
投資契約書とは?必要な理由と記載事項、チェックポイントは?
目次[非表示]
- 1.投資契約書(出資契約書)の基礎知識
- 1.1.投資契約書とは?
- 1.2.投資契約と株主間契約の違い
- 1.3.投資契約書が必要な理由
- 2.投資契約書の主な記載事項
- 2.1.投資の内容
- 2.2.投資の前提条件
- 2.3.表明保証
- 2.4.資金使途
- 2.5.財務状況の報告義務
- 2.6.経営株主の責務
- 2.7.優先配当
- 2.8.事前承認事項
- 2.9.ロックアップ条項
- 2.10.契約違反時の取り扱い
- 2.11.株式買取請求権
- 2.12.EXIT(イグジット)の対応
- 2.13.契約の終了
- 2.14.秘密保持義務
- 2.15.合意管轄
- 2.16.その他一般条項
- 3.投資契約書のチェックポイント
- 4.投資契約書に関するよくある質問
- 4.1.投資契約書に収入印紙は必要?
- 4.2.出資を受ける際に契約書は必要?
- 4.3.投資契約書は専門家以外が作成しても有効?
- 4.4.投資契約書と投資確認書の違いは?
- 4.5.投資契約書と株式引受契約書の違いは?
- 4.6.エンジェル投資を受ける際の注意点は?
- 5.まとめ

企業が資金調達を行う手段の一つとして、投資家による出資が挙げられます。そもそも投資とは、将来的な利益を期待して、事業などに対してお金を投じることです。このようにビジネスで投資家から出資を受ける場面では、一般的に「投資契約書(出資契約書)」を締結します。
この記事では、投資契約書に関する基礎知識や、主な記載項目、書類発行の際のチェックポイントを解説します。投資によって起こり得るトラブルを防止するために、ぜひ参考にしてみてください。
投資契約書(出資契約書)の基礎知識
はじめに、「投資契約書(出資契約書)」に関する基礎知識を解説します。書類の特徴や重要性について確認してみましょう。
投資契約書とは?
投資契約書とは、企業・投資家が出資に関する条件を取り決める契約書です。「出資契約書」とも呼ばれます。一般的に、スタートアップ企業やベンチャー企業の資金調達において、投資家から出資を受ける際に用いられます。
投資契約と株主間契約の違い
株主間契約とは、会社の株主同士が当事者となって締結する契約のことです。契約書には、会社経営や株式の譲渡制限などに関するルールが記載されます。一方、投資契約は契約当事者に違いがあり、企業と出資者の間で締結される点で異なっています。
投資契約書が必要な理由
投資家と企業が持つ権利や義務を明確化するため
投資契約書には、出資にともない投資家と企業が持つ権利や義務を明確化する役割があります。契約当事者である企業・投資家は、取り決めた合意の内容を書面で確認することが可能です。
トラブル防止やリスク管理のため
投資契約書は企業・投資家間で将来的に起こり得るトラブルを防止したり、リスクを最小限にとどめたりするために作成されます。万が一訴訟が発生した際は、契約書が証拠として用いられます。
投資契約書の主な記載事項
一般的に投資契約書には具体的に以下の記載事項を盛り込みます。ここでは、各項目の内容についてご紹介します。
投資の内容
投資の具体的な内容として、払込金額、払込日、株式の種類、株式の発行数などを明記します。なお、株式の種類には「普通株式」のほかに、株主の権利内容が異なる「種類株式(優先株式や拒否権付株式など)」があります。
投資の前提条件
投資家が出資を行うにあたっての前提条件を明記します。企業側は記載された前提条件をすべて満たさなければ出資を受けられません。
表明保証
表明保証とは、契約当事者が一定の事項が真実かつ正確であると保証する条項です。表明保証に違反すると、契約解除となる可能性があります。
資金使途
投資家から出資を受けた資金を企業が何に使用するかを明記します。例えば「〇〇機器の導入費用」「新規事業部立ち上げに伴う人件費」といった形で記載します。
財務状況の報告義務
企業が定められた時期に投資家へ財務状況を報告する義務について明記します。定期報告や随時開示などのパターンがあります。
経営株主の責務
経営株主が取締役として果たすべき責務について明記します。経営株主は経営目標の達成を実現するために尽力する必要があります。
優先配当
優先配当とは、優先株式の株主が、普通株式の株主に対して優先的に配当を受けることです。投資家が優先配当を得るための条件を盛り込む場合があります。
事前承認事項
企業側が経営の重要事項を決定する際に、投資家の事前承認を要する事項について明記します。事前承認の範囲を明確に記載することが大切です。
ロックアップ条項
ロックアップ条項とは、一定期間にわたって保有する株式の売却・譲渡を制限する条項です。一般的に、株価の急落を防いで経営を安定させる目的で契約書に盛り込まれます。
契約違反時の取り扱い
万が一、契約当事者による契約違反があった場合に備えて盛り込まれる条項です。リスク管理の観点から、違反時の契約終了や損害賠償責任について定めておきましょう。
