リーガルチェックとは?重要な理由と手続きの流れ、確認のポイント


目次[非表示]

  1. 1.リーガルチェックとは?
    1. 1.1.リーガルチェックとは?
    2. 1.2.リーガルチェックと法務確認の違い
  2. 2.リーガルチェックが重要な理由
  3. 3.リーガルチェックを行うメリット
    1. 3.1.正確な契約書を作成できる
    2. 3.2.安心して取引ができる
    3. 3.3.トラブルを未然に防げる
    4. 3.4.自社に不利益な内容について、変更を事前に交渉できる
  4. 4.リーガルチェックの流れ
    1. 4.1.弁護士に依頼する場合
    2. 4.2.社内の法務部に依頼する場合
    3. 4.3.リーガルチェック後の評価と改善
  5. 5.リーガルチェックで確認すべきポイント
    1. 5.1.取引先との契約書のチェックポイント
    2. 5.2.労働法関連のチェックポイント
    3. 5.3.知的財産法関連のチェックポイント
  6. 6.まとめ


​​​​​​​リーガルチェックとは?重要な理由と手続きの流れ、確認のポイント


企業が法律を遵守して事業を運営するためには、契約書や社内規程などの文書に法的な問題がないか、法律の専門家に確認してもらう必要があります。法的な問題が存在する場合は、訴訟や罰則につながる可能性があるため、適切な「リーガルチェック」を実施しましょう。

この記事では、リーガルチェックの業務内容や重要性、手続きの流れ、確認のポイントなどを解説します。法務の担当部署の方は、リーガルチェックの基礎知識を改めて把握しておきましょう。


リーガルチェックとは?

初めに、リーガルチェックに関する基礎知識を解説します。リーガルチェックの業務内容や、法務確認との違いについて確認してみましょう。


リーガルチェックとは?

「リーガルチェック」とは、企業が作成する文書の契約内容・社内規程・取引条件などを詳細に確認して、法的な問題がないか確認する業務のことを指します。弁護士をはじめとした法律の専門家や士業が実施することが一般的です。具体的には「文書の内容が法律に違反していないか」「法的に自社に不利益な取引内容になっていないか」といった部分を確認します。


リーガルチェックと法務確認の違い

「法務確認」とは、事業全体の法的な問題やリスクをチェックして、総合的に評価する業務のことです。それに対して、リーガルチェックでは企業が作成する文書が主なチェックの対象となる点で異なります。リーガルチェックと比べて、法務確認の業務範囲の方が広く、組織全体のリスクヘッジに関わります。


リーガルチェックが重要な理由

なぜ法律事務のなかでもリーガルチェックが重視されるのでしょうか。ここでは、企業法務においてリーガルチェックが重要な理由をお伝えします。


法律違反を回避するため

リーガルチェックには、法律の専門家が事前に確認を行うことで、企業の法律違反を回避する役割があります。万が一、企業が法律に違反した契約を締結してしまうと、契約そのものが無効になるリスクや、社会的信用を失うリスクがあります。


自社にとって不利な条件を是正するため

企業が契約を締結する際、自社にとって不利な条件を見落としてしまうと、以降の取引で大きな損失が発生したり、相手方に対して著しく不利な立場に陥ったりするおそれがあります。リーガルチェックには、不利な条件を是正する意味合いもあります。


契約が無効になるおそれを避けるため

リーガルチェックには、法的に有効な契約を実現する役割があります。法律上、契約が有効であるかを法律の専門家に判断してもらうプロセスによって、契約が無効になるリスクを避けることが可能です。契約が無効となる不適切な書類の発行を防止します。


取引先とのトラブルが発生した際のリスクを減らすため

リーガルチェックでは、法律の専門家が想定されるトラブルに備えて対策を講じることで、自社のリスクを減らす役割があります。トラブルを未然に防ぐとともに、トラブル発生時に問題を解決するための条項を盛り込むことで、適切な対処が可能となります。


取引先からの信頼を失わないようにするため

リーガルチェックの体制を整えて、常に正確な契約書を作成することには、企業の信頼を維持する意味合いがあります。誤字脱字など契約書の不備が多発して、繰り返し修正が行われるような場合は、取引先からの信頼を失いかねません。


