信用金庫の業界にあまり電子契約が普及していない原因
「信用金庫業界で電子契約があまり普及していないと思われる要因は、大きく3点あると考えています。1点目は、業界における管掌協会では、協会ごとにシステム環境が異なることです。2点目は人的リソースの制約で、信用金庫では新しい一つの業務に多くの人員を割くことが難しいことです。3点目は、電子契約は新規性が高くリスクも伴うため、導入判断が容易ではなく、最終的には各金庫の判断に委ねられる部分が大きいという点です。
クラウド型システムの利用が制限されているケースも少なくありませんが、総務省の発表等を踏まえ、クラウドでのみ実現可能な機能については、適切なリスクマネジメント態勢を整備することで導入は可能であると考えています。
加えて、金融機関特有の制約もあります。電子契約の締結にはメールアドレスが必要ですが、多くの信用金庫では職員個人のメールアドレスが付与されておらず、インターネット接続端末も限定されています。当金庫も同様の状況でした。しかし、本課題は運用設計により解決可能であることが分かりました。当金庫では、管理者用・作業者用・承認者用の3種類、”合計3つのグループメールアドレス”を新設し、アクセス可能な職員および端末を厳格に限定する運用体制を構築しました。各営業店にはユーザーアカウントを付与せず、本部でアップロードおよび起案作業を実施しています。ただしWAN-Signの機能を利用すれば自身の営業店が担当した書類のみを閲覧できるような体制も構築可能と判断しており、将来的には各営業店へのユーザー配布も検討しています」(山原氏)