コンプライアンスを強化する方法は?求められる背景とメリット・注意点

目次[非表示]

  1. 1.コンプライアンスの基礎知識
    1. 1.1.コンプライアンスとは?
    2. 1.2.コンプライアンスとガバナンス(コーポレートガバナンス)の違い
    3. 1.3.コンプライアンスとCSRの違い
    4. 1.4.コンプライアンスの強化が求められる背景
  2. 2.コンプライアンスを強化する主な方法
    1. 2.1.社内のチェック体制や内部統制システムを整える
    2. 2.2.従業員に対するコンプライアンス研修を行う
    3. 2.3.外部監査を行う
    4. 2.4.社外取締役・社外監査役を招聘する
    5. 2.5.外部の弁護士によるリーガルチェックを受ける
    6. 2.6.内部通報窓口を設置する
    7. 2.7.企業理念やコンプライアンス規程を整備する
    8. 2.8.従業員の労働環境や処遇を改善する
    9. 2.9.経営層の意識改革を行う
    10. 2.10.コンプライアンス対策室を設置する
  3. 3.コンプライアンスを強化するメリット・注意点
    1. 3.1.コンプライアンスを強化するメリット
    2. 3.2.コンプライアンスを強化する際の注意点
  4. 4.まとめ

コンプライアンスを強化する方法は?求められる背景とメリット・注意点

企業で発生するコンプライアンス違反は、経営に甚大な影響を与える可能性があります。なかには業務上の内部不正や法令違反によって大きな損害を被った企業の事例も存在します。これらのリスクを回避するためにも、コンプライアンスの強化は不可欠です。

そこでこの記事では、企業がコンプライアンスを強化する方法について解説します。コンプライアンスの重要性を理解し、公正に事業活動を行う体制を整備しましょう。

コンプライアンスの基礎知識

初めに、コンプライアンスに関する基礎知識を解説します。コンプライアンス遵守へ向けた自社の取り組みを見直すために、改めて基本から確認してみましょう。

コンプライアンスとは?

コンプライアンスとは「法令遵守」を意味する用語です。企業は法令・企業倫理・行動規範などのさまざまなルールを守って、公正に事業活動を行う必要があります。そのためにも組織的なコンプライアンス強化の取り組みを徹底しなければなりません。なお、企業が事業活動で守るべき法律の例として、以下が挙げられます。

【企業が事業活動で守るべき法律の例】

  • 会社法
  • 金融商品取引法
  • 独占禁止法
  • 消費者保護法(消費者契約法、特定商取引法、景品表示法、割賦販売法、貸金業法など複数の法律の総称)
  • 個人情報保護法
  • 労働基準法
  • 公益通報者保護法 など

コンプライアンスとガバナンス(コーポレートガバナンス)の違い

「ガバナンス(コーポレートガバナンス)」とは、企業が健全に経営を行うための組織の管理体制です。組織の不正を防止するために、企業が自ら体制を整備します。組織を適切に運営するには、コンプライアンスとガバナンス双方の取り組みが不可欠です。

コンプライアンスとCSRの違い

「CSR」とは、企業の社会的責任のことです。企業は自社の従業員・顧客・取引先・地域をはじめとしたステークホルダーに対して責任を負う立場にあります。企業がCSRを実現する過程で、コンプライアンスを徹底する必要があります。

コンプライアンスの強化が求められる背景

近年は、社会環境の変化や法的リスクの高まりなどを背景に、多くの企業がコンプライアンス強化へ取り組んでいます。SNSが普及した昨今は、企業の不祥事をはじめとしたネガティブな情報の拡散によって経営上の損失が生じる「レピュテーションリスク」が存在します。また、税金の滞納や不正受給などのコンプライアンス違反が倒産につながるケースが少なくありません。

特に、機関投資家や外国人投資家の持ち株比率が高い企業では、こうしたコンプライアンスに関するリスク管理体制が評価で重視される傾向にあります。企業は各種法律のルールを理解し、コンプライアンス関連のリスクを低減する施策へ取り組むよう求められています。

コンプライアンスを強化する主な方法

法令などのルールを守って適切に事業活動を続けるためにも、コンプライアンス強化へ向けて取り組むことが大切です。ここでは、コンプライアンスを強化する具体的な方法をご紹介します。

社内のチェック体制や内部統制システムを整える

現場における内部不正の防止へ向けて、チェック体制や内部統制システムの整備に取り組みましょう。業務内容に応じて、複数の担当者によるダブルチェックや、上長による承認フローなどを定めます。

従業員に対するコンプライアンス研修を行う

定期的にコンプライアンス研修を実施し、社内の意識向上を図りましょう。具体的な違反事例に基づいて現場で起こり得る法令違反のリスクを学習させて、一人ひとりの意識と行動を変容させることが重要です。