企業の信頼性を高めるため

リーガルチェックは企業の信頼性を高める役割を果たします。取引先や顧客との信頼を築くためには、法的に適正な手続きを行うことが不可欠です。正確な手続きを行う社内体制を整備することで、長期的なビジネス関係を築くことができるでしょう。


法律の最新動向に対応するため

企業はリーガルチェックを通じて、法律の最新動向に対応できます。法律が改正された場合、速やかに新しい法規制に適応することが求められます。リーガルチェックを実施することで、企業は法的なリスクを未然に防ぎ、安定した経営を維持できます。



リーガルチェックを行うメリット

企業がリーガルチェックを適切に実施すると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットを解説します。


正確な契約書を作成できる

リーガルチェックを実施すると、対象文書が法律に違反していないことを専門的な観点から確認し、法律に則った適切な契約を実現できます。文書で使用する用語の意味まで詳細にチェックして、正確な書類を作ることが可能です。


安心して取引ができる

リーガルチェックには、自社の不利益につながる条項がないか、事前に確認する目的もあります。自社にとって不公平な契約を締結するリスクを減らし、取引先と合意の上で安心して取引ができるようになります。


トラブルを未然に防げる

リーガルチェックでは、想定されるトラブルに備えた条項を盛り込むこともあります。例えば、万が一契約違反が発生した場合に備えて、損害賠償請求の範囲を決めるケースが挙げられます。契約に関するトラブルや被害を未然に防ぐ効果が期待できます。


自社に不利益な内容について、変更を事前に交渉できる

リーガルチェックの時点で自社に不利益な内容が発見された場合は、契約締結前に相手方へ内容の変更を交渉できます。契約締結後の内容変更には、再度の内容確認や覚書の作成など非常に多くの手間がかかるため、事前に修正することが大切です。


リーガルチェックの流れ

一般的に企業のリーガルチェックは以下の流れで取り組みます。法務担当者の方は、改めて業務プロセスを確認してみましょう。


弁護士に依頼する場合

弁護士にリーガルチェックを依頼する流れ

外部の弁護士にリーガルチェックを依頼する場合は、まず自社のニーズに合わせて弁護士を選定します。その際は、法律事務所や弁護士法人に所属する弁護士と契約を結ぶ方法や、オンラインの法務ソリューションで弁護士に依頼する方法が挙げられます。連携する弁護士から指導やアドバイスを受けながら、社内の法務体制の強化に取り組みましょう。


弁護士への依頼費用相場

弁護士と顧問契約を結ぶ場合、顧問料の金額は個別の条件によって異なります。一般的に、中小企業では月額5万~10万円、大企業では月額10万~30万円が目安です。また、このほかに顧問弁護士への相談時間や依頼内容に応じて追加料金が発生する可能性もあります。


社内の法務部に依頼する場合

社内でリーガルチェックを行う流れ

社内でリーガルチェックを行う場合は、法務部門やコンプライアンス部門を設置する必要があります。専門部署による定期的な内部監査や、全社員を対象としたコンプライアンス研修を実施し、全社的にリーガルチェックの重要性を周知しましょう。また、法務ソリューションの機能を活用してリーガルチェックを実施することも可能です。


リーガルチェック後の評価と改善

リーガルチェックの効果を最大化するには、定期的な評価と改善が不可欠です。まず、内部監査や外部監査を通じて、現状の法令遵守状況を評価し、改善が必要な点を明確にしましょう。続いて、チェック体制の強化、新たなシステムの導入、社員教育の実施など、必要な改善策を講じます。その後、これらの改善策が効果的に機能しているかを再評価し、継続的に見直しを行うことが重要です。


リーガルチェックで確認すべきポイント

最後に、リーガルチェックで確認すべきポイントをお伝えします。契約締結前に、以下のポイントや注意点を理解しておきましょう。


取引先との契約書のチェックポイント

取引先との契約書のチェックでは、契約に必要な内容が過不足なく正確に記載されているか、契約書に記載された用語等に不明点がないかを入念に確認します。特に、「契約当事者の名称」「所在地」「契約の開始時期」などの項目に誤りがないかをチェックしましょう。

