BPOとは?契約の種類とメリット・デメリット、スムーズに進める方法
編集:WAN-Sign運営事務局
(更新日:2026年5月20日)
目次[非表示]
- 1.BPOの定義と契約の種類
- 1.1.BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?
- 1.2.BPOにおける契約の種類
- 1.3.BPOの機能別の種類
- 1.4.BPOと似た言葉の違い
- 1.5.BPOの対象となる業務の例
- 1.6.BPOの市場規模
- 2.BPO契約を導入するメリット・デメリット
- 3.BPOをスムーズに進めるポイント
- 3.1.対象となる業務は適切か
- 3.2.費用対効果は見合うか
- 3.3.委託先の選定は適切か
- 3.4.円滑なコミュニケーション体制を構築できるか
- 4.まとめ

近年は、業務プロセス全体を外部委託して業務効率化やコスト削減を実現する「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」が注目されています。BPOのサービスを利用する際は、委託会社と契約を締結する必要があります。生産性向上のためのバックオフィス業務の効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によりBPOの役割も変化してきています。
この記事では、BPOの契約の種類や、導入するメリット・デメリット、BPOをスムーズに進めるポイントを解説します。自社の目的に合わせて委託会社を選定し、適切な方法でBPOの契約を締結しましょう。
BPOの定義と契約の種類
初めに、「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」に関する基礎知識をお伝えします。BPOの定義や契約の種類などの基本を改めて確認してみましょう。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?
BPOとは、特定の業務プロセス全体を外部の専門企業へ委託する方法を指します。「Business Process Outsourcing」を略した用語です。例えば、機能面ですと経理業務全体やヘルプセンター機能を委託会社に任せるような業務が該当します。金融機関や地方公共団体など公共性や機密性のある情報を取り扱う重要業務でもBPOは導入されています。BPOでは委託業務の内容に応じて、委託会社と「請負契約」「委任契約」「準委任契約」を締結します。
BPOにおける契約の種類
請負契約
請負契約とは、成果物の完成に対して報酬が支払われるという契約です。具体的には、システム開発やデザイン制作などが該当します。
委任契約
委任契約とは、法律行為の遂行に対して報酬が支払われる形式の契約です。弁護士や税理士などの専門家へ、裁判での弁護や税務申告といった法律行為を委任するケースが該当します。
準委任契約
準委任契約とは、法律以外の業務の遂行に対して報酬が支払われる契約です。具体的には、経理業務やコンサルティング業務などが該当します。
BPOの機能別の種類
BPOは細かく見ると、現在3つの種類があると言われています。
BPOの種類として「PUSH OUT(プッシュアウト)」「ADD ON(アドオン)」「BUY IN(バイイン)」があり、自社の業務をどのように外部サービス(プラットフォーム)へ移行するか、という導入モデル・形式になります。BPOの種類によって業務効率化・生産性の向上に左右するため自社の業務やリソース状況に適した導入形式を選択する必要があります。これらのBPOの種類を参考とすることで、導入する業務適応への解像度が上がり効果的にBPOを導入し成果をあげることができるでしょう。
関連記事:BPO(アウトソーシング)の3つの種類
BPOと似た言葉の違い
BPOとアウトソーシングの違い
アウトソーシング(業務委託)は、特定の業務を外部に委託することを指します。BPOもアウトソーシングも自社業務を外部に委託する点では同じですが、両者は委託範囲や期間に違いがあります。BPOは経理業務、人事管理、カスタマーサポートなど、ある業務のプロセス全体を委託しますが、アウトソーシングは部分的な業務委託にとどまることが一般的です。また、BPOは業務改善に向けたプロセスの見直しも含まれるため長期間の委託となりやすく、一方のアウトソーシングは人手不足を補う一時的な委託にとどまる傾向があります。
BPOと業務代行の違い
業務代行とは、一般的に業務プロセスの一部を外部の専門企業へ委託する方法を指します。経理業務を例にすると、経理業務全体を委託する場合はBPO、経理業務の中でも経費精算のみを委託する場合は業務代行に該当します。
BPOと人材派遣の違い
人材派遣とは、派遣会社が雇用する人材が企業に派遣され、派遣先企業の指示で業務を遂行する方法を指します。一方、BPOでは委託会社へ業務を委託し、業務の指示から遂行まで委託会社が担う点が主な違いです。
BPOとデジタルBPOの違い
デジタルBPOとは、従来の「人:リソース」による業務単位などの業務委託BPOに、生成AI(Generative AI)/AIエージェント、AI-OCR(Optical Character Recognition/Reader)、IA(Intelligent Automation/インテリジェントオートメーション)、RPA(Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション)や、クラウド(SaaS Tech)などの最新デジタル技術を組み合わせて、業務プロセスそのものを効率化・自動化しながら業務代行するBPOサービスのことです。
