収入印紙の種類は?課税文書の種類別税額一覧、電子契約の対応も解説

収入印紙が必要な場面に直面したとき、「いくらの印紙を貼ればいいのか」「そもそもどの書類が対象なのか」と迷った経験がある方は少なくないはずです。
印紙税は課税文書の種類と記載金額によって税額が異なり、知識が曖昧なままでは貼り忘れや金額ミスが起きがちです。気づかず放置すると、本来の3倍の過怠税が課されるリスクもあります。
そこで今回は、収入印紙の31種類の額面から購入場所、課税文書ごとの税額一覧、正しい貼り方まで詳しく解説します。実務でスムーズに対応できるよう、ぜひ最後までご覧ください。
収入印紙の種類
分類 | 種類(額面) |
【万円単位】 | 10万円 / 6万円 / 5万円 / 4万円 / 3万円 / 2万円 / 1万円 |
【千円単位】 | 8,000円 / 6,000円 / 5,000円 / 4,000円 / 3,000円 / 2,000円 / 1,000円 |
【百円単位】 | 600円 / 500円 / 400円 / 300円 / 200円 / 120円 / 100円 |
【十円〜一円】 | 80円 / 60円 / 50円 / 40円 / 30円 / 20円 / 10円 / 5円 / 2円 / 1円 |
収入印紙の額面は1円から10万円まで全部で31種類あります。万円単位・千円単位・百円単位・十円〜一円単位と幅広く用意されており、課税文書に記載された金額に応じて必要な額面を選びます。
実際の納付では、複数の額面を組み合わせて使用できます。たとえば、印紙税額が15,000円の場合、10,000円と5,000円を1枚ずつ貼付すれば問題ありません。合計額が印紙税額と一致していれば、組み合わせ方に制限はありません。
なお、名前が似ている「収入証紙」は地方自治体が発行する別の証票で、手数料の納付に使用するものです。印紙税の納付には使えないため、混同しないよう注意してください。
収入印紙の購入場所
購入場所 | 取り扱い種類 | 特徴 |
法務局・役所 | 全31種類 | 高額な額面も確実に入手可能 |
郵便局 | 規模により異なる | 小規模局は在庫が限られる |
コンビニエンスストア | 一般的に200円のみであることが多い | 少額納付には便利 |
金券ショップ | 店舗により異なる | 額面より割安な場合あり |
収入印紙の購入場所は大きく4つあり、必要な額面と用途で使い分けます。
全31種類を取り扱う法務局・役所は、契約書など、大きな金額の印紙が必要な場面で重宝します。郵便局でも購入できますが、局の規模によって在庫の種類が異なるため、事前に取り扱い状況を確認しておくと安心です。
一方、コンビニエンスストアで購入できるのは200円のみがほとんどです。領収書など少額の印紙税を納付する場面では手軽に利用できますが、契約書用の高額な印紙には対応していないことがあります。
印紙を大量に使用する企業なら、金券ショップで割安に購入するのも手です。ただし、取り扱う額面は店舗ごとに異なるため、必要な種類があるか事前に確認してください。
【課税文書の種類別】収入印紙の税額一覧
ひとくちに印紙税といっても、課税文書の種類や契約金額によって税額は大きく異なります。ここでは主な課税文書を種類別に整理し、それぞれの印紙税額を解説します。
第1号文書
契約金額 | 収入印紙の金額 |
1万円未満 | 非課税(※1) |
1万円以上~10万円以下 | 200円 |
10万円超 〜 50万円以下 | 400円 |
50万円超 〜 100万円以下 | 1,000円 |
100万円超 〜 500万円以下 | 2,000円 |
500万円超 〜 1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超 〜 5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超 〜 1億円以下 | 6万円 |
1億円超 〜 5億円以下 | 10万円 |
5億円超 〜 10億円以下 | 20万円 |
10億円超 〜 50億円以下 | 40万円 |
50億円超 | 60万円 |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
※1:第1号文書と第3号文書から第17号文書とに該当する文書で第1号文書に所属が決定されるものは、記載された契約金額が1万円未満であっても非課税文書となりません。
第1号文書とは、不動産売買契約書や不動産交換契約書、不動産売渡証書など、財産の譲渡に関する契約書を指します。不動産取引をはじめ、ビジネスで広く締結される文書の多くが該当するため、実務上関わる機会の多い課税文書です。
税額は契約金額によって異なり、1万円未満の非課税から50億円超の60万円まで幅広く設定されています。契約金額の記載がない場合は一律200円です。
そのなかでも、不動産売買契約書は契約金額に応じて、下表のように軽減措置が取られています。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