また、契約書では取引先との利益のバランスが適正であるかも重要なポイントです。相手方が追加した条項は重点的に確認し、自社に不利益な点がないかを検討すると良いでしょう。また、違法な条項・無効となる条項・内容が矛盾する条項がないかもしっかりと確認します。

書面と電子データのどちらで契約するか、署名(サイン)はどのように行うかなど、形式に関わる部分もチェックが必要です。このほかに、想定されるトラブルに備えた条項が盛り込まれているか、関連する契約書との整合性が取れているかなども併せて確認しましょう。


労働法関連のチェックポイント

労働法関連のチェックでは、まず労働契約の内容が労働基準法に適合しているかを確認しましょう。「労働時間」「賃金」「休暇制度」に法令違反がないかを慎重に見極めることが重要です。特に、残業時間や休日労働に関する条項には細心の注意を払う必要があります。

また、従業員の健康と安全を確保するために、職場の安全衛生に関する規定の遵守もチェックします。例えば、「適切な労働環境の維持」「安全設備の整備」「定期的な安全教育の実施」などの項目です。これらの項目に不備があると、重大な事故や健康問題が発生するリスクがあります。

さらに、従業員のプライバシー保護に関してもチェックが必要です。情報漏えいのリスクを低減するために、「個人情報の取り扱い」「データの保管・管理方法」が適切であるかを確認すると良いでしょう。


知的財産法関連のチェックポイント

知的財産法のチェックでは、まず特許や商標の登録状況を確認することが重要です。法的なトラブルを避けるため、自社製品やサービスが既存の特許や商標を侵害していないかをチェックします。これにより、将来的な法的リスクを回避できます。また、自社の知的財産を保護するため、適切な登録手続きを行うことが重要です。

著作権に関しては、他人の著作物を無断で使用していないかを確認します。著作物を使用する際に適切な許可を得なければ、著作権侵害として訴訟の対象となるリスクがあります。特にデジタルコンテンツの使用においては、細心の注意を払いましょう。

このほかに、社内の知的財産管理体制の見直しも大切です。知的財産の漏洩を防ぐためには、内部監査や従業員教育の強化が必要です。加えて、定期的に管理体制を見直し、最新の法令に適合させましょう。


まとめ

ここまで、リーガルチェックの業務内容や重要性、手続きの流れ、確認のポイントなどを解説しました。外部の弁護士にリーガルチェックを依頼したい場合は、企業法務アウトソース・サービス(ALSP)の法務ソリューション「クラウドリーガル」がおすすめです。「クラウドリーガル」を利用すれば、リーズナブルな料金で弁護士などの専門家へ法務のオンライン相談や契約書レビューを行えます。ALSPでは多種多彩な専門分野の弁護士・専門士業のスケール体制を完備しており、原則1営業日以内に的確なアドバイスが提供されるため、スムーズな問題解決が期待できるでしょう。また、ALSPであればスケール体制があるため繁忙期や事業拡大など業務量に関係なく大量処理することも可能ですので、リーガルチェックの体制を整備・強化する際は、お気軽にお問い合わせください。

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監修:弁護士 崎地 康文
監修:弁護士 崎地 康文
(第二東京弁護士会, 米国ニューヨーク州) 所属:なゆた国際法律事務所 代表弁護士    https://www.nayuta-law.com/ 慶應義塾大学オープンイノベーション推進本部 特任講師 東京薬科大学 特命教授 アンダーソン・毛利・友常法律事務所にて弁護士として企業法務に従事、米国University of California Berkeley Law School.留学後、AI 医療機器スタートアップの執行役員プロダクトマネージャー、慶應大学発ヘルスケアスタートアップ共同創業者兼取締役COOを経て、企業法務アウト・ソースサービス(ALSP)「バーチャル法律事務所」の「クラウドリーガル」を開発・提供しているa23s株式会社の代表取締役を務める。

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