近年ではBPOにSaaS(Software as a Service)を掛け合わせた新しいサービスモデルとしてBPaaS(Business Process as a Service)が登場しています。SaaSテクノロジーを利用しながらBPOのリソースにより業務プロセスそのものを最適化・自動化することができます。
関連記事:BPaaSとは?基礎知識や事例、BPOとSaaSの違い、活用業務・分野、導入メリット・注意点
BPOの対象となる業務の例
BPOでは、主に「バックオフィス業務」や「専門性の高い業務」が委託の対象となります。バックオフィス業務の具体例として、経理業務・採用業務・コールセンター業務・ヘルプデスク業務などが挙げられます。また、専門性の高い業務の具体例として挙げられるのは、法律業務やコンサルティング業務などです。なかでも弁護士や専門士業に法律業務を委託する専門サービスは「法務BPO」や「ALSP(法務代替サービス事業者)」「LPO(リーガル・プロセス・アウトソーシング)」と呼ばれます。
ヘルプセンター(コールセンター):インバウンド(問い合わせ対応、テクニカルサポート)。アウトバウンド(テレマーケティング、世論調査)
HR人事・労務 : 給与計算、社会保険手続き、年末調整
採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing):求人票作成、応募者対応、面接調整など
経理・財務 :経費精算、仕訳入力、売掛金・買掛金管理、決算補助など
営業・マーケティング:インサイドセールス(非対面のオンラインによる営業代行、DM発送、SNS運用代行など)
EC運営・販促資材管理:商品撮影、カタログ仕分け・分類、発送回収、受注管理、在庫管理など
法務・知的財産:日々発生する契約書レビュー・リーガルチェック、法律文書作成、法令調査(リーガルリサーチ)、法務相談など
関連記事:法務機能をアウトソーシングできるALSP(代替法務サービス事業者)とは?
関連記事:金融機関によるパンフレット・申込書類の在庫管理・保管から多量多品種の帳票・販促資材を委託(アウトソーシング)した事例
BPOの市場規模
国内のBPO市場は、人手不足の深刻化や働き方改革の推進、コスト最適化への意識の高まりを背景に安定して拡大しています。企業がコア業務へ経営資源を集中させるために、バックオフィスやカスタマーサポート、IT運用などのノンコア業務を外部委託する動きが加速している。さらに近年では、単なる業務代行にとどまらず、RPAやAI、クラウドといったデジタル技術を活用した高度化・効率化が進み、付加価値の高いサービスへのシフトが顕著となっており、今後もDX(デジタルトランスフォーメーション)需要を取り込みながら持続的な成長が見込まれています。
【参考】IDC Japan社の調査予測 国内BPOサービス市場は、2024年から2029年までの年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate) 4.1%で成長し、2029年には1兆2,169億円に達すると予測。国内企業のデジタルビジネス化が進む過程において、アウトソーシングすべきビジネスプロセスの明確化が進むことで、国内BPOサービス市場の継続的な拡大が見込まれます。加えてAI/GenAI活用の進展はサービス供給力と付加価値の向上をもたらし、国内BPOサービス市場全体の促進要因になるとみています。「国内ビジネスプロセスアウトソーシングサービス市場予測を発表 ~AIが促すサービス提供モデルの変化~」 2025年4月30日(IDC Japan株式会社)
グローバルのBPO市場も安定的な成長となっています。AIやSaaS Techのデジタル変革の急速な導入 により、企業がクラウドプラットフォームやAIを利用したデータ分析・自動化ツールを導入するにつれ、さらなる業務効率化を求めBPOの活用や需要が高まっています。
【参考】Grand View Research(GVR)社の調査予測 世界のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)市場規模は、 2025年には3,283億7,000万米ドルと推定され、2033年には6,957億7,000万米ドルに達すると予測。 2026年から2033年にかけて年平均成長率(CAGR)9.9%で成長すると見込まれています「 Grand View Research(GVR) Business Process Outsourcing Market (2026 - 2033) 2026年01月14日/ ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の市場規模、シェア、動向分析レポート 日本語概要」
BPO契約を導入するメリット・デメリット
自社のビジネスにBPO契約を導入すると、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。また、導入後はどのような課題や注意点があるのでしょうか。ここでは、メリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
BPO契約を導入する主なメリット
業務の効率化につながる
BPOでは専門性の高い委託先へ業務プロセス全体を一括で任せられます。業務効率化や最適化につながることがメリットです。
コア業務にリソースを集中できる
