WAN-Signの利用方法
クラウドファンディングサービス「FUNDINNO」自社システムとのAPI連携
元々、「FUNDINNO」は、事業者がクラウド上で自社発行の株式を募集にかけると、投資家がウェブから申し込み、株式を購入することができるウェブ完結の仕組みを整えている。通常の手続きであれば、紙の契約書は不要な手続きフローである。
しかし、案件の中には、事業者が独自の「投資契約書」を使って、投資家と別途契約を締結することが必要なものもある。「FUNDINNO」では、資金調達するベンチャー企業の「エンジェル税制」適用の認定業務を、各都道府県に代わって行えるが、フォーマットはあらかじめ定められており、事業者と投資家の間で投資契約を結ぶことになる。その際に紙で契約を取り交わすという、アナログ対応を無くしたいと考えていた。
株式の募集をウェブ上で実施すると、多数の申込みを受け付けられるのが特長である反面、事業者が投資家と1件ずつ紙で契約締結するのは煩雑だった。また、契約管理という点でも、紙の契約書作成フローは、記載内容に関して見落としを防ぐためのチェックに際し、現物を確認するか、都度PDF化して閲覧するか、という手間がかかり負荷が大きい。
日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)では「FUNDINNO」への申込みのタイミングで、投資家は株主になることができる。投資家は、申込み段階でエンジェル税制の適用可否が画面上に表示されて分かるため、紙の書類を用いたアナログ対応を介在させず、電子的に「FUNDINNO」プラットフォーム上で手続きを完結できることが大切である。API連携により、電子契約サービス「WAN-Sign」でエンジェル税制のための投資契約等を締結できる。また、「募集に関する契約書」など重要な契約書類については、厳格な本人認証が可能な電子証明書を用いた「実印版」を利用できることが極めて重要だと判断した。
電子契約&書面契約の自社利用
既存の取引先と日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)の間で締結する契約についても、「WAN-Sign」を使用することで、徐々に電子への切り替えを進めている。「FUNDINNO」を使用して株主を募集する事業者と日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)の間で締結する際も、電子契約の方が紙より便利である。
例えば、締結頻度の高い「秘密保持契約書」や「業務委託契約書」、厳格な本人認証が必要な証券会社特有の「募集に関する契約書」、そして「雇用契約書」も徐々に電子契約に移行中である。これまで印紙を貼付していた契約書類も、電子であれば印紙代を負担しなくて済むため、コスト削減効果も見込める。
これまでに締結してきた紙の契約書は大量で、それらも「WAN-Sign」で一つの台帳で管理できる点も嬉しい。まさに、「紙と電子の一元管理」である。便利な使い方としては、契約満了期限が近づいたら管理部門等の担当部署にアラートを発信できる機能の活用だ。年間利用契約の場合、自動更新される契約もあり、更新時期を的確に把握できないと、もう1年分の費用負担が生じるリスクもある。「WAN-Sign」に、対象の利用規約などを取り込んでおくことで、不要な契約更新を未然に防いでいきたい。