デジタル化のメリット・デメリット|注目されている背景は?
目次[非表示]
- 1.デジタル化の主なメリット
- 1.1.情報を共有しやすくなる
- 1.2.業務効率化を図れる
- 1.3.生産性が向上する
- 1.4.コスト削減につながる
- 1.5.ヒューマンエラーを防げる
- 1.6.データの蓄積・活用が可能になる
- 1.7.リモートワークを推進できる
- 1.8.ペーパーレス化を促進する
- 1.9.BCP対策になる
- 1.10.新規事業の創出につながる
- 2.デジタル化の主なデメリット
- 2.1.導入コストがかかる
- 2.2.セキュリティ対策が必要になる
- 2.3.システム障害で業務が止まるおそれがある
- 2.4.検討に時間がかかる
- 2.5.社内外の理解が必要になる
- 2.6.IT人材の確保が必要になる
- 3.デジタル化が注目される背景
- 3.1.「2025年の崖」問題
- 3.2.労働人口の減少に伴う人材不足
- 3.3.働き方改革の実現
- 3.4.市場競争力の低下
- 4.まとめ
デジタル化とは、アナログだったものをデジタルでの運用へ移行することです。主にビジネスプロセスをデジタル化することを指し、業務の効率化を目的として実施されることが多く「デジタライゼーション(digitalization)」ともいわれます。似たような言葉にIT化やDX化がありますが、IT化がデジタル化とほぼ同義であるのに対し、DX化はそれをさらに進め「デジタル化によって新たな価値を創出し、ビジネスモデルや企業のあり方を変革すること」を指します。
ここでは、デジタル化の主なメリットやデメリット、デジタル化が注目されている背景や理由について解説します。
デジタル化の主なメリット
企業がデジタル化を進めることで業務効率が向上することは確かですが、デジタル化のメリットはそれだけではありません。ここでは、業務効率化から波及するどんなメリットがデジタル化にあるのか、具体的なポイントを10個ご紹介します。
情報を共有しやすくなる
情報をすべて紙ベースで共有しようとすると、オフィス内でも直接やりとりしなければなりませんし、オフィス外であれば郵送しなければなりません。手間がかかるだけでなく、相手に情報を共有するまでに時間がかかってしまいます。それに対して、デジタル化により書類を電子化していれば、情報はメールやクラウドなどを経由して一瞬のうちにいつでもどこでも共有できます。
業務効率化を図れる
ビジネスプロセスにITツールを活用し、これまで紙ベースで処理していたものを電子化すれば、場所や時間にとらわれない業務が可能になります。特にチームでプロジェクトを進める場合、メンバーが皆同じ場所に集まらなくても、クラウドでデータを共有すれば、共同作業も可能であり、圧倒的な業務効率化を図れます。
生産性が向上する
デジタル化は業務効率化につながります。ムリ・ムダ・ムラを改善すれば、最小限の投入資源で最大限の結果を生み出すことができます。生産性が向上し、売上という目に見える形でデジタル化のメリットが分かるようになります。
コスト削減につながる
デジタル化により業務の各フェーズでコストを削減できます。例えば、従来取引先に請求書を送るときには請求書をプリントアウトし、封筒に挿入し、切手を貼り、送付していました。当然、その各タスクには人的、金銭的コストがかかります。デジタル化を実現できれば、PDF化した請求書を相手企業の担当者のメールに添付して送れば完了です。
ヒューマンエラーを防げる
デジタル化によってこれまで人間の手によって行っていた作業をITツールが代わりにやってくれることになります。例えば、人事・労務から給与計算までをシステムで一貫して処理すれば、ヒューマンエラーを最小限度に抑えられます。
データの蓄積・活用が可能になる
電子化して情報を管理すれば、物理的に格納する場所が必要ありません。それだけでなく、蓄積したデータを活用すれば、社内の業務効率化に役立てることができます。顧客に関するデータであれば、マーケティング領域に活用することも可能です。
リモートワークを推進できる
デジタル化を進めて、時間や場所にとらわれない働き方が実現できれば、リモートワークを推進できます。リモートワークの導入により、コスト削減だけでなく、育児・介護などの理由で離職せざるをえないような優秀な人材を確保できます。