BPOを利用して定型業務を外部委託すれば、従業員のリソースをコア業務に集中できます。より重要性の高い業務へリソースを投じて注力することが可能です。
業務品質の向上につながる
従業員の業務品質にばらつきがある場合、BPOを活用すれば専門性の高い委託先に業務を任せられます。全体的な業務品質の向上が期待できるでしょう。
労働時間の短縮につながる
繁忙期に業務が集中して従業員の時間外労働が発生している場合、BPOで状況を改善できる可能性があります。社内の業務負担の軽減を実現できます。
コストの削減につながる
BPOで外部委託すると、特定の業務プロセスのために人材を採用・育成・管理するコストを削減できます。削減したコストを自社の売上や成長へ有効活用することが可能です。
固定費を変動費化できる
BPOによって固定費である人件費を業務量に応じて変動費化できる点もメリットです。固定費のコスト削減を実現し、柔軟性を向上できます。
ミスを軽減できる
BPOで業務がマニュアル化されることで、人的ミスが軽減される可能性があります。ミスによって生じる無駄な手間やリスクをなくすことが可能です。
外部の専門的な知識やノウハウを活用できる
現状の業務の運用方法に課題を感じている場合、外部の専門的なノウハウを活用することで解決が期待できます。BPOは業務プロセスの整備にも効果的です。
関連記事:コア業務とノンコア業務の違いや・ノンコア業務がコア業務に及ぼす影響を解説
BPO契約を導入する主なデメリット
一定の初期費用・ランニングコストがかかる
BPOのサービスを導入する際は、一定の初期費用とランニングコストが発生します。自社で対応する場合と比較しながら費用対効果を確認する必要があるでしょう。
社内ノウハウを蓄積しにくく、内製化が難しくなる
BPOでは業務プロセスを全体的に委託先へ引き継ぐため、社内にノウハウを蓄積しにくくなります。将来的な内製化が難しくなる可能性があることに留意しましょう。
業務のプロセスを把握しづらい
委託会社に業務の遂行を任せると、現状の進捗状況を把握しづらくなるおそれがあります。BPOを利用する際は委託先との報告体制を整備することが大切です。
一定のセキュリティリスクがある
BPOを利用する際は業務の遂行に必要な機密情報を委託会社へ提供する必要があります。個人情報や財務情報といった重要なデータの取り扱いに注意が必要です。
委託会社とのコミュニケーションギャップが生じるおそれがある
社内で業務を遂行する場合と比べて、BPOでは委託会社とのコミュニケーションで齟齬や遅延が発生する可能性があります。スムーズに連携する体制を構築する必要があります。
業務フローが変更になることがある
BPOの導入にあたり、既存の業務フローを根本的に見直すケースもあります。業務フローの再構築にともない、現状の方法や手順が大きく変更される可能性があるでしょう。
BPOをスムーズに進めるポイント
BPOの導入をスムーズに進めるためにも、以下のポイントで自社と委託会社の相性を見極めると良いでしょう。最後に、BPOをスムーズに進めるポイントをお伝えします。
対象となる業務は適切か
BPOを導入する際は、自社が委託する業務に適した委託会社を選定し、適切な契約形態で手続きを進めることが重要です。なお、法律行為の委任については「民法」第643条で以下のように定められており、専門家と委任契約を締結する必要があります。
(委任)
第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
【引用】「民法(明治二十九年法律第八十九号)」(法務省 e-Gov法令検索)
費用対効果は見合うか
BPOの料金体系には、委託業務の性質に応じて「月額制」や「成果報酬制」などの種類があります。月額制の場合は固定費が発生し、毎月一定のコストを負担することになるため、費用対効果を踏まえて導入を検討すると良いでしょう。
委託先の選定は適切か
BPOでは自社の業務プロセスの大部分を外部委託するため、リスク管理の観点から業務品質や安全性を確認した上で適切な委託先を選定することが重要です。委託会社を選定する際は、各社のWebサイトやサービス資料などで以下のポイントをチェックしておくと良いでしょう。
- 業務の専門性・実績・資格
- ビジネスの規模・安定性・対応力
- コンプライアンス規程・セキュリティ体制
円滑なコミュニケーション体制を構築できるか
BPOでは業務プロセス全体を委託会社へ任せることになるため、委託先担当者とスムーズに連携が取れない場合は対象業務に支障をきたすおそれがあります。運用開始後に円滑なコミュニケーション体制を構築できる委託会社を選定しましょう。
まとめ
ここまでBPOの契約の種類、導入するメリット・デメリット、BPOをスムーズに進めるポイントなどをお伝えしました。BPOのサービスを利用する場合、委託する業務内容に応じて「請負契約」「委任契約」「準委任契約」を締結します。BPOをはじめとした各種サービスとの契約締結を効率化するなら、NXワンビシアーカイブズの電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」がおすすめです。最高水準のセキュリティを標準搭載し、低コストでご利用いただけます。契約業務のご担当者様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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編集:WAN-Sign運営事務局
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