出 2026年4月16日(日本弁護士連合会)
責任の所在があいまいになる
AIで契約書作成やチェック作業を実施する際は、責任の所在を明確にしなければなりません。法務担当者や弁護士などの専門家を責任者として配置することが重要です。
関連記事:弁護士にも依頼できる法務相談や契約審査など専門分野にも対応したBPaaSとは?
AIが対応できる契約書の種類・範囲には限界がある
英文契約書をはじめとした特殊で専門性の高い契約内容は、一般的なAI搭載の業務支援サービスでは対応できない可能性があります。自社の法務業務に必要な機能を備えたサービスを選定しましょう。契約書形式だけか?規定書類や規約・約款形式等の法律文書に対応しているかなど。
個別の事情や条件などを考慮した柔軟な対応が難しい
ビジネスシーンでは、業界・会社独自の慣習や商習慣を踏まえた契約業務が求められます。AI搭載の業務支援サービスでは、こうした個別の事情や前後条件に合わせて対応するのが難しい場合が少なくありません。
完全な代替は難しい
現状のAI搭載を搭載した契約・法律や法務業務支援サービスには、制度的・技術的な課題が存在します。これらのAIサービスは担当者の負担軽減には役立ちますが、業務を完全に代替することは難しい点に注意が必要です。
AIはあくまで補助的な役割を担い、業務効率の向上には寄与します。しかし、最終的なリスク判断や前後関係を踏まえた複雑な契約書のレビュー、独自形式の契約書ドラフトの作成などは、専門家である弁護士や専門士業に依頼することが安全策となります。
関連記事:契約書レビューの重要ポイント|流れと注意すべき条項、依頼方法は?
関連記事:契約書作成の基本とは?具体的な基本項目や注意点、よくある質問
まとめ
ここまで、AIを契約書業務に活用するための基礎知識や、運用の注意点をお伝えしました。AI搭載の業務支援サービスを導入すると、業務効率化や属人化解消が期待できます。例えばNXワンビシアーカイブズの電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」には「AI契約書管理機能(AI解析)」が搭載されています。
こちらは、締結完了後の契約書のPDFファイルをAIが読み取り、契約日や契約金額といった情報を自動で抽出してシステムに登録する機能です。電子帳簿保存法で定められている検索要件に対応しています。このほかに、業界最高水準のセキュリティが標準搭載されていることもポイントです。契約管理の効率化は、NXワンビシアーカイブズへお問い合わせください。
関連記事:ALSP(代替法務サービスプロバイダー)とは?従来の法務サービスとの違い
法律上のルールに則って適切な契約書を作成するには、法律の専門家によるカスタム契約書の作成や契約書レビュー・リーガルチェックも欠かせません。そんなときは、生成AI×弁護士が融合した企業法務アウトソーシングサービスALSP(法務代替サービスプロバイダー)の「クラウドリーガル」がおすすめです。AI契約書レビュー&AI契約書作成や弁護士監修の契約書テンプレート(ひな形)の用意から、質問に答えるだけで誰でも簡単に契約書が作成できる契約書自動作成機能を搭載。標準的な契約書テンプレート(ひな形)では対応が難しい独自のカスタム契約書を弁護士がヒヤリングをかけドラフト作成から、弁護士による契約書レビュー・リーガルチェックや法務相談、社内規程整備、新規会社設立、商標等知的財産の登録など、幅広い法律事務のサービスをWebオンラインでご利用いただけます。契約書作成・レビューや企業法務の業務効率化でお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。
生成AI搭載の企業法務アウトソーシングサービスALSP「クラウドリーガル」とNXワンビシアーカイブズの提供する電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」や「AI契約管理」「機密文書保管」「電子化(スキャン代行)」「機密書類抹消」「電子帳簿保存」「契約事務BPOサービス」と組合せることで法務DXの最大化を実現します。

監修:弁護士 崎地 康文
第二東京弁護士会・米国ニューヨーク州 弁護士、なゆた国際法律事務所 代表弁護士、東京薬科大学 特命教授、慶應義塾大学オープンイノベーション推進本部 特任講師、東京大学工学部卒。アンダーソン・毛利・友常法律事務所にて弁護士としてベンチャー投資、M&A、知的財産権に関する契約交渉・特許訴訟(侵害訴訟及び無効訴訟)やクロスボーダーの企業法務に従事。米国University of California Berkeley Law School.(UC Berkeley LL.M.)留学後に特許庁と独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が提供する知的財産アクセラレーションプログラム(IPAS:IP Acceleration program for Startups)のメンタリングチーム/知財メンターにも選出、AI医療機器スタートアップの執行役員プロダクトマネージャーおよび企業内弁護士、慶應大学発ヘルスケアスタートアップ共同創業者兼取締役COOを経て、生成AI搭載の法務BPaaS型で日本初の企業法務アウトソーシングサービスALSP(代替法務サービス事業者)であるバーチャル法律事務所「クラウドリーガル」を開発・提供しているMOLTON株式会社(旧:a23s株式会社)の代表取締役を務める。著作『M&A、ベンチャー投資における知的財産デュー・デリジェンス』(商事法務 )

編集:WAN-Sign運営事務局
日本で初めて「情報の安全保管」ビジネスを立ち上げ「情報の活用」を支援してきたリーディングカンパニー。情報資産管理業として、半世紀にわたり官公庁・金融機関・医療機関・製薬業や上場企業・大手企業などの重要な情報(機密文書、医薬品開発関連資料、永年保存の歴史資料、マイナンバー書類・特定個人情報、テープ等の記録メディア、デジタルデータ、細胞・検体試料・医薬品原料、等)の発生段階から活用・保管・抹消までのライフサイクル全てをカバーした総合的サービスを展開してきた、NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社のグループである株式会社NXワンビシアーカイブズが提供する、BPaaS型でAI搭載の電子契約・契約管理サービスWAN-Signの運営事務局。データ・ソリューションとして、電子署名(電子証明書)・電子サイン・タイムスタンプ・電子印鑑/脱ハンコ・脱印鑑/電子署名法/文書管理・電子文書/電子帳簿保存法・e-文書法/電子化(スキャン代行)/AI-OCR/公文書/文書コンサルティング/アーカイブ(Archive)・データ保全/デジタル主権・データ主権/災害対策・BCP(事業継続)/セキュリティ/プライバシー/データセンター/BPO・アウトソーシングサービス/リーガルテック・リーガルサービス/DX/クラウド・SaaS/BPaaSなどのドキュメントやサービスに関する様々な情報を提供します。