10万円超 〜 50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超 〜 100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円超 〜 500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超 〜 1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超 〜 5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超 〜 1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超 〜 5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超 〜 10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円超 〜 50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超 | 60万円 | 48万円 |
不動産売買契約書には印紙税の軽減措置があり、条件を満たせば税額が軽減されます。
対象は記載金額が10万円を超え、2014年4月1日から2027年3月31日までに作成される契約書です。たとえば、契約金額が1,000万円超〜5,000万円以下の場合、本則税率2万円が軽減税率では1万円になります。不動産取引の際は、適用漏れがないように確認してください。
第2号文書
契約金額 | 収入印紙の金額 |
1万円未満 | 非課税(※2) |
1万円以上 ~ 100万円以下 | 200円 |
100万円超 〜 200万円以下 | 400円 |
200万円超 〜 300万円以下 | 1,000円 |
300万円超 〜 500万円以下 | 2,000円 |
500万円超 〜 1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超 〜 5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超 〜 1億円以下 | 6万円 |
1億円超 〜 5億円以下 | 10万円 |
5億円超 〜 10億円以下 | 20万円 |
10億円超 〜 50億円以下 | 40万円 |
50億円超 | 60万円 |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
※2:第2号文書と第3号文書から第17号文書とに該当する文書で第2号文書に所属が決定されるものは、記載された契約金額が1万円未満であっても非課税文書となりません。
工事請負契約書や工事注文請書、物品加工注文請書などが該当する第2号文書は、建設業・IT業・製造業を問わず企業間取引で広く使われます。取引頻度が高い分、税額ミスが起きやすい文書です。
印紙税額は1万円未満が非課税、1万円以上100万円以下で200円、100万円超〜200万円以下で400円と、契約金額に応じて段階的に上がります。なお、契約金額の記載がない場合は一律200円です。
第3号文書
手形金額 | 収入印紙の金額 |
10万円未満 | 非課税 |
10万円以上 〜 100万円以下 | 200円 |
100万円超 〜 200万円以下 | 400円 |
200万円超 〜 300万円以下 | 600円 |
300万円超 〜 500万円以下 | 1,000円 |
500万円超 〜 1,000万円以下 | 2,000円 |
1,000万円超 〜 2,000万円以下 | 4,000円 |
2,000万円超 〜 3,000万円以下 | 6,000円 |
3,000万円超 〜 5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超 〜 1億円以下 | 2万円 |
1億円超 〜 2億円以下 | 4万円 |
2億円超 〜 3億円以下 | 6万円 |
3億円超 〜 5億円以下 | 10万円 |
5億円超 〜 10億円以下 | 15万円 |
10億円超 | 20万円 |
第3号文書は、約束手形または為替手形が該当します。手形金額が10万円未満であれば非課税、10万円以上100万円以下で200円から始まり、金額に応じて段階的に増加します。
商取引で手形を利用する場面では、金額に対応した印紙税額を正確に計算し、忘れずに納付しましょう。
第7号文書
継続的取引の基本となるルールを定めた契約書は、第7号文書に分類されます。これには売買取引基本契約書や特約店契約書、代理店契約書などが該当します。
他の課税文書と大きく異なるのは、契約金額にかかわらず印紙税額が一律4,000円に固定されている点です。ただし契約期間が3か月以内かつ更新の定めがない場合は、課税対象から除かれます。
第17号文書
受取金額 | 収入印紙の金額 |