外部監査を行う

外部の独立した監査機関に依頼して、自社の財務会計や業務を第三者の立場から調査・評価してもらいましょう。専門家に助言を求めることで、的確な指摘や改善へ向けたアドバイスを受けられます。

社外取締役・社外監査役を招聘する

第三者の立場から自社を監視する「社外取締役」や「社外監査役」を招聘しましょう。経営の専門家である社外取締役や、会計監査・業務監査の専門家である社外監査役を招くことで、透明性を高められます。

外部の弁護士によるリーガルチェックを受ける

リーガルチェックとは、弁護士などの法律の専門家へ依頼して、法的なルールに則って問題がないか確認することです。専門家からアドバイスを受けて、契約締結における法令違反の回避やリスク低減を目指しましょう。

内部通報窓口を設置する

内部通報窓口とは、内部不正に関する報告や相談を行う専用の窓口です。「公益通報者保護法」の第11条第2項では、従業員数300人を超える企業に対して内部通報の体制整備が義務付け(※300人以下は努力義務)されていることを押さえておきましょう。

2 事業者は、前項に定めるもののほか、公益通報者の保護を図るとともに、公益通報の内容の活用により国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図るため、第三条第一号及び第六条第一号に定める公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとらなければならない。

3 常時使用する労働者の数が三百人以下の事業者については、第一項中「定めなければ」とあるのは「定めるように努めなければ」と、前項中「とらなければ」とあるのは「とるように努めなければ」とする。

【引用】「公益通報者保護法(平成十六年法律第百二十二号)」(e-Gov法令検索)

企業理念やコンプライアンス規程を整備する

自社の企業理念やコンプライアンス規程を整備して、企業として目指すべき方向性を明文化しましょう。また、企業理念やコンプライアンス行動規範などは社外にも発信し、信頼性の向上に努めることが重要です。社内向け規程については、従業員への周知を徹底しましょう。ステークホルダーへ自社の方針を示して信頼性向上へ取り組むことが大切です。

従業員の労働環境や処遇を改善する

コンプライアンスの観点から従業員の労働環境や処遇に問題がある場合は、速やかに改善を図りましょう。「労働基準法」をはじめとした労働関係の法令を見直すとともに、法令改正の際は最新の基準を満たすよう労働条件や環境を整備します。

経営層の意識改革を行う

経営層には、自社のコンプライアンス強化を主導するリーダーとしての役割があります。そのためにも、経営層自身がコンプライアンスの重要性を理解するよう意識改革を行いましょう。法令遵守を徹底する組織を目指して、経営層が従業員を導くことが大切です。

コンプライアンス対策室を設置する

コンプライアンス対策室とは、コンプライアンス関連の業務を担う専門部署です。人事部門や総務部門が兼任するケースもあります。コンプライアンス強化の施策へ注力するために、社内に専門部署を設置し担当者を決めておくと良いでしょう。

コンプライアンスを強化するメリット・注意点

最後に、コンプライアンスを強化するメリットと注意点を解説します。以下のポイントを踏まえてルールを守って公正に運営される組織を目指しましょう。

コンプライアンスを強化するメリット

企業のブランドイメージ・社会的信用が向上する

法令や社会の行動規範などのルールを守って事業活動を続けると、企業のブランドイメージや社会的信用を高めることが可能です。顧客や投資家からの印象が向上し、取引先との関係やビジネスの安定化につながります。

従業員とのトラブルを防げる

企業が法的なルールを守って従業員を雇用することで、ハラスメントや長時間労働をはじめとした労働関係のトラブルを防止できます。さらには、従業員にとって働きやすい環境を維持することで、優秀な人材を定着させやすくなるのがメリットです。

不正行為の抑制につながる

社員にコンプライアンスの意識が根づいた組織では、内部不正のリスクを抑制しやすくなります。内部監査や内部通報制度が適切に機能することで、不祥事の防止や早期解決につながり、結果として大きな損失を避けることが可能です。

コンプライアンスを強化する際の注意点

コンプライアンス強化の施策をスムーズに進めるためにも、事前に違反のリスクが高い領域を把握した上で、優先順位をつけて施策を検討すると良いでしょう。その際は、経営層と現場が積極的にコミュニケーションを取りながら、長期的な視点に立って適切な社内体制を整備することが大切です。また、各取締役の相互の監視を強化し、重要事項を取締役会で決定する運用とすることで、抑止力の向上が期待できます。

まとめ

ここまで、コンプライアンス強化の重要性や、具体的に強化する方法、施策のメリットや注意点などをお伝えしました。契約業務のコンプライアンスに課題を感じているなら、NXワンビシアーカイブズの電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」がおすすめです。契約における承認フローを確実に実施する内部統制機能を搭載し、貴社のコンプライアンス強化に貢献します。また、業界最高水準のセキュリティで機密文書や個人情報への不正アクセスを防止します。コンプライアンス強化施策の一環としてぜひご検討ください。

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