リーガルテックとは?市場規模とサービスの種類、導入時のポイント


目次[非表示]

  1. 1.リーガルテックの基礎知識
    1. 1.1.リーガルテックとは?
    2. 1.2.日本国内でリーガルテックが注目される背景
  2. 2.リーガルテックの市場規模
    1. 2.1.日本におけるリーガルテックの市場規模
    2. 2.2.海外におけるリーガルテックの動向
  3. 3.リーガルテックの主な種類
  4. 4.リーガルテックを導入するメリット・デメリット
    1. 4.1.リーガルテックを導入するメリット
    2. 4.2.リーガルテックを導入するデメリット
  5. 5.リーガルテックの導入をスムーズに行うポイント
    1. 5.1.導入目的を明確にする
    2. 5.2.リーガルテックツール選定のため、要件を定義する
    3. 5.3.導入前にトライアルを活用する
    4. 5.4.導入計画を策定し、スモールスタートで段階的に導入する
    5. 5.5.他社の成功事例を参考にする
  6. 6.まとめ


リーガルテックとは?市場規模とサービスの種類、導入時のポイント


国内の多数の企業がDX推進の施策に取り組む中、法務もDXの対象となり、従来の業務プロセスを見直す動きが始まっています。そこで注目されているのが、法律と先端テクノロジーを掛け合わせた「リーガルテック」です。

この記事では、リーガルテックに関する基礎知識を解説します。また、市場規模やサービスの種類、導入時のポイントにも触れます。法務の業務効率化へ向けてぜひ参考にしてみてください。


リーガルテックの基礎知識

初めに、リーガルテックに関する基礎知識を解説します。近年、リーガルテックが注目される背景についても押さえておきましょう。


リーガルテックとは?

「リーガルテック」とは、「法律(Legal)」と「技術(Technology)」を組み合わせた概念であり、法務業務を効率化するためのサービスやシステムを指します。従来の法務における手作業やアナログでの管理を、先端テクノロジーの活用やデジタル化によって大幅に効率化します。リーガルテックで用いられる技術の例として、「人工知能(AI)」「暗号化技術」「電子署名」「ブロックチェーン」などが挙げられます。


日本国内でリーガルテックが注目される背景

日本国内のビジネスシーンでは、業務のデジタル化が急速に進んでいます。また、リモートワークの普及に伴い、クラウドベースのシステムを導入する企業が増えています。こうしたトレンドは法務の領域にも広がっており、リーガルテックが注目されている状況です。今後さらにリーガルテックの普及が進み、法律業界が大きな変化を迎えると予測されています。


リーガルテックの市場規模

国内外の多くの企業でリーガルテックの導入が進んでいます。ここでは、リーガルテック業界の市場規模や、海外の動向をご紹介します。


日本におけるリーガルテックの市場規模

日本におけるリーガルテックの市場は拡大傾向にあります。大手企業ではすでに導入が進み、法務の効率化やコスト削減に向けた取り組みが進んでいる状況です。また、定型の法務を効率化して難易度の高い案件に集中する目的で、法律事務所でのリーガルテックの導入も進んでいます。その一方で、中小企業や個人事業主では、初期投資の高さやデジタル化の遅れなどを背景に、導入が進まないケースが少なくありません。


海外におけるリーガルテックの動向

リーガルテックはグローバル市場においても近年注目されている分野の一つです。リーガルテックの導入により競争力の強化に取り組んでいるグローバル企業や大手法律事務所も少なくありません。国際取引でもリーガルテックが活用され、多言語対応のシステムも開発されています。その一方で、国際取引においては各地域の法制度や規制へ対応したリーガルテックを採用する必要があります。



リーガルテックの主な種類

リーガルテックでは、主に以下のサービスが提供されています。法務の業務効率化に役立つ各種サービスの一般的な特徴を確認してみましょう。


ドキュメントの自動化

大量の契約書をクラウド上で一括管理できるサービスです。後述する電子署名技術を用いた電子契約の運用に移行すると、ドキュメント管理の効率がさらに向上します。検索機能による契約管理の効率化が期待できます。


AIを用いた法律相談

AIチャットボットによる24時間対応の法律相談のサービスです。契約リスクや商標権といった具体的な問題に対して速やかにアドバイスを受けられます。AIが過去の判例データを基に対応策を情報提供する仕組みです。システムはアップデートされるため、最新の法規制に対応できます。


