契約書の自動更新とは?記載する項目や例文、無効になるケースを解説

目次[非表示]

  1. 1.契約書の自動更新に関する基礎知識
    1. 1.1.契約書の自動更新条項とは?
    2. 1.2.自動更新条項が用いられやすい契約の種類
    3. 1.3.自動更新と法定更新、黙示の更新の違い
  2. 2.契約書に自動更新条項を設けるメリット・デメリット
    1. 2.1.契約書に自動更新条項を設けるメリット
    2. 2.2.契約書に自動更新条項を設けるデメリット
  3. 3.契約書の自動更新条項に記載する項目・例文
    1. 3.1.自動更新条項に盛り込む主な記載項目
    2. 3.2.自動更新条項の例文
  4. 4.自動更新条項が無効になるケース
    1. 4.1.錯誤・詐欺に該当する
    2. 4.2.不能な停止条件が設定されている
    3. 4.3.公序良俗に反する
    4. 4.4.消費者契約法に抵触する
    5. 4.5.強行規定に反する
  5. 5.契約書の自動更新に関するよくある質問
    1. 5.1.自動更新時に契約書を再作成する必要はある?
    2. 5.2.契約更新期間の前に通知する義務はある?
    3. 5.3.契約更新拒絶の申し入れはどれくらいの期間が適切?
  6. 6.まとめ

契約書の自動更新とは?記載する項目や例文、無効になるケースを解説

取引先と中長期的に同様の取引を行う場合は、契約書に自動更新についての条項を盛り込み、更新手続きを効率化する方法があります。当事者間で合意があれば、自動更新条項によって再契約の手間をなくすことが可能です。

本記事では、契約書の自動更新に関する基礎知識や、自動更新条項の例文、無効になるケースなどを解説します。契約業務のご担当者様は、契約更新の効率化へ向けてぜひ参考にしてください。

契約書の自動更新に関する基礎知識

初めに、契約書の自動更新に関する基礎知識をお伝えします。契約の有効期間について相手方と合意した内容を明確にするために、「自動更新条項」の基本をチェックしておきましょう。

契約書の自動更新条項とは?

契約書の「自動更新条項」とは、契約期間が満了となった際に、契約が自動的に更新される条項のことです。自動更新とすることで、契約当事者は同様の契約内容で再度契約を締結する手間がなくなり、契約業務の効率化や負担軽減が期待できます。

自動更新条項が用いられやすい契約の種類

ビジネスシーンで自動更新条項が用いられるのは、長期的な取引関係が前提となる契約を締結する場面です。具体的には、以下のような契約を締結する際に自動更新条項を盛り込むことが多いです。

  • 賃貸借契約
  • 業務委託契約
  • 保険契約
  • クラウドサービス利用契約
  • 保守契約
  • サブスクリプション契約

自動更新と法定更新、黙示の更新の違い

「法定更新」とは、「借地借家法」第26条により建物の賃貸借契約が自動的に更新されることを指します。一般的な自動更新とは異なり、法律に基づいて自動的に更新が行われることが特徴です。

(建物賃貸借契約の更新等)
第二十六条 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。

【引用】「借地借家法(平成三年法律第九十号)」(e-Gov法令検索)

一方「黙示の更新」とは、当事者双方の行動や態度によって契約更新の合意があったと推認されることを指します。ただし、一般的にはトラブル防止の観点から合意の有無について書面に明記しておくのが望ましいと考えられています。

契約書に自動更新条項を設けるメリット・デメリット

契約書に自動更新条項を設けることで、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは、契約当事者が押さえておきたいポイントをご紹介します。

契約書に自動更新条項を設けるメリット

更新手続きの負担を軽減できる

自動更新条項を盛り込むと、契約当事者は更新手続きが不要となるため、双方に負担軽減や業務効率化のメリットがあります。文書を作成したりサインしたりする手間をなくすことが可能です。

契約の継続性を確保しやすい

取引が安定的に存続することで、契約当事者双方のビジネスに利益がもたらされます。両者の利益につながる契約の継続性を確保できる点も自動更新の魅力だといえます。

更新漏れを防げる

自動更新条項があれば、契約担当者による更新漏れのような、人的ミスが原因で発生する契約解除の防止につながります。更新手続きの負担だけでなく、社内の契約管理の負担も軽減できるでしょう。

収支計画を立てやすくなる

契約の自動更新を前提とした取引を確保することで、企業は中長期的な収支計画を立てやすくなります。特に、クラウドサービスやサブスクリプションサービスを提供する企業では、自動更新条項が重要です。

契約書に自動更新条項を設けるデメリット

解約できるタイミングを見逃すおそれがある

当事者が解約を検討している場合は、自動更新条項があることで解約のタイミングを逃してしまうリスクが存在します。不要な契約を継続することがないよう、契約管理を徹底するとともに、社内体制を整備することが大切です。

認識のずれによるトラブルにつながることがある

自動更新条項に関して契約当事者の認識にずれがあった場合、解約でトラブルが発生しやすいことに注意が必要です。場合によっては解決が長引くおそれがあるため、契約締結の時点で更新条件について十分に確認しておく必要があります。