株式買取請求権
株式買取請求権とは、投資家が企業に対して株式の買取を請求できる権利です。企業側が表明保証に違反したり、重大な契約違反を起こしたりした場合に発動します。
EXIT(イグジット)の対応
「EXIT(イグジット)」とは、投資家が投資した資金を回収することを意味します。株式の売却に関するルールを取り決めて契約書に明記しておきましょう。
契約の終了
契約が終了するタイミングや具体的な条件などを明記します。例えば、投資家による投資回収が完了したケースや、企業が上場し目標が達成されたケースなどが挙げられます。
秘密保持義務
秘密保持義務は、取引で知り得た秘密情報の流出を防止する条項です。情報の不正な持ち出しや利用を避けるために記載しましょう。
合意管轄
合意管轄とは、紛争の発生時に訴訟を行う裁判所を設定するための条項です。一般的には、東京地方裁判所のほか、企業の本店所在地の付近にある裁判所などが指定されます。
その他一般条項
ここまでご紹介した条項に加えて、契約内容に応じて一般条項が盛り込まれる場合があります。例えば、当事者間の費用負担、連絡手段、手続き方法などのルールを明記することがあります。
投資契約書のチェックポイント
投資契約書を作成する際は、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。書類作成時のチェックポイントをお伝えします。
投資条件や資金使途は明確か
投資契約書には、当事者が合意した投資条件や資金使途を明確に記載することが大切です。特に、資金使途は具体的に示すとともに、変更が生じた場合の手続きについても定めておくと良いでしょう。
契約内容が法令に違反していないか
投資契約の内容が法令に適合したものとなっているか、事前に確認が必要です。個別のケースに応じて弁護士など法律の専門家によるリーガルチェックを実施し、法令違反がないよう徹底しましょう。
紛争リスクの制限やトラブル発生時の対応は明確か
万が一投資契約に関する紛争やトラブルが発生した場合に備えて、対応方法を明確に示す必要があります。例えば、双方の公平性を考慮して裁判所を指定し、負担軽減を図りましょう。
経営の自由度と投資家の権利のバランスは適切か
投資契約では経営の自由度と投資家の権利のバランスを取ることが望ましいとされています。企業側は自社の意思決定の柔軟性を確保するために投資家と交渉を行いましょう。
投資契約書に関するよくある質問
最後に、投資契約書に関するよくある質問とその回答をご紹介します。適切な契約書を作成するためにぜひ参考にしてください。
投資契約書に収入印紙は必要?
投資契約書は課税文書には該当しないことから、基本的に収入印紙の貼付は不要となります。ただし、第1号文書に該当する消費貸借に関する内容を含むケースなどでは、課税対象と見なされる可能性があります。
【参考】「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」(国税庁)
出資を受ける際に契約書は必要?
企業が投資家から出資を受けるにあたり、契約書の作成は法的に義務づけられていません。ただし、実務上はトラブル防止の観点から作成することが望ましいとされています。
投資契約書は専門家以外が作成しても有効?
投資契約書は専門家以外が作成しても法的には有効ですが、専門知識の不足によりトラブルが生じるリスクがあります。そのため、契約書は事前に法律の専門家による確認を受けることが推奨されます。
投資契約書と投資確認書の違いは?
投資確認書とは、投資を行う顧客が投資対象やリスクなどの情報を理解した上で適切に取引を行う目的で発行される書類です。金融商品取引法に基づいて金融商品取引業者が顧客に対して交付する書類であり、投資契約書とは役割がまったく異なります。
投資契約書と株式引受契約書の違いは?
株式引受契約書は、企業が新たに発行した株式を引受人に取得させる際の契約に用いられる書類です。投資契約書とは異なる契約締結の場面で発行されます。
エンジェル投資を受ける際の注意点は?
エンジェル投資とは、主に個人投資家が創業初期の企業に対して資金を提供する投資形態です。エンジェル投資を受ける企業は、一般的に投資家によって上場や一定の事業成長を求められます。場合によっては経営参加やエンジェル税制の訴求を含め、投資家にとって魅力的な条件を提示することが大切です。
まとめ
ここまで、「投資契約書(出資契約書)」に関する基礎知識、主な記載項目、書類発行の際のチェックポイントなどをお伝えしました。NXワンビシアーカイブズの電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」は、投資契約をはじめとした契約締結の電子化に貢献します。最高水準のセキュリティと低コストを両立したサービスのため、初めて契約業務にシステムを導入する企業様でも安心してご利用いただけます。導入コストを抑えて電子契約への移行を実現するなら、どうぞお気軽にお問い合わせください。