契約書作成サービス

弁護士監修のテンプレートで契約書を自動作成できるほか、オンラインで弁護士に契約書の作成やレビューを依頼できるサービスです。専門家の弁護士に依頼することで、新規の契約締結におけるリスクを軽減でき、法務部門の業務負担も減少します。


電子契約サービス

電子署名技術を用いて、オンラインでの電子契約を実現するサービスです。紙の印刷や押印などの手間を省き、契約業務全体を効率化します。紙の契約書による申請フローを大幅にスリム化することが可能です。


契約管理システム(CLM)

契約書類を効率的に管理するサービスです。契約書の作成・編集・保存を一元化できます。また、契約期限や契約更新をリマインドする機能により、重要な期限を見逃すリスクを抑えられます。複数の担当者が同時にアクセスできるため、チームでの作業が円滑に進行します。


書類保管・管理サービス

アナログ環境のデータを、デジタルデータと併せて適切に保管・管理するサービスです。紙の書類を保管・管理するほか、紙からデータに変換することも可能です。アナログからデジタルまで、書類の一元管理による法務の効率化を実現します。


契約書レビューサービス

取引先から提示された契約書のレビューを弁護士が行うサービスです。必要に応じてアドバイスや修正を行います。契約書に存在する法的なリスクを速やかに検証し、契約プロセスの効率化が期待できます。


登記・申請・出願関連サービス

株式会社の設立や商標登録などの手続きを弁護士や司法書士が行うサービスです。オンラインで簡単な質問に答えるだけで、速やかに専門家への依頼を行えます。手続きのために外出したり、紙の書類を郵送したりする手間を省けます。


弁護士紹介サービス

相談内容や地域などの条件を指定して、適切な弁護士の紹介やマッチングを受けられるサービスです。複数の弁護士に一括で見積もりや提案を依頼することも可能です。必要なタイミングで効率的に弁護士を選定できます。


情報検索サービス

法務業務に必要な情報を速やかに検索できるサービスです。なかにはAIを搭載した検索機能により、大量のデータからの高度な検索が可能なサービスもあります。自社が求める法律情報を短時間でリサーチすることが可能です。


紛争・訴訟の支援サービス

紛争や訴訟などの問題解決を支援するサービスです。具体例として、訴訟に必要な電子証拠を開示する「eディスカバリ」、IT機器やネットワークに残る法的証拠を収集・分析・鑑識する「フォレンジック」、集団訴訟を支援するプラットフォームなどが挙げられます。


労務・人事管理の支援サービス

企業の労務・人事管理を支援するサービスです。従業員の労働時間の管理、社会保険・労働保険の管理をシステムで一元化することで、業務効率化を実現します。なかには弁護士に労務の相談ができるサービスもあります。


法律事務所向けサービス

法律事務所の業務効率化に特化したサービスです。案件に関するクライアントとのコミュニケーションをシステム上で一元管理する機能や、案件と書類を紐づける機能により、煩雑な管理業務の効率化に貢献します。


リーガルテックを導入するメリット・デメリット

リーガルテックを導入すると、企業には以下のメリット・デメリットがもたらされます。自社へ導入する際は、これらを踏まえて検討すると良いでしょう。


リーガルテックを導入するメリット

業務の効率化と生産性の向上につながる

リーガルテックによって法務の手作業が大幅に省略されると、各種の依頼に対して迅速な対応が可能となります。業務の効率化が進むと、従業員はより重要性の高い仕事に時間を使えるようになり、組織全体の生産性が向上します。


コストの削減につながる

リーガルテックの活用により、業務の自動化や紙媒体のデジタル化が進み、従来よりも工数や人件費を大幅に削減できます。その際は、専門家の知識を活かしつつAIがサポートするため、業務の品質を落とさずにコスト削減が可能です。


担当者による品質のバラつきを防げる

リーガルテックに搭載された契約書の作成機能やチェック機能を活用することで、担当者のスキルにかかわらず、一定以上の品質で業務を遂行できるようになります。担当者ごとに生じるバラつきを防ぎ、法務全体の品質向上が可能です。


過去のデータを分析し、リスク予測できるようになる

過去に蓄積された大量のデータをリーガルテックで収集・分析することで、リスク予測に活用できます。手作業の分析作業を自動化することで、スピーディーなリスク予測を実現し、速やかに企業の意思決定に反映させられます。


必要な書類・情報をすぐに探し出せる

リーガルテックには高度な検索機能が搭載されています。自社が保管するデータのほか、法律の専門書や過去の判例の検索も可能です。担当者が膨大な資料の中から手作業で検索する手間がなくなり、業務に必要な書類・情報を即座に入手できます。