契約書の自動更新条項に記載する項目・例文

ここでは、契約書の自動更新条項に記載すべき項目や、一般的な例文をご紹介します。契約書管理のご担当者様は、書面を作成する際の参考にしてください。

自動更新条項に盛り込む主な記載項目

契約期間の長さ

契約の開始日・終了日を明記し、契約期間を明確にします。「〇〇年〇〇月〇〇日から〇〇年〇〇月〇〇日までの〇年間」といった形で記載します。

更新の基本ルール

契約の自動更新に必要なルールを明記します。多くの場合、「更新拒絶の通知を行わない限り自動的に更新される」といった方法で対応が行われています。

更新を拒否できる期間

更新拒絶の通知を行う場合に、手続きが可能な期間を明記します。一般的には「本契約期間満了の〇カ月前まで」といった形で記載します。

通知方法

更新拒絶の通知方法を明記します。「書面による通知」や「メールによる通知」といった形で、具体的に記載しましょう。

更新後の条件

更新後も同じ条件での契約となる旨を明記します。例えば「同一条件でさらに〇年間自動的に更新される」といった形で条件を指定します。

自動更新条項の例文

自動更新条項を契約書に盛り込む際は、以下の記載例のような形式をとることが一般的です。

本契約の有効期間は、令和〇〇年〇〇月〇〇日から令和〇〇年〇〇月〇〇日までの1年間とする。甲および乙は、本契約期間満了の1カ月前までに相手方に対して書面による更新拒絶の通知を行わない限り、本契約は同一条件でさらに1年間自動的に更新されるものとし、以後同様とする。

具体的な契約期間や更新期限については、当事者間で話し合って設定しましょう。また、個別のケースに関して詳細な確認や判断が必要なときは、弁護士など法律の専門家へ相談することをおすすめします。

自動更新条項が無効になるケース

契約書の自動更新条項は、以下のようなケースでは無効となる可能性があります。契約締結で起こり得るトラブルを防止するために、無効と見なされるケースの例を確認しておきましょう。

錯誤・詐欺に該当する

「民法」の第96条では、錯誤・詐欺による意思表示の取り消しについて、以下のように定められています。該当する場合、自動更新条項が無効となる可能性があります。

(詐欺又は強迫)
第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

【引用】「民法(明治二十九年法律第八十九号)」(e-Gov法令検索)

不能な停止条件が設定されている

不能な停止条件とは、実現が不可能な条件を停止条件とする法律行為のことです。「民法」の第133条では以下のように定められており、法律行為が無効となるとされています。

(不能条件)
第百三十三条 不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする。
2 不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする。

【引用】「民法(明治二十九年法律第八十九号)」(e-Gov法令検索)

公序良俗に反する

「民法」の第90条では、公序良俗に反する法律行為について以下のように定められています。例えば犯罪を目的とした契約など、公序良俗違反の法律行為は無効となるとされています。

(公序良俗)
第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

【引用】「民法(明治二十九年法律第八十九号)」(e-Gov法令検索)

消費者契約法に抵触する

消費者契約法において、消費者の利益を一方的に害する条項が無効となるとされています。具体的に、「消費者契約法」の第10条では以下のように定められています。

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

【引用】「消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)」(e-Gov法令検索)

強行規定に反する

強行規定とは、当事者の合意よりも法律が優先される規定のことです。例えば前述した「民法」第90条は、公の秩序が優先されて法律行為が無効となることから、一般的に強行規定として解釈されています。

契約書の自動更新に関するよくある質問

最後に、契約書の自動更新に関するよくある質問とその回答をご紹介します。必要に応じて弁護士など法律の専門家に相談した上で、自社の業務に適した契約書を作成しましょう。

自動更新時に契約書を再作成する必要はある?

自動更新の際、契約書は再作成しなくても問題ありません。契約書作成や契約締結を再度行うことなく契約の更新が可能です。

契約更新期間の前に通知する義務はある?

一般的に、契約の自動更新に関して、相手方へ契約更新期間の前に通知する義務はないとされています。ただし、契約の種類によって、通知義務の有無は異なりますので、個別契約ごとに条項や法令の確認が必要です。必要な場合は相手方と相談の機会を設けると良いでしょう。

契約更新拒絶の申し入れはどれくらいの期間が適切?

多くの契約書では、契約更新拒絶の申し入れは契約期間満了の1~3カ月前までに設定されています。また、「借地借家法」に基づいた法定更新の場合は、期間の満了の6カ月~1年前までと定められています。

まとめ

ここまで、契約書の自動更新に関する基礎知識、自動更新条項の例文、無効になるケースなどをご紹介しました。契約書に自動更新条項を設けると、更新手続きの負担を軽減できることや、更新漏れを防げることがメリットです。契約手続きや管理をさらに効率化するなら、専用システムを活用すると良いでしょう。NXワンビシアーカイブズが提供する電子契約・契約管理サービス「WAN-Sign」には、契約業務の電子化や一元管理によって、業務効率化を実現する機能が搭載されています。契約業務でお悩みのご担当者様は、ぜひ「WAN-Sign」による電子契約・契約管理をお試しください。

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