ペーパーレス化を促進する
「デジタル化=ペーパーレス化」ではありませんが、ビジネスプロセスのデジタル化を進めれば、必然的に情報の共有、共同作業を目的として、ドキュメントは電子化されていきます。
BCP対策になる
BCPとは災害やサイバー攻撃など万が一の事態に備えて行う「事業継続計画」のことです。もし、書類がすべて紙ベースであれば、常に物理的に消失するリスクがあります。電子化していれば、そのリスクを大幅に軽減できます。
新規事業の創出につながる
デジタル化により、データが蓄積され、その分析や活用が進めば、新たな顧客ニーズが見えてきたり、新規事業の創出につながったりする可能性があります。
デジタル化の主なデメリット
多くのメリットがあるデジタル化ですが、デメリットがないわけではありません。情報を電子化することで、以下のような6つのデメリットが想定されます。
導入コストがかかる
データを電子化し、それを活用するためには基盤となる設備やシステムを構築する必要があります。例えば、データを管理し、共有するためのオンプレミス環境の導入には膨大な初期コストがかかります。
セキュリティ対策が必要になる
データを、インターネットを経由してメールで送ったり、クラウドで共有したりするということは、絶えず情報の窃取のリスクにさらされているということです。サイバー攻撃対策を行うなどのセキュリティ対策には人的、金銭的コストがかかります。
システム障害で業務が止まるおそれがある
故障やサイバー攻撃などでデータの共有を行う基盤となるシステムに障害が発生すれば、一切の業務が停止するおそれがあります。売上の低下や、顧客からの信頼失墜につながります。
検討に時間がかかる
これまで業務の大半を紙ベースで行っていた中小企業がいきなりシステムを構築するというのはかなり骨の折れる作業です。どのシステムを選ぶか、サービスの選定などに時間がかかるでしょう。
社内外の理解が必要になる
ビジネスプロセスのデジタル化は自社内だけで完結するわけではありません。例えば、これまで紙で送っていた請求書が電子化される場合、取引先の理解が必要になります。
IT人材の確保が必要になる
デジタルツールを使いこなすためには、従業員のデジタルリテラシー向上が不可欠です。
また、単にソフトや端末を使えるようになるだけでなく、データを活用しDXを狙うのであれば、データサイエンティストなどの人材の確保も必要になるでしょう。
デジタル化が注目される背景
いまや大企業だけでなく、多くの中小企業でも、業務プロセスのデジタル化が進んでいます。その背景や理由について解説します。
「2025年の崖」問題
複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムを使用している企業が、DX化を推進できないままだった場合、経済損失が最大で年間12兆円にまで増加する可能性が指摘されており、これを「2025年の崖」と呼んでいます。
労働人口の減少に伴う人材不足
少子高齢化が進む日本では労働人口が減少し続けています。リクルートが公表した予測によると、2040年には国内1,100万人の労働力が不足すると予測されています。労働人口不足を補うためにも、デジタルツールなどによる業務の自動化・効率化が求められています。
働き方改革の実現
2019年4月から順次施行されてきた「働き方改革関連法」により、多くの企業はより少ない労働時間で効率的な働き方を求められています。効率化のためにはデジタルツールの導入などによる業務効率化が必須です。
市場競争力の低下
日本企業は世界各国の企業と比較するとデジタル化で大きな遅れをとっているといわれます。デジタル化の遅れは生産性の低下につながり、それが市場競争力の低下を招いているとも指摘されています。
まとめ
業界や企業規模を問わず今後もますます進むであろうデジタル化、この世界の潮流に抗うことはもはや不可能です。ただ、ビジネスプロセス全体を一気にデジタライゼーションするのは簡単ではありません。そのため、ペーパーレス化など、できるところからデジタル化に挑戦するのも一つの方法でしょう。
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