法律リスクを軽減できる

AIによる契約書の自動チェックでミスを修正し、内容の正確性を高められます。システムによっては自動で更新されるものもあり、最新の法律に即座に対応することが可能です。結果として、法律リスクの低減が期待できます。


リーガルテックを導入するデメリット

導入に一定のコストがかかる

リーガルテックを導入する場合、一定の初期費用やランニングコストが発生します。また、導入時にはシステム化による業務フローの変化にともない社員教育が必要となるため、社内で人的リソースを確保しなければなりません。


セキュリティ対策が必要

一般的にリーガルテックは、サービスを提供するベンダー側で強固なセキュリティ対策が講じられています。ただし、企業を狙ったサイバー攻撃によるデータ漏えいや不正アクセスを防ぐためにも、社内でもセキュリティ対策を講じることが必須です。


トラブル発生のリスクがある

社会にリーガルテックが普及し、多くのメリットが期待されている一方で、将来的に提供サービスの法的効力や適法性などが議論の対象となる可能性があります。リーガルテックの導入企業には法的権利と技術利用のバランスを取る意識が求められるでしょう。


電子契約できない場合がある

2025年3月現在、多くの契約で電子契約が認められているものの、一部の契約は書面以外での締結が認められていません。例えば、「事業用定期借地契約」「企業担保権の設定又は変更を目的とする契約」「任意後見契約書」などは紙の契約書による締結が義務付けられています。



リーガルテックの導入をスムーズに行うポイント

リーガルテックの導入をスムーズに行うためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。法務担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。


導入目的を明確にする

初めに自社がリーガルテックを導入する目的を明らかにします。目的が明確になると、適切なサービス選定が可能です。例えば「契約書のレビューをスピードアップする」「紙と電子の契約書を一元管理する」といった形で、リーガルテックの導入によって解決すべき点を明確にしましょう。


リーガルテックツール選定のため、要件を定義する

自社に適したリーガルテックツールを選定するには、求める要件を定義することが大切です。例えば「搭載されている機能」「初期費用・月額費用」「セキュリティ体制」「ベンダーの導入実績」といった観点で求める要件を決めた上で、各種サービスを比較検討すると良いでしょう。


導入前にトライアルを活用する

リーガルテックのサービスによっては、導入前に無料トライアルを利用できる場合があります。無料トライアルを活用すれば、担当者がサービスの機能や操作性を実際に確かめることが可能です。無料トライアルの有無はサービスによって異なるため、製品サイトで確認したり問い合わせたりすると良いでしょう。


導入計画を策定し、スモールスタートで段階的に導入する

リーガルテックを導入する際、全ての業務を一斉に移行する方法のほかに、スモールスタートで段階的に移行する方法があります。例えば、一部の業務や部署のみを対象に導入することで、導入直後に発生する問題に対処しやすくなります。現場の負担を軽減するためにスモールスタートを検討してみましょう。


他社の成功事例を参考にする

リーガルテックを導入して業務効率化やコスト削減を実現した企業の事例から、成功させるためのポイントを学ぶと良いでしょう。自社と近い業界・業種・規模の企業を参考にすることで、スムーズな導入や成果につなげられる可能性があります。その際は、製品サイトの導入事例ページなどを参考にできます。


まとめ

ここまで、リーガルテックに関する基礎知識のほか、市場規模やサービスの種類、導入時のポイントなどをお伝えしました。現状の法務の課題解決へ向けてリーガルテックの導入を検討しているご担当者様には、企業法務をアウトソーシングする新時代のリーガルテック「クラウドリーガル」がおすすめです。

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監修:金沢 由樹
監修:金沢 由樹
所属:クラウドリーガル(a23s株式会社)    https://www.cloudlegal.ai/ 企業法務アウト・ソースサービス(ALSP)「バーチャル法律事務所」クラウドリーガルで顧問を務める。 IBM系 独立ソフトウェアベンダー(ISV)や商社系SIerで製品企画を経て、GMOグローバルサイン・ホールディングス(旧:GMOクラウド)にてリーガルテック領域である電子契約推進室(現:電子契約事業部「GMOサイン」)に従事、契約書管理機能付き電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」や不動産・管理会社向け電子契約サービス「Z-SIGN」の企画担当などOEMビジネスの立上・企画やアライアンス戦略・提携および新規領域開発も担当。(兼任)

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