5万円未満 | 非課税 |
5万円以上 〜 100万円以下 | 200円 |
100万円超 〜 200万円以下 | 400円 |
200万円超 〜 300万円以下 | 600円 |
300万円超 〜 500万円以下 | 1,000円 |
500万円超 〜 1,000万円以下 | 2,000円 |
1,000万円超 〜 2,000万円以下 | 4,000円 |
2,000万円超 〜 3,000万円以下 | 6,000円 |
3,000万円超 〜 5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超 〜 1億円以下 | 2万円 |
1億円超 〜 2億円以下 | 4万円 |
2億円超 〜 3億円以下 | 6万円 |
3億円超 〜 5億円以下 | 10万円 |
5億円超 〜 10億円以下 | 15万円 |
10億円超 | 20万円 |
受取金額の記載のないもの | 200円 |
第17号文書は、売上代金にかかる金銭または有価証券の受取書が該当します。具体的には、商品販売代金の領収書や不動産賃貸料の受取書、請負代金の受取書などが含まれます。受取金額が5万円未満は非課税で、5万円以上100万円以下が200円となり、以降は金額に応じて増加します。
売上代金以外の金銭や有価証券の受取書(借入金の受取書、保険金の受取書、損害賠償金の受取書など)の場合は、5万円未満が非課税、5万円以上もしくは受取金額の記載がないものは一律200円です。なお、営業に関しないものは非課税文書として扱われます。
収入印紙の正しい貼り方と実務のポイント
収入印紙は、貼る場所と消印の方法を誤ると正しく納付されていないとみなされます。ミスを防ぐために、基本的なルールを確認しておきましょう。
収入印紙の貼付欄に貼る
収入印紙は、課税文書に設けられた貼付欄に貼ります。貼付欄がない場合は、文書の余白に貼付してください。貼付位置について法令上の厳密な指定はありませんが、文書の見やすい場所に貼るのが一般的です。
貼付後は消印を行い、再利用を防ぐ
消印の目的は、収入印紙の再利用を防ぐことです。貼付後に消印がない場合は正しく納付されていないとみなされるため、必ず対応が必要です。
その方法は印章(はんこ)とボールペンによる署名の2種類が認められており、どちらも印紙・文書の両方にまたがるように行います。
貼り忘れ・金額ミスの際は、還付手続きを検討する
印紙の取り扱いでミスが発生した場合、その内容によって対応が異なります。貼りすぎや誤貼付であれば税務署での還付手続きで返金を受けられますが、貼り忘れの場合は本来の3倍の過怠税が課されます。
ただし、税務調査前に自ら不納付を申し出た場合は1.1倍への軽減が認められています。ミスに気づいた時点で速やかに対応することが、余分なコストを防ぐポイントです。
電子契約での収入印紙の扱い
電子契約では印紙税が不要です。紙の契約書と扱いが異なるため、違いを正しく理解しておきましょう。
電子契約と紙の契約の違い
紙の契約書と電子契約では、印紙税の扱いが大きく異なります。
紙の契約書 | 電子契約 | |
課税文書の「作成」 | 該当する | 該当しない |
印紙税 | 必要 | 不要 |
根拠 | 印紙税法基本通達第44条 | 2005年国会答弁・国税庁2008年文書回答 |
印紙税法基本通達第44条では、「課税文書の『作成』を単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使すること」と定めています。
電子データはこの「用紙等」にあたらないため、電子契約では課税文書の「作成」に該当せず、印紙税は不要です。
電子契約に切り替える実務上のメリット
電子契約に切り替えることで、印紙税の納付コストをゼロにできます。取引件数が多い企業ほど年間の削減効果は大きく、導入を検討する理由になります。
さらに印紙税の削減に加え、郵送費の削減・保管スペースの圧縮・契約締結までのリードタイム短縮など、業務効率化の効果も同時に得られます。契約業務の見直しを検討している場合、まず電子契約の導入から始めてみてください。
電子データを印刷して交付した場合の扱い
電子契約として締結した文書を印刷した紙は「写し」にすぎず、印紙税は課税されません。ただし、その紙に署名や押印を加えた時点で「新たな課税文書の作成」とみなされます。
意図せず印紙税が発生するリスクを避けるためにも、電子データのまま保管・共有しましょう。
まとめ
課税文書への印紙税は、文書の種類と記載金額によって税額が異なります。全31種類の額面から適切なものを選び、貼付後は消印を忘れずに行ってください。消印漏れは過怠税のリスクに直結するため、手順の徹底に努めましょう。
電子契約であれば印紙税の納付が不要となり、コスト削減と業務効率化を同時に実現できます。紙と電子が混在する契約管理をスムーズにするには、NXワンビシアーカイブズの「WAN-Sign」が役立ちます。
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